国土交通省が、新たな「ご当地ナンバー」ならびに「地方版図柄入りナンバープレート」の募集を開始しました。既存のナンバープレートについても「図柄を変えてOK」に。

不人気のものは、図柄の継続ができない可能性も出てきました。

要望が寄せられている「図柄の変更」

 国土交通省が2022年4月、自動車の新たな地域名表示、いわゆる「ご当地ナンバー」と、地方版図柄入りナンバープレートの導入地域を新たに募集すると発表しました。

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図柄入りナンバープレートの例(乗りものニュース編集部撮影)。

 今回はさらに、既存ナンバープレートの図柄の変更も可能になりましたが、国土交通省自動車情報課によると、変えたい意向を寄せている地域があるとのこと。

 というのも、地方版図柄入りナンバーは地域により申し込み件数に差が生じており、不人気なものがあるからです。第一弾となる41地域が2018年10月から、第二弾の17地域は2020年5月から交付が始まりましたが、全58地域中、2022年3月末時点の申し込み件数は次の通りです。

●ベスト3
・1位「熊本」:3万3205件
・2位「福山」:1万7509件
・3位「愛媛」:1万5307件

●ワースト3
・56位「板橋」:1107件
・57位「越谷」:980件
・58位「世田谷」:699件
※交付地域別で見ると、北見・釧路にまたがる「知床」ナンバーの北見エリアでの申し込み件数507件がワースト(釧路エリアは1005件)。

 なお、上記のうち「板橋」は第二弾の地域であり、第一弾地域のみで見ると「杉並」の1168件がワースト3位になります。

「熊本」はくまモンの、「福山」は広島カープのカープ坊やがあしらわれた図柄で、他地域と比べても件数が突出しています。これに対し「世田谷」は、「多摩川とサギソウ」が描かれたものです。なお、お隣の「杉並」では区のキャラクター「なみすけ」をあしらっていますが、同様に申し込み件数が少ないため、キャラが描かれているものが人気というわけでもないようです。

 交付開始から3年半を経た地方版図柄入りナンバー。

今回、新ルールの制定で、不人気の図柄については将来的に継続ができない可能性も出てきました。

不人気図柄「退場」の新ルールとは?

 新ルールでは、図柄の交付期間について、交付開始日から原則として5年間とされています。これは国土交通省が更新時期を定め、各地域に通知するものとしており、申し込み件数や普及率で一定の基準を満たさない図柄について「継続は不可」(国土交通省自動車情報課)になるとのこと。

「地方版図柄入りナンバーは地域振興、観光振興に役立てられるものですが、申し込み件数や普及率の低さは、現状でその影響が小さいと考えられます。これまでは変更などができなかったのですが、図柄の見直しなどを検討していただくことになります」。国土交通省自動車情報課はこう話します。

 そのジャッジの基準は、更新判断時の直近四半期末時点で、図柄入りナンバープレートの「普及率」(当該地域の自動車保有台数に対して図柄入りプレートをつけている台数の割合)が、導入時期により「0.2~0.8%」であることと、直近1年間の申し込み件数「500件」とされています。交付から3年半で1000台に満たないような地域では、図柄の継続が難しくなりそうです。

 なお、図柄の交付を終了することも可能ではありますが、新ルールの要綱には留意事項として、「図柄を変更する場合又は図柄の交付を終了する場合は、当該導入地域は地域住民等に交付終了日等を十分に周知すること」のほか、「国土交通省は当該導入地域にその理由について説明を求める場合がある」と記載されています。

「世田谷ナンバー」ピンチ? 不人気の図柄入りナンバー“変えていい”新ルールとは
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図柄入りナンバープレートの更新基準。申し込み件数は直近1年間で500件とされている(画像:国土交通省)。

 2022年4月下旬に世田谷区の産業連携交流推進課に聞いたところ、現在のところ図柄の変更は具体化していないということでした。

 ちなみに今回の新ルールでは、「世田谷」のようなナンバープレートにおける独自の地域名表示、いわゆる「ご当地ナンバー」そのものの変更・廃止も可とされています。

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