東京メトロと東京大学生産技術研究所が「鉄道ワークショップ2019」を開催。事前募集で選ばれた中学生と高校生25人ずつが参加し、電車のモーターの仕組みなどについて学びました。
東京メトロと東京大学生産技術研究所は2019年8月2日(金)、東京メトロ中野車両基地(東京都中野区)と東京大学駒場キャンパス(同・目黒区)で「鉄道ワークショップ2019」を開催しました。
東京メトロ02系の床下を見学する中学生たち(2019年8月2日、大藤碩哉撮影)。
「鉄道ワークショップ」は今年で7回目。東京メトロと東京大学生産技術研究所が、次世代を担う人材の育成を目的に、毎年テーマを変えながら開催しているものです。今年のテーマは「電車モーターのしくみから学ぶ地下鉄とエコ」。参加したのは事前募集により選ばれた中学生と高校生25人ずつで、中学生のクラスが報道公開されました。
午前は中野車両基地を見学。中学生らは、過去に使っていた電車の直流モーターや検査中の車輪などについて解説を受け、普段は見られない台車(車輪の部分)の内部構造を興味深く写真に収めていました。
午後は駒場キャンパス内にある東大生産技術研究所で、鉄道模型を使いながら、電車のモーターについて学びました。模型車両を加減速できるコントローラーを操作し、スピードを変えながら模型が線路1周に要した時間などを計測。そこから模型の走行速度や車輪の回転数を計算し、スピードと電気の関連を調べました。
モーターも進化し、電車はますますエコにグループワーク終了後、東京大学の教授である中野公彦さんによる講義が行われました。
東京大学生産技術研究所でのワークショップの様子。
今回のテーマであるエコについては、交流モーターの普及により、電車が電気エネルギーを効率良く使えるようになっている点を説明。電車がクルマと比較して、単位輸送量あたりの二酸化炭素の排出量が少ないことを挙げ、省エネに貢献する乗りものであると解説しました。
「鉄道ワークショップ」に関して、東京メトロ広報部サスティナビリティ推進室課長補佐の森 久人さんは、「公募にあたり『気候変動対策として、東京メトロはどういう対策が必要か』というテーマで作文課題を出しました。STEAM教育(原理・原則を学び、技術や工学を応用して、創造的なアプローチで社会問題の解決を目指す教育手法)を念頭に置き、大学と共同でワークショップを開くことで、将来子どもたちが飛躍する糧になれば」と話しています。