三重県在住者限定で再開を決めた三重県志摩市和具の遊漁船に5月22日、単独釣行。狙いはビンチョウマグロだったが、珍客アカマンボウが登場の釣行をレポート。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・伊藤明洋)

ジギングゲームで珍魚『アカマンボウ』32.4kg浮上【三重・...の画像はこちら >>

御座沖でビンチョウマグロジギング

渡船場でタックルを降ろして準備していると、週末アングラーの常連である世古さんが声をかけてくれた。集合したのは6人。釣りがしたくてこの日を待ち焦がれていたアングラーばかりだ。

船長は船を着岸させると同時に早速除菌スプレーをシュッ!マスク着用したアングラーは各々予約順に乗船場所を決め、私はトモを選択した。

午前4時半に出船し、御座沖のポイントに向かった。天気予報では晴れのはずが、波は2mを超えて海はシケている。どんよりと雲に覆われ今にも雨が降りそうだ。

ポイントに到着したのは、5時半。風が強いため、ウロコジグのグローヘッド300gを装着して、開始。船長の指示ダナは80~100m。ゆっくりとしたジャークを繰り返す。そして、巻き上げてはライン角度を見ながら、リズムよくワンピッチワンジャークを繰り返す。

珍魚アカマンボウ現る

淡々と続けていると胴のアングラーにヒット。ドラグが悲鳴を上げ、ラインが引き出されていく。

この時合いに周りのアングラーもしばらく続けたが、尋常でない大物とのやり取りに、ラインブレイク回避のため、全員が中断した。

ジギングゲームで珍魚『アカマンボウ』32.4kg浮上【三重・志摩】
2本のギャフで引き上げられる巨体(提供:週刊つりニュース中部版 APC・伊藤明洋)

途中で水面下にキラリと見えたのはデカくて丸い魚体。「アカマンボウだぁ」と船長の大きな声が響く。見た目とは裏腹の強烈な引きに一進一退の攻防が続いたが、ギャフを2本打って、船上に引き上げた。

100kg級カジキの姿も

釣り上げたのは玉城町の松田さん。これに続けとばかりモチベーションは上がったものの、この後全く魚信はない。さらに10時を過ぎたころから雨は降りだし、カツオを釣っていた漁船も引き上げだした。戦意が失われつつあるなか、ついに船長もマグロを諦めトリヤマのカツオ狙いに変更して、浅瀬の100mラインへ移動を決めた。

魚探にはカツオの影が映る。胴のアングラーにヒット。強烈にラインが引き出されていく。この引きはなんだろうと言っている間にラインブレイク。すると100kg近いカジキのジャンプだ。

一瞬の出来事だった。

ボトムを取って、五目ジギングを始めると隣のアングラーに小さなマハタが釣れ、私にもカサゴが釣れてきた。釣りはここまで。午後12時半に沖上がりとなった。

身はゼリーのような食感

ここからは船長による解体ショーを紹介したい。32.4kgのアカマンボウ。松田さんのご配慮で切り身を分配してもらえることになり、船長はナイフ1本で解体を始めた。

ジギングゲームで珍魚『アカマンボウ』32.4kg浮上【三重・志摩】
船長がさばいてくれた(提供:週刊つりニュース中部版 APC・伊藤明洋)

側線に沿って切り込みを入れ、小さなブロック単位で切り取っていく。名前はアカマンボウだが、種類としてはマンボウに属していないとのこと。通常であれば、内臓がある付近に赤身の固まりが出てきた。体温を維持するため、血液を温める機能を持つ唯一の魚だそうで、その部位がそこにあたるらしい。

「伊藤さん!ちょっと食べてみて」と勧められたので、海水で洗って恐る恐る食べてみたところ、味の薄いマグロの赤身のようでゼリーのような食感。

アカマンボウの煮付けは絶品

私はこの赤身も含め、背中や尾びれなどの切り身をいただいた。

翌日、白ネギと厚揚げを付け合わせにして煮つけてみると絶品。

ジギングゲームで珍魚『アカマンボウ』32.4kg浮上【三重・志摩】
白ネギと厚揚げで煮付けに(提供:週刊つりニュース中部版 APC・伊藤明洋)

気持ち悪がっていた家族にも大好評だった。

ジギングゲームで珍魚『アカマンボウ』32.4kg浮上【三重・志摩】
絶品だった(提供:週刊つりニュース中部版 APC・伊藤明洋)

<週刊つりニュース中部版 APC・伊藤明洋/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2020年6月5日号に掲載された記事を再編集したものになります。
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