東海道新幹線に初となる特別塗装車両が登場します。開業以来、車両の象徴ともいえる側面の「青帯」をも廃した異色の車両ですが、なぜか「ひかり」「こだま」で運用するようです。
JR東海は2025年2月17日、東京ディズニーリゾートとコラボした特別塗装車両となる「Wonderful Dreams Shinkansen」を浜松工場(静岡県浜松市)で公開しました。東海道新幹線では初の特別塗装車両となります。
東海道新幹線(画像:写真AC)。
この車両は、東京ディズニーシー内に2024年6月に開設されたテーマポート「ファンタジースプリングス」をテーマにした特別編成です。「ファンタジースプリングス」は、『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』を題材とした3エリアと、ホテルで構成されているエリアです。
特別塗装が施された車両はN700Aの1編成(G25編成)で、浜松工場で実施している全般検査のタイミングに合わせて外装が変更されました。
『アナと雪の女王』の「フローズンキングダム」が4・7・10・12・14号車、「ラプンツェルの森」が2・5・8・11・15号車、「ピーターパンのネバーランド」が3・6・9・13号車にデザインされているほか、両端の1・16号車はこれら3つのテーマエリアを1つにした世界観が表現されています。
東海道新幹線の象徴である青帯は消え、車体に書かれているオレンジ色のJRマークは銀色に変更されています。
変化したのは外装だけではありません。車内(グリーン車とビジネス客向けの7号車を除く)もヘッドカバーとテーブルシールを独自デザインに変更。また、車内メロディーもディズニー映画『塔の上のラプンツェル』から採用した「輝く未来」となる予定です。
「ひかり」「こだま」中心で運行するワケは17日に開かれた特別塗装車両のお披露目セレモニーに登壇したJR東海の丹羽俊介社長は「より多くのお客様に夢の中にいるような気持ちになっていただき、東京ディズニーランドを楽しんでいただきたい」と述べました。
「Wonderful Dreams Shinkansen」の運行期間は、2月21日(金)から9月中旬まで。初日は「ひかり632号」(名古屋6時43分発→東京8時42分着)として走り、その後は東海道新幹線(東京~新大阪)で、主に「ひかり」「こだま」として運行される予定です。
特別塗装車両を「のぞみ」ではなく、「ひかり」「こだま」中心で運行する理由について、JR東海は「色々な駅で車両を見ていただきたいという思いがあり、停車駅が多い『ひかり』『こだま』で運行することになりました」(東京広報室)と話します。なお、既に9割以上の予約が入っている列車もあるといいます。
ちなみに、既にJR東日本の東北新幹線でも、「Magical Journey Shinkansen」として同様の車両が2024年10月に登場しています。