JR西日本の「新快速」は、特別料金不要の列車としては日本最長クラスとなる、福井県の敦賀から兵庫県の播州赤穂まで275.5kmもの長距離を走ります。その真価が発揮されるのが、ライバルひしめく京阪神エリアです。
たとえば、大阪駅と京都駅の間(42.8km)を新快速は約29分で結びますが、これは阪急電鉄の特急(約43分)や京阪電気鉄道の特急(約51分)を大きく上回ります。
この速さの秘密は、最高速度130km/hの高性能車両と、多くの区間で快速や普通列車とは別の専用線路を走る運行形態にあります。一般道の隣に専用の高速道路を持つようなもので、前の列車に詰まることなく性能を最大限に発揮できるのです。
その実力は全国的に見てもトップクラスです。首都圏を走るJR東日本の中央特快(新宿~立川)などと比較しても、新快速の平均速度の高さは際立ちます。
こうして速度で絶対的な地位を築いた新快速。しかし、これほどの速さを武器にしてもライバルが共存できているのが、京阪神エリアの競争の奥深さです。
JRを迎え撃つ私鉄のメリットとは? 進化するビジネスモデル私鉄が新快速と共存できる最大の理由は、ターミナルの立地戦略にあります。JRの京都駅が新幹線なども発着する広域輸送のハブであるのに対し、阪急の京都河原町駅は繁華街、京阪の祇園四条駅は観光地の中心といった都心へのダイレクトアクセスが強みです。
JR西日本の新快速(画像:写真AC)
JRが速さで勝負するなら、私鉄は「場所の価値」で対抗しているといえるでしょう。
また新快速自体も、時代に合わせてその戦略を進化させてきました。当初の速達特化型から、路線網全体を活性化させるネットワークの背骨へ、そして近年では南草津駅のように沿線人口の増加に対応する需要追随型へと変貌しています。
そして今、新快速は新たなステージに入っています。近年導入が進む有料座席サービス「Aシート」は、速さだけでなく快適性という新たな価値を提供するものといえます。
かつて速さという公共財を誰もが平等に享受できることを強みとしてきた新快速が、プラスアルファの価値として快適性という選択できるメリットを提供することで、新たな収益源を開拓する段階に入ったと筆者(佐藤 亨:ライター)は捉えています。
京阪神の鉄道競争は、快適性をめぐる新たな局面にあります。新快速は、これからもライバルと競い合いながら、その姿を変えていくことでしょう。

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