和歌山・古座にタイラバ釣行へ。タイラバとはいえ、狙いはオオモンハタ、アカハタなどの美味しいハタ類。

いよいよ夏のハタ狙いが本格化してきた、この釣りの攻略法を紹介したい。

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)

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意外に濁りがない古座川

長く続く梅雨の雨も、今年に限っては「シトシト」ではなく、災害級の大雨が各地で続いた。川はもちろんだが、川から流れ込む濁流の影響で沿岸海域の海水も濁り、魚によっては食いがすこぶる悪い状況が続いている。

7月24日は前日までの雨はやや小降りで、当日の予報は雨。だが、実際には釣りの最中はまったく雨が降らない幸運に恵まれた。当日乗船するオーシャンフィールドは古座川河口の左岸から出船するが、出船場所に着くと、意外や川が濁っていない。小降りになったことで川が落ち着いたらしい。

古座で「ハタラバ」

今回は古座のオーシャンフィールドを利用して「ハタラバ」釣行へ。

船は古座川河口を出て少し東海域に進む。最初のポイントは水深30~40mの岩礁帯。風はほどよく吹き、ドテラで狙うにはちょうど良い感じだ。ヘッドは少し重めの75gでスタートした。

【関西2020】オオモンハタ狙い『ハタラバ』攻略法5選 マダイより簡単?
ヘッドは50~120gを持参(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

底を取りすぐに巻き上げる。ハタ狙いなのであまり巻き上げず、ハンドル10回転ほどですぐにフォールに入る。

すると、着底と同時にゴツゴツッとヒット。ロッドを立てるとコンコンと軽い引き。巻き上げにかかると重いだけでほとんど引きがない。案の定、20cmほどのガシラ(カサゴ)が掛かっていた。

ボトムでガシラ連発

底中心で何度もボトムを取り直すような釣りをすると、かなりの確率でゴツゴツとかブルルッと言った軽いアタリが続く。ほとんどはガシラの仕業で、掛からないことも多いが、あっという間に4、5尾のガシラが船上に。

今度はガシラを避けるべく、着底したらすぐに50cmほどは速く巻き上げてそこから通常の巻き上げにかかるとすぐにロッドティップが叩かれるアタリ。しかし、激しい暴れ方の割りには重量感がない。上がってきたのはフエフキダイの仲間だ。岩礁帯ではこの魚も多い。

本命オオモンハタがヒット

何度か流しかえをしていると、少し風が強くなってきた。ここでヘッドをタングステンの95gに変更して、ボトムを取りやすくする。ちょっと底潮が重くなっている感じがしたのでじっくりと攻めていると、3m以上も巻き上げたところで、ゴツンとロッドティップを押さえたかと思ったら、今度はもの凄い突っ込み。

ジージーとドラグ音が気持ちよく、重量感もかなりのものだ。

横で見ていた船長が「オオモンやねえ」とつぶやく。この引きはまさにオオモンハタだ。途中で何度も突っ込んではドラグが滑る楽しいやり取りをしながら浮かせたのは40cmに少し足りないオオモンハタだ。

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40cm弱のオオモンハタが登場(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

同行者には45cm級

ほぼ同時に胴の間で釣っていた同行者の山本さんにもヒット。かなりロッドティップが叩かれ、ドラグ音が響く。かなり大きいようだ。浮かせたのは45cm級のオオモンハタ。これはうらやましい。

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山本さんに45cm級オオモンハタ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

オオモンハタはそのサイズによってかなり身の味がかわる。もちろん、大きい方が脂が乗っていて甘い身が絶品なのだ。続けて、私にもヒットしたがこれもオオモンハタで、35cm級の中型。

オオモンハタ狙いでは釣れるゾーンに入ると、とにかく連発することが多い。今回もその通りで、良型、大型のオオモンハタは一流しで全て上がった。

この日はほかにアヤメカサゴやオジサン、アカハタなどが上がり、ハタメインの「タイラバ五目」を満喫できた。

オオモンハタ攻略法5選

オオモンハタを狙う釣り自体はかなりカンタンだ。と言うのも、マダイ狙いのように、ネクタイやスカートをいろいろ工夫する必要があまりないからだ。要はオオモンハタに巡りあうまでしっかりと探り続けるだけ。ここでは、オオモンハタ狙いが大好きな筆者が、実績を上げている攻略法を紹介したい。

1.オレンジカーリーに好反応

まずはネクタイ。タイラバのネクタイはストレート系やカーリーなど現在はいろいろと発売されている。長さも様々だが、私がオオモンハタを狙う場合、多用しているのがミドルサイズのカーリーテール。カラーはオレンジだ。そして、スカートはオレンジか赤で斑模様のタイプが圧倒的に反応が良い。

【関西2020】オオモンハタ狙い『ハタラバ』攻略法5選 マダイより簡単?
筆者お気に入りの組み合わせ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

長らく理由は分からず「オオモンハタの好み?」で片付けていたが、ある日、釣り上げたオオモンハタをバケツに入れて泳がせていると、小さなエビを吐いた。よく見ると、ゾウリエビの稚エビのようだった。またほかにもイセエビのような小さいエビを吐いたのだが、どうも、吐き出すエビに共通するのが赤かオレンジ系のボディに、脚が同じく赤かオレンジの斑模様なのだ。おそらく、マッチザベイトになっているのだと思う。

2.釣れるポイント

タイラバでロックフィッシュを狙う場合は、岩礁帯の上を流すのだが、流す筋の中でも起伏の激しい場所ととそうでない場所がある。オオモンハタは比較的、起伏の激しいエリアでのヒットが多い。

特徴的なのが、ボトム付近で釣れるよりも、少し上(中層)で釣れるオオモンハタの方が大型が多くなる点だ。おそらく、大型ほど外敵が少なくなり、ベイトを追って上へ浮いてくるのだと判断している。

ベイトが多い格好のポイントでは何尾ものオオモンハタが群れているような食い方をするので、同船者に大型のオオモンハタがヒットしたら、「次は自分か」と集中しよう。その際、気を付けることは、そのタイミングで根掛かりなどのトラブルが起こらないようにすることだ。

3.巻き上げ

オオモンハタはボトムより少し浮いたタナでベイトを追いかけているためか、エサを食ってくるのが素早い。そのため、タイラバの巻き上げもやや速めの方が反応が良いようだ。1秒でリールのハンドル2~3回転の速さでも十分に食ってくる。

4.フックアウトもOK

巻き上げ途中にいきなりガツンとアタリがあるのがオオモンハタだ。アタリがあればたいていの場合、すでにハリ掛かりしていることが多い。おそらくはネクタイやスカートよりもヘッド部分を襲って食いついているだと思う。なので、実際にはタイラバ特有の駆け引きというよりは、アタリ=ヒットとなる。

面白いのはアタリがあってフッキングし、ロッドティップを激しく叩いている最中に、フックアウト(ハリが外れる)することもあるが、実は、そのまま巻き上げるか、1回少しだけタナを下げて改めて巻き始めるとすぐに食いついてくることが多いのだ。オオモンハタにとれば警戒するよりも、エサに逃げられた…とも思うのだろうか。

ハリが外れてバラしても、フォローをしっかりとしてみよう。

5.サイズ狙いなら「エサ無し」

ロックフィッシュ狙いのタイラバの場合、エビや魚の切り身などをフックにちょん掛けすると、アタリが強烈に増える傾向にある。タイラバだけだとアタリが少なく「魚が少ないのかな」と思うような場所でも、エサを使うと入れ食いになることが多々あるのだ。

「アタリが欲しければエサ使用」なのだが、実はエサを使うと、小型のオオモンハタが増える傾向にある。大型のオオモンハタを釣ろうと思えば、シンプルにタイラバで我慢するのが良い。

以上が筆者のオススメ攻略法だ。この夏はぜひ、タイラバでのロックフィッシュに挑戦していただきたい。オオモンハタだけではなく、アカハタやアオハタ、ウッカリカサゴ、オニカサゴなど食べて美味しい魚が水白押しの「ハタラバ」は魅力満点の釣りだ。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>

▼この釣り船について:オーシャンフィールド
【関西2020】オオモンハタ狙い『ハタラバ』攻略法5選 マダイより簡単?
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