ANAが保有するエアバスA380型機「フライングホヌ」が5か月ぶりに客を乗せて飛びました。新型コロナ禍で翼を休めていた総2階建て巨大機の一日だけの復活。
ANA(全日空)が保有する総2階建ての巨大機、エアバスA380型機「フライングホヌ」が2020年8月22日(土)、約5か月ぶりに旅客を乗せてフライトしました。成田発成田行き、フライト時間約90分の特別チャーター便です。
ANAのエアバスA380型機「フライングホヌ」チャーターフライトの様子(2020年8月22日、乗りものニュース編集部撮影)。
エアバスA380型機は、総2階建ての客室を有する巨大機です。ANAの同モデルは2階席にファーストクラス8席、ビジネスクラス56席、プレミアムエコノミー73席、1階席にエコノミー383席といった配置で、4クラス計520席が並びます。
平時、成田~ホノルル線の主力機として使われていることから、就航先のハワイにちなんだウミガメ(HONU)をデザインした外観が特徴。そこから「FLYING HONU(フライングホヌ)」という愛称が付いています。
2019年に「ハワイの空」をイメージした1号機、ついで「ハワイの海」をイメージした2号機が導入されており、「ハワイの夕陽」をイメージした3号機も、早ければ2020年秋に導入される予定です。
ところが新型コロナウイルスの影響をうけ、国際線の旅客需要が大きく減退したことから、2機の「フライングホヌ」はともに3月25日成田着のフライトを最後に、定期旅客便の運用から外れていました。今回のフライトは、約5か月ぶりに客を乗せたものです。
「フライングホヌ」一日復活となった背景 その様子は?今回チャーター便に使われたANAのエアバスA380型機「フライングホヌ」1号機(機番:JA381A)の直近のフライトは6月23日です。
ANAによると、今回の企画を発案したのはそのフライトを報道で見た一般の人とのこと。ANA側もそういった要望に賛同し、「夏休みの思い出づくりのお手伝いができればという願いから」実現に至ったそうです。

ANAのエアバスA380型機「フライングホヌ」チャーターフライトの様子(2020年8月22日、乗りものニュース編集部撮影)。
この日の搭乗者は334人(幼児含む)。乗客はインターネット上で募られましたが、応募倍率は約150倍だったそうです。この日の飛行ルートは、成田空港を発ち、日本最高峰の富士山を遊覧、静岡県浜松市上空で洋上に出て、大島の三原山を眼下にして成田に戻ってくるといったもの。機内ではハワイらしい演出や抽選会などが実施され、搭乗記念品もプレゼントされています。
ANAによると、今後もこのようなチャーターフライトは「ぜひ前向きに検討していきたい」といいます。企画担当者によると「短いフライトのなかで“ハワイ感”をどれだけ出せるか、いかに高い衛生対策と両立させていくかに気を払った」とのことです。
動画で見る「空飛ぶウミガメ」限定復活の一日