訓練中に緊急着陸した模様。

あまりの悪天候で着艦を断念か?

 インド空軍は2025年6月16日、イギリス海軍の空母「プリンス・オブ・ウェールズ」の艦載機であるF-35Bが、ティルヴァナンタプラム(トリヴァンドラム)国際空港に緊急着陸したと発表しました。

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「プリンス・オブ・ウェールズ」の飛行甲板に駐機するF-35B(画像:イギリス海軍)

 緊急着陸は、6月14日午後9時30分ごろに行われました。この日、イギリス海軍の空母打撃群とインド海軍は合同演習を実施していました。

 しかし当日は、予想外の強風と雷雨を伴う悪天候に見舞われ、安全性の観点から空母への着艦は不可能と判断されました。そのため、F-35Bはティルヴァナンタプラム国際空港への緊急着陸を要請し、進入許可を得て着陸しました。なお、同空港はあらかじめ演習時の緊急着陸地として指定されていたと、インド空軍は説明しています。

 F-35Bは垂直着陸が可能なSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)機であり、悪天候下でも高い着艦能力を持っているといわれています。しかし、今回はそのF-35Bをもってしても着艦は危険と判断されるほど、天候は厳しい状況だったようです。

 空母「プリンス・オブ・ウェールズ」は、約8か月にわたってインド太平洋地域を巡航する長期作戦「オペレーション・ハイマスト」の途上にあり、今回のインド海軍との合同演習もその一環です。同艦は今後、日本、シンガポール、マレーシア、アメリカなどを訪問し、各国との演習や親善活動を予定しています。

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