4月7日、三重県・英虞湾の賢島周辺から的矢湾の磯部周辺へ、クロダイのフカセ釣りで転戦した。年無し含めて40cm超えを4枚手中にできた。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・白村つとむ)

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英虞湾でクロダイフカセ釣り

2日間吹き荒れた北西風もこの日はようやく収まり、午後は南風に変わる予報だ。ようやくまともに釣りができる。英虞湾に北西に弱いがクロダイの濃いエリアがあるため、そこで始めることにして向かった。この日設定したポイントは2カ所。1カ所目で早めに結果が出れば、午後は的矢湾へ向かう予定だ。

午前6時半ごろ現地に着くと、やや風が残っているが、前日までと比べたら天国だ。当日は大潮、潮が引き切っても足元が干上がらない場所を選んで釣り座とした。

まきエサを打ち込みながら探っていくが、エサ取りもいないようだ。潮流はほとんど流れておらず、風で表面がやや滑っているだけ。こういうときに流したいときは風を利用する。さしエサを浮かせて風で流してしまうと、近距離ならサオで抑え込んで調整できるが、遠投となると難しい。そのようなときは、ハワセ幅を長く取り、底との摩擦でブレーキを掛けていくようにするとさしエサが躍らず安定する。

まきエサを打っても、潮流がないと広範囲から寄せられない気がするが、クロダイ自体が回遊しているし、エサ取りの摂餌の音や振動によってある程度寄せることは可能だ。

その状況のなかでクロダイを寄せる工夫、努力、できることを探して行うことが最も重要だ。

強いフグアタリの後48cm本命

そうしているうちにフグが出てきた。オキアミだとやや残るが、練りエサはすぐに取られてしまう。ハリがないこともしばしば。そのまま打ち返しているとライン引きの力強いフグアタリが出始めた。これはフグだが、このアタリの変化を見逃してはならない。潮の時合いであることが多く、もしくは近くに強烈な競争相手が現れた場合にも起こることがある。

3匹ほどフグがきた後、同じようなライン引きのアタリをアワせると、フグとは違う重量感が伝わった。重量感はそこそこだが引きが弱く沖で浮上、そのまま寄せてタモにイン。48cmの乗っ込み個体だったが、尻が赤いものの腹の膨らみは3分の1ほどしかない。かなり放卵した後の個体で、もうそろそろ産み終わるメスだ。こういう場合、すでに産卵モードであり、基本的に食いがかなり悪いことが多い。

50cm居着きクロダイヒット

やはり単発で、2時間ほど間があき、次にヒットしたのはジャスト50cmの居着きクロダイだった。この時点で乗っ込みの群れを当てる釣り場選びとしては、もう遅いと言える。

群れを追うならエリアを変える必要がある。時期ごとに毎年試してみることで、クロダイの動きを追う基礎ができ上がっていく。それが最も大切だ。

乗っ込みクロダイ調査 フカセ釣りで年無し含み40cm超え4枚【三重】
英虞湾で2匹キャッチ(提供:週刊つりニュース中部版 APC・白村つとむ)

続いて20cmほどのチンタが釣れた。これでもう産卵モード確定だ。産卵場には大型のメスからチンタまで入り交じっているので、このまま粘っても大型のメスを追加できる可能性はあるが、釣るだけが目的ではない。私は各湾の調査の方が楽しい。このエリアでの結果は見たので移動することにした。

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英虞湾

的矢湾へ移動

次に向かったのは的矢湾。ここも乗っ込み時期は英虞湾と同じような時期になることが多い。ただ、近年水質が変わり、水温の影響なのかアマモが極端に少ない。

このため、湾奥の水が浄化されていないのか濁っている。

雨水を含め、水質の安定しない濁りは春のクロダイ釣りにとって天敵だ。春はベタナギ澄み潮がいい。春はクロダイの活性が高く、および水質の安定したきれいなエリアを回遊する傾向を感じる。

後半戦を始めるが反応はない。一度他のポイントを偵察に行って夕方に戻ってきた。再開すると2投目でヒット。44cmと小さめだが乗っ込み個体だ。期待して続けるが反応は止まってしまった。午後6時ごろに再びヒット。これも43cmと小さめの乗っ込み個体。この日はこれで終了とした。

乗っ込みクロダイ調査 フカセ釣りで年無し含み40cm超え4枚【三重】
的矢湾では44cmと43cmがヒット(提供:週刊つりニュース中部版 APC・白村つとむ)

的矢湾も確実に乗っ込みが入り切っている。

2カ所の状況を確認できたので、十分満足のいく釣行となった。また風のいい日にリトライしたいと思う。

<週刊つりニュース中部版 APC・白村つとむ/TSURINEWS編>

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的矢湾
この記事は『週刊つりニュース中部版』2020年5月1日号に掲載された記事を再編集したものになります。
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