船長が魚の集まっている所に連れて行ってくれるので、初心者でも釣果を得やすい「船釣り」。小人数や家族釣行で利用しやすい乗合船の利用方法、出船までの流れを紹介しよう。
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船宿の情報収集から
週刊つりニュース本紙の週間釣況欄などを見て、乗合の記載がある船宿を確認。どの港から出船しているか、何の魚をターゲットにしているか、どれほど釣れているかなどの情報を見ておこう。駅から徒歩圏内で朝の出船が比較的遅い船宿もあるので、朝早い電車で釣行が可能な一日船や午前船もある。
ウェブサイトがある宿は、それも参考にして利用したい船宿を決めよう。船宿の情報をまとめた予約サイト『釣楽』があるので参考にしてもいい。
準備するもの
釣行が決まったら準備にかかろう。忘れ物のないように下図の持ち物リストをチェック。

肌を露出しない方がベター
乗船する際気をつけたいのが服装。怪我しないためにも、肌を露出しないものがオススメ。コマセを使用する釣りの場合は服が汚れることがあるので、汚れても構わない服を選び着替えを用意したい。帽子やサングラスもあるといい。
靴とライフジャケット
足下は循環式で海水が流れていることが多いので、長靴または濡れても大丈夫な靴。夏なら滑らないサンダルなども(滑りやすいビーチサンダルなどは厳禁)。ライフジャケット(救命胴衣)は必ず着用して乗船しよう。貸し出しのある船宿もあるので、事前に聞いておく。
暑さ対策
夏の海は海面の照り返しが強いうえ、船上は日陰がない。特に日差しの強い日は長袖にするか、日焼け止めをしっかり塗ること。同時に熱中症対策もしっかりと。水分補給はこまめに行う。クーラーは釣った魚を入れておくだけでなく、気温の高い季節は飲食物を入れておけるので保冷剤や氷を入れて持っていこう。
出船スケジュール
通常の乗合船は、正味6~7時間程度が釣り時間になる「一日船」が基本。船宿や釣り物によっては、午前・午後に分かれた3~4時間程度の「半日船」や、それよりやや長い「ショート乗合」もある。
船釣りが初めての人には、乗船時間の短い半日船がお勧め。朝起きるのが苦手なら午後船を利用するといい。道具の扱いに慣れたり、しっかり釣りをしたいなら、釣り時間が長い一日船。

釣り物やエリアによって時間が異なり、一日船や午前船は4~7時、午後船は午前11時~午後1時出船の場合が多い。上図は午前船に乗る場合の釣行スケジュール例。参考にしながら、釣行予定を立てよう。
電話で確認しておこう
釣行予定日が決まったら船宿に電話で確認しよう。出船の有無、集合時間・場所、出船時間、乗船料などを問い合わせる。

心配なことは、事前に聞いておくと、当日の不安を減らせる。船宿は朝が早い。夜遅いと迷惑になるので、18時ごろまでに済ませる。
港・船宿へ到着
少なくとも出船時間の1時間前までには船宿や集合場所に到着しておきたい。乗船手続きや準備に時間がかかることがある。

夏休みや大型連休などは、定員でいっぱいになる場合もあるので、早めに行くか可能なら予約しておく。予約乗船の場合は遅れるときは必ず連絡を。
受付
船宿また港に到着したら、まずは受け付け。釣り座を先に確保する場合もある。船宿指定の集合時間は、その時間までに受け付けを済ませてほしい時間になる。乗船料やレンタル料の支払いはこのとき、または後払い。クレジットカードを使える船宿は少ないので、現金を用意しておく。
荷物を場所取りに使ったり、車のキーを預ける場合もあるので、貴重品の管理には気を付けよう。
釣り座の決め方
船での座席は、先着順で札を取る、船に直接荷物を置いて取る、抽選、ジャンケンで決める、船長から指示されるなど船宿によって違う。

慣れないうちは操舵室横の胴の間に入ると、船長や仲乗りからの指示を受けやすく、釣りを覚えるにはいい。また揺れも少ない釣り座なので、早く行くか、可能ならば予約の際に確保しよう。

船酔い対策
初めての船釣りで気をつけなくてはいけないのが船酔い。せっかく遊びに来たのに、船酔いして気持ち悪くなってしまってはもったいない。車や電車で問題なくても、波長が複雑な船の揺れには弱い、という人もいる。前日は十分な睡眠時間を確保して体を休めておこう。

また、酔い止めの薬を1時間前に飲むなど自分に合った船酔い対策を見つけ、いい思い出の釣行にしよう。
<週刊つりニュース関東版 編集部/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2020年8月7日号に掲載された記事を再編集したものになります。