ANAを退役したボーイング737-500型機「スーパードルフィン」。最後に残った3機のうち、ラスト1機が日本を離れました。
ANAウイングスから全機退役したボーイング737-500型機「スーパードルフィン」。そのラスト1機(機番:JA307K)が2020年8月4日(火)の午前8時すぎ、羽田空港を発ち、中国江蘇省の南通興東空港に向かいました。
羽田空港を出発するANAボーイング737-500型機「スーパードルフィン」(2020年8月4日、乗りものニュース編集部撮影)。
ANAグループのボーイング737-500型機は1995(平成7)年に、当時のANK(エアーニッポン。2012年にANAと合併)で導入されたモデルです。短いことから太く見えるその胴体などから「スーパードルフィン」の愛称を持ち、エンジンの側面にイルカのロゴが描かれているのがトレードマークです。北は利尻(北海道)から南は石垣(沖縄県)まで、おもに地方路線で最大25機が運航されていました。
「スーパードルフィン」が全機退役したのは、2020年6月14日の福岡発羽田行きNH254便です。当日は福岡空港での見送りイベントや、羽田空港での出迎えイベントも実施され、多くの人が展望デッキなどでそのラストフライトを見守っています。
2020年に入り整備訓練専用に使われているものを除き、ANAグループに残っていた「スーパードルフィン」は3機。これらは2019年12月から、退役記念としてエンジンの「イルカ」に花束ステッカーが追加されました。
今回羽田空港を飛び立ったJA307Kは、エンジンのイルカがソメイヨシノ(東京)、ハマナス(北海道)、サンゴ(沖縄)、海藻でできた花束を持っていました。ANAによると花束の内容は「イルカがANAウイングスの就航地から、花と海のものを感謝の気持ちで集めてきた」というストーリーからだそうです。この機体は1999(平成11)年に納入されたもので、2020年4月8日の中部発福岡行きNH449便で退役しています。

羽田空港を出発するANAボーイング737-500型機「スーパードルフィン」のエンジンカウル(2020年8月4日、乗りものニュース編集部撮影)。
ちなみにこのJA307Kは、尾翼や胴体ANAロゴなどはすでに取り払われているものの、エンジンカウルのイルカと花束ステッカーはこの日もそのままの状態でした。
なお、2020年6月の最終フライトを担当し「スイートピーとカスミソウ」の花束デザインだったJA306Kは7月29日(水)に、「魚」の花束デザインだったJA305Kは7月23日(木)にそれぞれ羽田空港を離れています。