管理釣り場のトラウト用定番ルアー「スプーン」。実は、バス釣りにおいても威力を発揮することをご存知だろうか。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・naffyyy)
エリア用スプーンの特徴
エリア用スプーンは、ニジマスをメインターゲットとした管理釣り場用に作られている軽量スプーンだ。管理釣り場では、この軽量スプーンが基本となるルアーであるため、各メーカーから様々な種類・特徴のスプーンが発売されている。
ウエイトは軽いモノで0.3g、重いモノで5g前後と様々だが、筆者の場合、これから紹介するバス釣りでは2~3.5g前後を多用している。
エリア用スプーンはバス釣りに有効
実はエリア用スプーンは、スモールプラグのサーチ能力とワームの食わせ能力を合わせ持った、理想的なルアーであることをご存知だろうか?
バス釣りでは一般的に、プレッシャーが掛かった状態でワームを使用することが多い。当然、これも有効な手段の一つであるが、連日多くの釣り人が訪れる釣り場では、多くのワームが投げ込まれ、バスたちはワームに見飽きている傾向にある。

そこで、エリア用スプーンの小さいシルエットとスプーン特有の、水押しやフラッシングが有効となるのだ。バス釣りの世界ではスプーンはまだまだマイナーで、使う人が少ないのも、バスが好反応を示す一つの要因だろう。
スプーンの効果的な使い方
筆者の中で最も多用するのが、サイトフィッシングだ。これまでワームで狙っていたようなプレッシャーの高い釣り場で、ボケーッと浮いているバスや、数尾で回遊するバスを狙うときに使用する。
もちろんブラインドの釣りでも有効で、特に水深が比較的浅く、魚の居場所が絞れている場合は効果を発揮するので覚えておくと良い。ワームよりもテンポ良く探ることができるので、ストラクチャーや地形変化が少なく、狙いどころのないポイントでも効率よく探ることができる。
スプーンが効果的なフィールド
スプーンが効果的なバス釣りフィールドを紹介。
1.野池
野池はエリア用スプーンが最も威力を発揮するポイントの一つ。ボーッと浮いている子バスを釣ったり、地形変化の少ない野池ではサーチに使ったりと、スプーンの使用頻度は高い。

2.小規模河川や水路
川幅が狭い小規模河川や水路もスプーンに適したポイント。特にサイトフィッシングができる場所がオススメだ。バスのスクールの進行方向にスプーンを落として巻いてくると、ワームに見向きもしなかったバスたちが奪い合って食いにくることもあるので、ぜひ試してもらいたい。また裏ワザとなるが、極小のベイトへのボイルに対して、スプーンを水面から飛び出すくらいのスピードで巻くと、他のルアーで反応しなかったバスが反応する時がある。

オススメのタックル
ワームの合間にスイッチヒッター的にスプーンを使用するのであれば、普段使っているバスタックルで問題ない。2000~2500番のスピニングリールでUL~Lのバスロッドに、フロロカーボンライン3~5lbのラインを使用しても、スプーンのウエイトが2g以上あれば十分楽しめる。3g以上あればベイトフィネスタックルで投げることもできる。
専用で用意するなら、硬めのエリアトラウト用ロッドにPEライン0.4号+フロロカーボンライン4lbのリーダーがオススメだ。飛距離やアクションを損なわず、オープンウォーターなら不意の大物にも対応できる。
スプーンのカラー
様々なウエイトやカラーを試してきたが、多くの釣り場で効果的だったのはズバリ、ゴールド系カラーの2~3g台だ。エリアトラウト界では放流されたての魚を狙うスプーンに当たる。
その中でも特に赤金の実績が高い。エリアトラウトの放流魚狙いでは、オレンジ金が定番になりつつあるが、経験上、バスは赤金の方が好反応である。また、スプーンのアクションは水押しが強く魚を寄せるウォブリング系がオススメで、もしスプーンの動きのタイプが分からない場合は、パッケージに放流直後の魚に効くと謳われているモノを選べば間違いない。
ウェイト別での使い分け
筆者は釣りを極力単純化させたいため、バス釣りには基本的に1種類のスプーンをウェイト別に使う。愛用しているのはMIUシリーズ。これの2.2g、2.8g、3.5gをシチュエーション別で使い分けている。
スプーンの種類よりウェイトがキーになることが多いので、以下に紹介する使い分け方をぜひ参考にしてほしい。
もっとも多用する2.2g
サイトフィッシングで一番多用するウエイト。表層でバスが見えているタイミングでは最も使いやすい。浅い野池ではブラインドの釣りでも多用する。
深めのレンジに2.8g
バスは見えているが少しレンジが深い時、2.2gのスピードではスイッチが入らない時に使用する。見えているバスの奥に着底させ、そこから巻き上げてくるのも有効。
速巻きには3.5g
バスが見えない時に、遠投して表層速巻きやボトムからの巻き上げで使う。一般的なバス用プラグと同じ感覚で使える。圧倒的な飛距離が魅力だ。
バーブレスフックのススメ
基本的にエリア用スプーンはバーブレスフックが付いた状態で発売されている。一般的にバーブレスフックはバラしやすいと言われており、バス釣りではバーブありフックが主流となっているが、結論、バーブレスでも問題ない。
サイズの小さいバスの場合は、魚自体が軽く、バーブありのフックでは貫通していないことが多かったため、むしろバーブレスの方がキャッチ率が高かった。ラインテンションさえ保っていれば、意外にバラシは少ない。
野池でスプーンチャレンジ
毎年、この初夏頃になると効果を発揮するエリア用スプーン。緊急事態宣言も解除された6月6日、幸い天気にも恵まれたため、短時間釣行ではあったが、三密に気をつけながら野池へと向かった。
ポイントに到着し、池をのぞくと大小様々なブルーギル(以下ギル)が数多く泳いでいる。悪い状況ではない。ギルがルアーに興味を示し集まってくると、それにつられてバスが現れることが多々ある。
スプーンでバスをキャッチ
まずは実験の意味も込め、サイトフィッシングのセオリーでもあるストレートワームのノーシンカーをセット。ワームにギルが群がり、ほどなくして小型ながらもバスが目視できるようになった。
しかし、多くのアングラーが同様のワームを投げるためか、バスは警戒して一定以上の距離を詰めてこない。そこで、スプーンをセット。チョイスしたのは前述したMIUの2.2g。すると、なんと一投目でヒット。ワームに警戒していたバスもスプーンには躊躇なく食いついてきた。

小型ながらも今年初のスプーンで釣ったバスとなった。
まとめ
今回紹介した軽量スプーンも他のルアーと同じく、決して万能とは言えない。しかし、多様化し続けるバスルアーのバリエーションの一つとしては、面白いジャンルとも言える。
特に初心者向けのルアーとしても最適で、例えば、ワームを操作する技量はないが、スピナーベイトやクランクベイトを投げても釣れない…、と言ったシチュエーションで有効だ。従来の巻きモノではなかなかヒットしない状況でも、サイズを問わないなら、スプーンは巻くだけで比較的簡単にバスを手中に収めることができる。

新型コロナウイルスの影響で遠征が難しく、大好きなバス釣りも、近場の野池や河川で楽しむ機会が増えるこのご時世。家族や子供とバス釣りを楽しむ機会があれば、スプーンを数個バッグに忍ばせておこう。1尾でもバスを釣らせてあげたい時、たくさん釣ってカッコ良いところを見せたい時、きっとスプーンがあなたの心強い味方となるはずだ。お試しあれ!
<naffyyy/TSURINEWS・WEBライター>