成田空港の近くにある航空科学博物館では毎年「航空ジャンク市」が開催されます。そこではどのようなものが売買されているのか、高く取引されるものなど、いろいろ聞いてみました。

航空機の中古パーツを手に入れるビッグイベント

 2020年7月26日(日)、東京市ヶ谷の防衛省で行われた装備品オークションは、初めての開催ということや、自衛隊で実際に使われていた装備品という点などからおおいに注目を集めました。

 落札最高額を記録したのは、航空自衛隊が出品した航空ヘルメット、酸素マスク、航空ヘルメットバッグからなる「パイロット関連用品セット」の66万円。これ以外にも、航空機関連ではC-1輸送機やOH-6Dヘリコプターの各種パーツが出品され、すべて競り落とされていました。

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航空科学博物館で展示されているボーイング747-200、通称「クラシックジャンボ」のコクピット(2019年7月、乗りものニュース編集部撮影)。

 しかし過去「航空ジャンク市」では、それ以上の高値で販売されていた民間機の部品があったそう。「航空ジャンク市」とは、成田空港の近傍、千葉県芝山町にある航空科学博物館で毎年開催されているイベントです。では実際、どのような飛行機部品が並ぶのか、過去どれほどの高額商品が出品されていたのか関係者に聞いてみました。

「航空ジャンク市」で一番高かったものは?

 航空科学博物館で各種イベントなどの企画を担当する秋葉さんに、「航空ジャンク市」について聞きました。

 そもそもこの航空ジャンク市、外部で行われていた鉄道などのジャンク市に着想を得て、航空機の分野でも同様のことを実施したら面白いだろうという形で始まったそうです。第1回は1990(平成2)年春に開催され、2020年でちょうど30年。いまや航空科学博物館の名物イベントに挙げられるほどです。

 小物としては、機内のアメニティや食器などのカトラリー類も並ぶほか、キーホルダーや文房具など普段使いできるものも多数あり、それらは比較的リーズナブルな値段で手に入れられるのだとか。

 一方で、エンジンカウルやタイヤ、機内で実際に使われていたシートなどの大型部品も出品されます。過去に最も高く落札されたものはボーイング747型機のコクピットパネルで、約100万円だったといいます。

100万円の値がついた飛行機の部品とは? 「航空ジャンク市」中の人にいろいろ聞いた

航空科学博物館で過去開催された「航空ジャンク市」での販売ブース(2008年5月、柘植優介撮影)。

 秋葉さんによると、航空ジャンク市で一番人気のものは計器類だそう。小型機から大型機まで各種並ぶそうですが、とくに高度計やコンパスが人気とのことです。

 ちなみに、航空ジャンク市で軍用機を含む官用機の部品は並ぶのか聞いたところ、民間機で使用された機体のジャンク品を仕入れているので、官用機などの部品が出品されたことはないということでした。

30年目の「航空ジャンク市」 今年の日程は?

 航空科学博物館の「航空ジャンク市」は、これまで年に2回、3月と9月の週末2日間にわたって開催されてきましたが、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大によって、3月については開催を見合わせました。

 そのため9月は約1年ぶりの開催となるそうですが、新型コロナに関して予断を許さない状態が続いているため、状況によっては開催日が変更または中止となる可能性もあるとのこと。また、開催した際も新型コロナ対策をしたうえで、となるそうです。

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航空科学博物館の正面外観(2019年7月、乗りものニュース編集部撮影)。

 現時点で、航空科学博物館の航空ジャンク市は、2020年9月5日(土)および6日(日)が予定されています。なお航空ジャンク市の入場に際しても、航空科学博物館の入館料が必要になります。

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