NEXCO中日本が新東名の建設中区間を見学する親子向けのツアーを開催しました。巨大な建造物を前に、子どもたちは大興奮の様子でした。
NEXCO中日本は2025年8月4日、新東名の未開通区間である新秦野IC~新御殿場IC間の建設現場を親子向けに公開する見学ツアーを開催。神奈川県山北町で進む「山北スマートIC」と「河内川橋」の建設現場が公開されました。
建設もいよいよ大詰めを迎える新東名「河内川橋」(乗りものニュース編集部撮影)
新東名の新秦野IC~新御殿場IC間およそ27kmは、2027年に完成を予定している“最後の未開通区間”です。このうち河内川橋は、国道246号から丹沢方面の県道に入って河内川を少し遡った位置に架かり、県道と河内川が流れる谷を一気に跨ぎます。なお、6月には「やどりき双扇橋」の名称が決定しましたが、現場ではもっぱら「河内川橋」の仮称で呼ばれています。
「バランスドアーチ橋」と呼ばれる形式で、長さは上り線が771m、下り線は692m、最大支間長(橋脚と橋脚の間の長さ)は220mと、同構造の橋では日本最大級の規模となっています。川面からの高さは約125mにおよび、その姿は山ひとつ離れた国道246号からも確認できるほど高く、大きな橋です。
また、山北スマートICは河内川橋の西側の山の上に建設中で、東京方面への出入りのみが可能なハーフICとして計画されています。現在の東名は、県境の大井松田~御殿場間で25km以上にわたってICがないため、利便性の大きな向上が見込まれます。
東名が通行止めとなった場合は、並行する国道246号でしばしば渋滞が発生しているため、整備による周辺地域の混雑緩和にも期待がかかります。山間に位置する山北スマートICは、国道からの高低差も大きく、新東名のICでもかなり“秘境感”ただようロケーションになるかもしれません。
建設が進む「山北スマートIC」と「河内川橋」の迫力に子どもたち大興奮!河内川橋の工事は川岸の崖にそびえる橋脚の両方から、アーチ状の橋桁を“やじろべえ”のように徐々に延ばす方法で進められています。
ツアーに参加した親子の多くが、その大きさに揃って驚き、なかには迫力のあまり泣き出してしまう子の姿もありました。質問も盛んに飛び交い、「事業費はいくらくらいなんですか?」とストレートに聞いた子に、「およそ800億円です」と正面からスタッフが答えると、大きなどよめきが上がり、子どもたちは「スケールがデカすぎる」と驚いた様子でした。
また、河内川橋の建設のために設置された「インクライン」という巨大な斜行エレベーター施設に乗って、崖を下る体験も行われました。このインクラインは、最大で90トンの資材や建機を一度に積載することができます。
「大型ミキサー車なら4台、オスのアフリカゾウなら15頭くらい一度に運べるんです」とNEXCO中日本のスタッフが説明すると、子どもたちも盛り上がりました。