首都高の新線「横浜北西線」が3月22日(日)16時に開通、東名高速と横浜市街地を結ぶ新ルートの開通は、横浜のみならず広域的な影響を及ぼしそうです。これに際し、首都高の上限料金も変わります。

横浜北西線開通で東名~横浜港 20分短縮

 2020年3月22日(日)16時、首都高の新線「横浜北西線(以下、北西線)」が開通、首都高K7横浜北線と第三京浜が接続する横浜港北JCTから、東名高速に接続する横浜青葉JCTまでを結ぶ7.1kmで、路線番号は横浜北線と同じ「K7」です。

 北西線の開通により、横浜市の中心市街地と東名を直結する新ルートが形成されます。従来、この役割は東名の横浜町田ICに接続する国道16号「保土ヶ谷バイパス」が実質1本で担っており、東名 横浜町田ICから横浜港までの所要時間は40分から60分ほどかかっていました。これが北西線・北線経由では、約20分まで短縮される見込みです。

首都高「横浜北西線」本日開通 東名~横浜市街の新ルート 何が...の画像はこちら >>

横浜青葉IC。左右の料金所は東名のもので、北西線と一般道を行き来するクルマは上屋のない中央部を通る(2020年1月、中島洋平撮影)。

 保土ヶ谷バイパスは最高速度80km/h、高速道路並みのスペックを持ちながらも開通当初から無料の道路です。横浜市道路局によると、その交通量は1日16万台にも及び、日本一ともいわれます。北西線は有料ですが、渋滞が慢性化している保土ヶ谷バイパスから交通の転換が予想され、初年度で1日4万台の通行を見込んでいるといいます。

 また首都高速道路によると、東京湾アクアラインを隔てた千葉方面からも、北西線の開通で東名へ行きやすくなるといった期待の声があるそうです。

横浜北西線開通で新料金体系もスタート 迂回は割高に

 なお北西線の開通を機に、首都高の新たな料金体系も適用されます。現在、普通車ETC利用で1320円とされている首都高の上限料金が、北西線と東名を連続利用した場合に限り、最大1800円まで引き上げられます。

 これは、東名から北西線経由で横浜市外を抜け東京都心方面を通過するといった場合、東名~首都高3号渋谷線経由より、走行距離の長い迂回ルートになるにも関わらず従来の上限料金が適用され安くなってしまうためです。これについて首都高速道路は、従来ルートと同程度の水準に料金を調整し、各ルートの適切な交通分担を図るという目的があると説明します。たとえば、横浜青葉ICから常磐道に接続する三郷JCTまで向かう場合、北西線経由だと上限料金1800円が適用され、東名~首都高3号線経由より50円高くなります。

首都高「横浜北西線」本日開通 東名~横浜市街の新ルート 何が変わる? 便利になる?

北西線のルート(画像:首都高速道路)。

 ちなみに、北西線は事業着手から開通まで10年を予定していたところを前倒しし、およそ8年で開通することになりました。「東京オリンピック・パラリンピック」に間に合わせるよう施工を急いだこともありますが、横浜市道路局は、道路の建設に対して地域住民との合意形成がしっかりできたことが大きい、といいます。

 横浜市道路局によると、計画ありきで住民に立ち退きを迫るのではなく、この道路の必要性から住民と議論し、ルートの選定にも住民の意見を交えながら事業を進めてきたといい、その結果、用地買収もスムーズに進み、前倒しの開通につながったそうです。

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