約2年3か月ぶりに復活した東京とソウルを結ぶ直行便。それに伴い、日本の航空会社は使用していないレア機が羽田空港へ飛来しました。

ただ、そのレア機も今だけとか。一体どんな機体なのでしょうか。

大韓航空が日本に持ち込んだ激レア機

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で運休していた東京・羽田空港と韓国ソウル・金浦空港を結ぶ航空路線が約2年3か月ぶりに再開しました。2022年6月29日にはアシアナ航空と大韓航空の再開初便がそれぞれ羽田空港に到着。JAL(日本航空)やANA(全日本空輸)の機体も金浦空港へ向け、羽田空港を飛び立っています。

 コロナ前は週84便が運航していた主力路線、まずは週8往復から再スタートを切るそうですが、その中で注目したいのが、大韓航空のボーイング737-900です。

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2022年6月29日、羽田空港に飛来した大韓航空のボーイング737-900(深水千翔撮影)。

 ボーイングが開発したベストセラー旅客機の737シリーズは日本の航空会社も多数導入しており、それ自体は珍しい存在ではありません。なかでもボーイング777の技術を取り入れたNG(ネクストジェネレーション)シリーズといわれる737-700はエア・ドゥが、737-800はJALやANA、スカイマーク、ソラシドエアが主力機材としており、国内各地の空港で見ることができます。

 しかし、同じNGシリーズながら737-900だけは違います。実は、日本向けの定期便に737-900を用いているのは大韓航空のみで、就航している空港も限られる非常にレアな存在なのです。

 ボーイング737-900は737NGシリーズの中で胴体が最も長い機体です。

737-800が全長39.50m、最大シート数189席なのに対し、737-900は全長42.1m、最大シート数220席となっています。ちなみに、オリジナルモデルといえる737-100の場合は全長28.65m、シート数115席なので、それと比べると全長では約1.5倍、シート数では1.6倍超にまで大型化しています。

8月にはより大型の機材へ変更予定

 ただ、ボーイングは737-900の受注が振るわなかったことから、改良型である737-900ERの生産へと移行しました。737-900ERは貨物室に補助タンクを備えることができ、ライバルのエアバスA321より長い最大約5900kmを飛べる優れた航続距離を誇っている点が特徴です。

 ちなみに、大韓航空は最新型である737-8(737MAX8)の導入を進めており、2022年8月からは金浦~羽田線への投入が予定されています。当初の計画では2019年にも就航させる予定でしたが、安全性の問題から見合わせていました。こちらも日本の航空会社は導入していないため、初飛来した時には注目が集まりそうです。

日本未導入のレア機「ボーイング737-900」羽田へ ファミリー最大級の胴長 見られるのは今だけか?
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ボーイング737の3タイプの比較。上から-700、-800、-900。737-900が最も胴体が長いのがわかる(深水千翔撮影)。

 羽田~金浦線は再開を待ち望んでいた人が多かったからか、夏休みを控えて予約数も好調なようです。こうした背景もあってアシアナ航空、大韓航空ともに機材の大型化を予定しています。

前者はエアバスA330を7月中旬ごろから投入、後者は8月からボーイング777に切り替える計画です。

 大韓航空の予約サイトを見ると、8月以降に羽田線へ投入するのはボーイング777と同737-8となっており、羽田空港で737-900を見られるのは短期間で終わる可能性があります。レア機をこの機会に見ておくのもよいのではないでしょうか。

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