首都高の路線のうち、おもに埼玉県内を通る3路線には「S1」「S2」「S5」の路線番号がついています。「S3」「S4」を飛ばしている理由はあるのでしょうか。
首都高のおもに埼玉を通る路線は、埼玉線として路線番号の頭に「S」がついています。
首都高S2埼玉新都心線、さいたま見沼出入口付近。奥はさいたま新都心(画像:pixta)。
2018年3月現在、埼玉線には次の3路線があります。
・S1:川口線(江北JCT~川口JCT)
・S2:埼玉新都心線(与野出入口~さいたま見沼出入口)
・S5:埼玉大宮線(美女木JCT~与野出入口)
S3、S4が抜けているだけでなく、番号の法則性もいまひとつ判然としません。どのような基準でナンバリングしているのか、首都高速道路に聞きました。
――埼玉線の路線番号はどのように付けられているのでしょうか?
S1とS2は開通順ですが、別の理由で埼玉大宮線がS5とされた結果です。本来の開通順としては、S1川口線が1987(昭和62)年、S5埼玉大宮線が1998(平成10)年、S2埼玉新都心線が2000(平成12)年(全通は2006〈平成18〉年)ですが、埼玉大宮線については5号池袋線と一体であることから、S5とされました。
――ナンバリングの決まりはあるのでしょうか?
開通のタイミングや、他路線との接続、そのときの建設計画、自治体のご意見などを総合的に判断して決めています。ひとつの基準ではありません。
都心部の路線のナンバリングは時計回り?「路線番号の決まりはない」とはいいますが、都心環状線から延びる路線は、ほぼ時計回りにナンバリングされています。

都心部から放射状に延びる各線は、1号羽田線からほぼ時計回りにナンバリングされている(画像:首都高速道路)。
都心環状線以外から分岐する路線についても同様で、6号向島線から分岐する7号小松川線、9号深川線もやはり時計回りの順、その次が湾岸線から都心環状線方面へ延びる10号晴海線、そして1号羽田線と湾岸線をつなぐ11号台場線となっています。
なお、8号線は都心環状線の京橋JCTから、東京高速道路(編集部注:首都高とつながる銀座の周辺約2kmの区間を運営する別会社の路線。「KK線」などと呼ばれる)をつなぐわずか100mほどの区間のため、路線図などでは案内されていません。
首都高速道路によると、これも建設計画や開通順、路線のつながりなどを考慮して決まったものだといい、計画段階の路線番号から変わったケースもあるそうです。たとえば現在の11号台場線は、1989(平成元)年発行の『首都高速道路公団三十年史』で計画上の路線名が「高速12号線」となっており、「高速11号線」は、当時計画中とされていたC2中央環状線の江戸川区内から千葉ニュータウン方面へ延びる路線に付されていました。
ちなみに、首都高速道路は現在、S5埼玉大宮線の与野出入口からさらに北、上尾市堤崎まで8.0kmの「新大宮上尾道路」について事業を進めていますが、路線番号がどうなるかは未定とのことです。
【地図】埼玉で建設中の首都高新路線

S5埼玉大宮線から北に延びる「新大宮上尾道路」の事業が進められている。これに伴い与野出入口は与野JCTになる見込み(国土地理院の地図を加工)。