西武鉄道は、新宿線と東京メトロ東西線の相互直通運転の実現に向けた検討を本格化します。
西武鉄道「新宿線の抜本的な利便性向上のため重要」西武鉄道は、新宿線と東京メトロ東西線の相互直通運転の実現を目指します。
西武新宿線の車両(画像:写真AC)
西武新宿線は、東京から放射状に郊外へ伸びていく関東大手私鉄の「本線格」の路線で唯一、地下鉄と直通していません。現状では新宿へ行く以外、高田馬場駅で山手線または東西線への乗り換えが必須となっています。
新宿線と東西線との直通が実現すれば、上下移動を伴う高田馬場駅での乗り換えが解消され、所沢方面から大手町・日本橋方面へ乗り換えなしで移動できるようになります。
この直通運転構想は以前から存在し、これまでも株主総会などでしばしば要望が寄せられてきました。また、沿線自治体の中野区も過去に実現に向けて取り組む方針を示したことがありますが、具体化には至っていません。
ただ西武ホールディングスの後藤会長は2025年3月期の決算説明会で、東京メトロが上場したことに触れ、新宿線と東西線の相互直通を「ぜひ実現させていきたい」と述べました。
また、西武鉄道は乗りものニュースの取材に対して、「東西線と新宿線の相互直通運転は、新宿線の抜本的な利便性向上のため重要であると考えています。これには様々な協業先が想定され、当社の意思のみで進めることはできませんが、引き続き可能性を模索していきます」と回答。直通運転の実現に向けた検討を進める方針を示しました。
西武鉄道をめぐっては、池袋線とJR武蔵野線との直通構想も明らかになっており、こちらは既に存在する所沢~新秋津間の連絡線を介して直通できるため、新線の建設は不要です。
いっぽう新宿線と東西線は線路がつながっていないため、両線を結ぶ短絡線を建設する必要があります。多額の費用が見込まれるため、どのようにして実現していくのか、事業スキームも含めて今後の動向が注目されます。