外輪山ブチ抜き、完成見込み立つ!

阿蘇外輪山を貫く「滝室坂トンネル」完成へ

 国土交通省 熊本国道事務所は2024年5月17日、「中九州横断道路」の一部をなす国道57号「滝室坂道路」6.3kmが、2026年度に開通する見通しだと発表しました。

「阿蘇の長大トンネル」26年度に開通へ! 熊本ー大分直結「中...の画像はこちら >>

阿蘇側から大分側を望む。
奥のクネクネ道路が国道57号、左手前のトンネルが滝室坂トンネル(画像:Google earth)。

 大分市と熊本市を結ぶ約120kmの高規格道路として計画されている中九州道路のうち、熊本・大分県境近く、阿蘇外輪山のカルデラ周縁部を貫く区間が滝室坂道路です。6.3kmのうち約4.8kmを占める「滝室坂トンネル」が、2023年に貫通していました。無料道路としては熊本県内最長のトンネルになります。

 現道の滝室坂は豊後街道(国道57号)の中でも最大の難所とされ、約4kmで220mの高低差を急カーブの連続で克服している区間です。標高が高いため積雪や凍結も多く、大型車のスリップ事故なども多発、通行規制がかかる割合も高くなっています。

 そこを、大分の製油所から熊本へ向かうガソリンのタンクローリーや、熊本の二輪車工場から完成車を積んで港へ向かうトラックなどが通行するなど、重要な物流ルートになっています。低速で通行せざるを得ないこれら物流車にとっても、安定したトンネル経由の新ルートに期待がかかっています。

 なお、中九州横断道路は熊本県内の大津ICー阿蘇西ICと、大分県内の竹田IC-犬飼ICが開通済。熊本側では九州道につながる区間(大津西―熊本北JCT)や、滝室坂道路から大分側の竹田ICまでの区間も建設が進んでいます。ただし阿蘇のど真ん中にあたる阿蘇西ICから滝室坂道路までの区間と、大分側の東九州道へつなげる区間(犬飼―大分宮河内)は未だ事業化されていません。