高速道路の暫定2車線区間において、中央分離帯にワイヤーロープを設置し、反対車線への飛び出し事故を防ぐ緊急対策が行われます。

まず約100km区間で検証

 国土交通省は2016年12月20日(火)、高速道路の暫定2車線(片側1車線)区間において、反対車線への飛び出し事故を防ぐ緊急対策として、中央分離帯にワイヤーロープを設置すると発表しました。

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暫定2車線区間の中央分離帯に設置されたワイヤーロープの例(写真出典:国土交通省)。

 暫定2車線区間は、日本の有料高速道路のおよそ3割にあたる2538km、無料の高規格幹線道路を含めると4112kmに及びます。その大部分は、ラバーポールで上下線が区分されていますが、2015年には反対車線への飛び出し事故が334件発生。死亡事故の発生確率は4車線区間の約2倍に上っています。

2車線高速で「緊急対策」 中央分離帯、ポールをロープに

車両衝突時にロープがたわみ衝撃が緩和される、設置幅が小さい、人力で取り外して開口部を設けられるなどのメリットがある(写真出典:国土交通省)。

 ラバーポールの代わりに設置されるワイヤーロープは、反対車線への車両飛び出しを防ぐほか、設置幅が少なく済むこと、車両衝突時にたわむことで衝撃を緩和すること、緊急時に人力のみで取り外して開口部をどこでも設けられることなどの長所があります。

 国土交通省は2017年春から、全国の暫定2車線区間のうち約100kmの中央分離帯にワイヤーロープを設置し、事故防止の効果や維持管理面などを検証。その結果を踏まえ、本格的に設置していく方針です。

【画像】暫定2車線区間の大部分に設置されているラバーポール

2車線高速で「緊急対策」 中央分離帯、ポールをロープに

暫定2車線区間の大部分がラバーポールで上下線を区分する構造になっている(画像出典:国土交通省)。
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