台湾海峡を「福建」が通過したことは事実

 中国人民解放軍海軍の報道官は2025年9月12日、最新空母「福建」が台湾海峡を通過したことを明らかにしました。

【画像】なんてデカさ…これが、台湾海峡に現れた空母「福建」です

 同艦については、防衛省・統合幕僚監部が9月11日に、尖閣諸島沖で初めて確認したと発表しており、海上自衛隊第5航空群所属のP-3C哨戒機が撮影した写真も公開されています。

ほかに、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦(艦番号136)、ルーヤンII級ミサイル駆逐艦(艦番号152)の3隻も確認されており、9月11日の午後1時頃に魚釣島の北西約200kmの海域を南西へ航行したそうです。

 中国海軍報道官の冷国衛上級大佐は今回の件について、「『福建』はこのほど台湾海峡を通過し、南シナ海で海上試験および訓練任務を遂行した」と発表。「海上試験および訓練は航空母艦の建造過程における定期的な措置であり、特定の標的を意図したものではない」と述べました。

 「福建」は排水量約8万トン、全長約320メートル、最大幅約80メートルで、中国にとっては「遼寧」「山東」に続く3隻目の空母です。就役すれば、原子力ではなく通常動力を用いる空母としては、世界最大級となる見込みです。

 従来の「遼寧」や「山東」がスキージャンプ方式による艦載機運用であるのに対し、「福建」はカタパルトによる射出方式を採用しており、そのため飛行甲板は艦首から艦尾までフラットな全通甲板となっているのが特徴です。

 さらに、カタパルトにはリニアモーターを用いたリニアカタパルト方式が採用されており、この設備を備えているのは、アメリカの最新空母「ジェラルド・R・フォード級」などに限られる最先端技術です。

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