東海道新幹線で降積雪の多い岐阜羽島~栗東信号場間において、始発列車直前まで除雪が可能になるよう新型ブラシ車が新たに導入されます。また高解像度カメラも増設。
JR東海は2016年11月25日(金)、今年度の「冬期輸送対策期間」(12~3月)に、東海道新幹線において新型ロータリーブラシ車の導入などを進めるなど、雪対策を強化すると発表しました。
東海道新幹線に導入される、双方向で除雪できる新型ロータリーブラシ車(写真出典:JR東海)。
降積雪の多い岐阜羽島駅(岐阜県羽島市)から、米原~京都間に設けられている栗東信号場(滋賀県栗東市)までの区間において、双方向で除雪できる新型ロータリーブラシ車を1台増備。これまでのブラシ車は片方向にしか除雪できませんでしたが、双方向のブラシ車が導入され、計4台になることで、除雪作業のできる区間が岐阜羽島~米原間から岐阜羽島~栗東信号場まで拡大し、さらに始発列車直前まで作業できるようになるといいます。
また、車体への着雪量を測定する高解像度カメラ1台を、上り線の「草津川橋りょう」に増設。栗東地区の降積雪状況が確認できるようになり、上り列車の徐行速度をより適切に判断できるようになるとしています。
飯田線や高山本線でも進む対策在来線では、愛知県の豊橋駅と長野県の辰野駅をほぼ南北に結ぶ飯田線に、ロータリー式除雪装置付きの軌道モーターカーを1台導入。除雪効率をアップさせます。この車両は駒ケ根駅(長野県駒ヶ根市)に配備され、11月下旬から使用が始まる予定です。

雪庇(壁からせり出した雪のかたまり)の発生を抑制するため、壁の上に柵を設置する。上は未対策時の参考写真(写真出典:JR東海)。
高山本線の角川駅(岐阜県飛彈市)以北では雪庇(せっぴ。屋根や壁などからせり出した雪のかたまり)防止柵を2か所、なだれ防止柵を3か所にそれぞれ新設。雪による線路支障の発生を抑え、安定的な列車運行につなげます。
JR東海によると、今回の雪対策に関する投資額は、東海道新幹線が約2.8億円、在来線が約1.9億円です。
【画像】東海道新幹線の除雪区間

2016年度から岐阜羽島~栗東信号場間で、始発直前まで除雪作業が可能になる(画像出典:JR東海)。