ワイパーを動かした際、何かに引っ掛かるように、「グゴゴ……」と音を立てるケースがあります。これはワイパーの「ビビり」といわれますが、その原因は何でしょうか。
クルマのワイパーを作動させた際、「グゴゴ……」「ズーズー……」とつっかえたような音がするときがあるかもしれません。
ワイパーから異音がすることがある。写真はイメージ(画像:Ilkay Dede/123RF)。
この現象、一般的にワイパーの「ビビり」といわれますが、原因は何なのでしょうか。カー用品店「オートバックス」を展開するオートバックスセブン(東京都江東区)に聞きました。
――ワイパーがビビる原因はどのようなことでしょうか?
ひとつにはワイパーゴムの劣化です。クルマの外に置かれていますので、雨の日には濡れ、晴れの日には乾燥して紫外線にさらされるなど、天候や外気の変化に影響を受けます。
ブレード側の原因も考えられます。たとえば一般的なトーナメントワイパー(試合のトーナメント表のように、骨格部分が複数枝分かれしたタイプ)では、複数のアームでバランスをとってゴムの圧力がガラス面に対し均等にかかるようになっていますが、アームや支点の錆びなどが原因で、部分的に圧力が変わってくることがあるのです。
――ガラス面にも原因があるのでしょうか?
はい。ワイパーだけで除去しきれないゴミ、たとえば鉄粉や虫汚れなどが原因となることがあります。
――どう対策すべきでしょうか?
ゴムやブレードの交換ということになりますが、その前にフロントガラスをきれいにしたり、ワイパーを持ち上げてゴム表面のゴミを取るなどしてみてください。ワイパーで除去しきれないゴミがある場合、ウィンドウウォッシャー液をかけてワイパーを使用したとしても、ワイパー側にダメージを与えることがあります。また、ワイパーを空がけすると、そうしたゴミでガラスも傷つけてしまうことがあるのです。
――交換の目安はありますでしょうか?
ふきムラや、ふいた際の筋が出てきたら交換したほうがよいでしょう。そうでなくても、ゴムは半年、ブレードは1年を目安に交換をおすすめしています。たとえば梅雨の時期などは、雨で濡れ、晴れて乾き、また雨で濡れるといった厳しい環境に置かれ、ゴミも溜まりがちです。ゴム交換の時期としては、春と秋がよいでしょう。
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ちなみに、オートバックスセブンによると、ゴムやブレードの交換は簡単な一方で、交換の際に起こりがちな“事故”もあるといいます。
「ワイパーを立てて作業する際、ブレードを取り外した状態のアームが倒れて、フロントガラスにヒビが入ってしまうケースがあります。ブレードを外したあとは、ガラスにタオルなどを置いたうえでアームをいったんガラス側に下ろすなどして、1本1本作業したほうがよいでしょう」(オートバックスセブン)
また、ワイパーゴムやブレードはそれぞれ、適合する車種が決まっています。適合表を確認したうえで購入してほしいとのことです。

一般的なトーナメントワイパーとフラットワイパーの比較。フラットワイパーは1999年にボッシュが開発し、現在、欧州では新車の90%以上に装着されている(画像:ボッシュ)。