トルコなどでは、公衆浴場「ハマム」が存在します。この「トルコのお風呂」は、日本の公衆浴場のそれとは全く異なる内容です。
2025年2月にANA(全日空)が就航したイスタンブールがあるトルコなどでは、公衆浴場「ハマム」が存在します。この「トルコのお風呂」は、日本の公衆浴場のそれとは全く異なる内容です。どのようなものなのか、実際に体験してきました。
イスタンブールにあった「ハマム」施設(松 稔生撮影)。
イスタンブールの市街地にはかなりの数のハマム施設が点在し、なかには数世紀の歴史を持つ施設も。値段は施設によりまちまちですが、数千円から数万円ほどの価格帯が一般的なようです。
今回は新市街・ベイオール地区のイスティクラル通りの近くにある「ガラタサライ ハマム」を訪れてみました。ここは1481年創業で、イスタンブールで最も古いハマム施設のひとつなのだそうです。今回は3000リラ(約1万1067円)のプランを受けてみました。
このコースは90分制で、入浴とスクラブマッサージ、そして泡を用いたマッサージの3つで構成されています。浴室内は撮影禁止で、一度2階の鍵付き個室に案内されたのち、荷物と貴重品、スマートフォンなどをおいて、紙パンツに着替えます。
そうして浴室に入りましたが、そこは大理石張りの高い天井を持つドーム空間となっています。歴史がある建物だけあって、その内装は某古代ローマ帝国のお風呂をテーマにした映画のセットのようです。また、壁際に手洗い場のようなものがいくつも並んでいますが、いわゆる日本の「湯船」はありません。
室内はムシムシしており、日本の夏より少し暑いかなくらいの高温。いわゆる低温サウナや岩盤浴のようになっています。この中央部には、人が何人か寝られる大きさの大理石の台があり、そこの上で20分ほど寝て、体を温めるように指示を受けました。しばらく寝ていると女性も同じ浴室に入ってきたので、ここは男女兼用の空間となっているようです。
「トルコのお風呂」の”泡”が結構凄かったしばらく浴室でウトウトしていると、いかにも腕力がありそうなムキムキの男性スタッフが起こしに来ました。先程の女性のお客さんは女性のスタッフに別の部屋に連れて行かれたので、体を温めたあとは、男女別の対応となるのかもしれません。

市内には「ハマム」で使用するタオル類の専門店なども(松 稔生撮影)。
そうしてムキムキの男性スタッフの方によるスクラブマッサージが始まります。
続いてそのまま泡によるマッサージへ。しかしこれがかなり強烈で、かなり容赦ない力で腕を引っ張られたりします。「リラ~ックス、リラ~ックス……」と声をかけていただきましたが、脱力するのはなかなか難しかったです。とはいえ、終了後は肩が少し軽くなった気もしました。ちなみに、この泡で頭も洗ってもらえます。
泡によるマッサージが終わると、壁際の手洗い場のようなところに向かい、お湯をかけて泡を流してもらいます。最後に別の洗い場に案内されたと思うと、かけられたのはなんと冷水。予想していなかったのでビックリしましたが、日本のサウナのような”ととのい”効果はありました。最後に体を拭いてもらってフィニッシュ。その後チャイ(紅茶)をいただきながら共有部でリラックスするよう伝えられ、ある程度落ち着いた段階で着替えて退店といった流れでした。
このように「トルコのお風呂」は、日本のそれとは全く異なるものでした。とはいえ日本の湯船にはないスッキリ感が味わえましたので、トルコに渡航された際は体験してみるのもありかもしれません。