8月に入り、相模湾ではキハダマグロ、カツオのコマセ釣りが解禁された。しかし、今年は長梅雨の影響か、黒潮の蛇行が弱いせいか、湾内に目立った群れが入っていないようで状況は芳しくない。

そこで、今回はキハダマグロを狙って茅ヶ崎の一俊丸からライブベイトで狙うキハダマグロ船に乗った。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・古谷健太)

マグロシーズン突入の相模湾『ライブベイト』船でキハダ乱舞【一...の画像はこちら >>

マグロ狙いライブベイト船

昨年は7月中旬頃から爆発的な釣果を叩き出していたライブベイト(活きイワシのふかせ)船であるが、今年出船している各船宿の釣果を見ていると、昨年ほどの爆発ぶりはないようであった。しかし、7月下旬ころから急にキハダマグロのスイッチが入って釣果が上向いてきたようで、かなりの数のキハダマグロが取り込まれている。

ライブベイト船はキハダやカツオの群れを見つけ、そこにイワシを泳がせていく釣りであるが、完全に捕食のスイッチが入った群れに当たると、船中の釣り客のサオが次から次へと豪快に曲がっていく。

今年も7月下旬を過ぎ、8月に入ってからも各船宿の釣果を見ているとヒット数は計測不能、1隻でも30ヒット以上など豪快な数字が飛び交っている。

一俊丸から出船

私が挑んだ日は8月6日、風も弱く、海もベタなぎに近い状況で、キハダの群れやボイルを見つけるには絶好の日となった。神奈川県茅ヶ崎の一俊丸から出船。

マグロシーズン突入の相模湾『ライブベイト』船でキハダ乱舞【一俊丸】
絶好の日和となった(提供:WEBライター・古谷健太)

当日のタックル

・ロッド:ダイワ ソルティガエビング74H
・リール:ダイワ ソルティガ6500H
・ライン:PE6号 400m(シマノ タナトル)
・ハリス:プレミアム万鮪18号(1.5m、PRノットで直結)
・ハリ:カットヒラマサ14号(南方延縄結び、ケイムラチューブ補強)

マグロシーズン突入の相模湾『ライブベイト』船でキハダ乱舞【一俊丸】
当日のタックル(提供:WEBライター・古谷健太)

一流し目から17kgキハダヒット

約2時間、長い船旅であるがポイント到着である。現場についたが海鳥も少なく、キハダの跳ねやボイルも見られない。しかし、群れはすぐに見つかったようで早速一流し目となり、エラ掛けにしたマイワシを海に投げ入れ、リールをフリーにして沖に泳がせていく。

流し始めて数分で、私の近くの右舷胴の間の方のリールがすさまじいドラグ音を立てた。慣れた方だったのか、ファイトも安定しており、17kgほどのキハダが難なく上がってきた。

俄然活気づいた船内であるが、この流しではその後のヒットはなかった。

キメジが船中連発!

その後、数回の流しを経たが単発のヒットはあるものの、ライブベイト特有の爆発的なヒットはなく、近日の状況とは違う怪しい雲行きとなってきた。しかし、ラスト5流しごろから船の近くでキハダのボイルが起きるようになってきた。

船から投げ入れられているイワシの投げえさをキハダが捕食し始め、船の周りにキハダがついたのである。

他の船も集まっているため、位置取りがなかなか難しい状況であるが、流しのたびに船の至るところでドラグ音が鳴り響き、キメジサイズではあるが次々とマグロが船に取り込まれていった。バラシも多くあるが、近日の釣果情報に書かれているヒットの嵐は突如として訪れたのである。

最終流しで筆者にもヒット!

「これで最後にします」と船長からアナウンスがあり、まだヒットがなかった私は焦っていた。最終流しでも2~3人の方が心地いいドラグ音を響かせている中、私のリールから出されるイトのスピードが明らかに加速を始めた。イワシが逃げているスピードではない、キハダのスピードである。

タイミングを見てベールを戻し、ファイトに入る。

私のリールからも心地いいドラグ音とともにハイスピードでイトが出されていくが、感じる重みはキハダのそれではなく、どうやらキメジである。

7kg級キメジをゲット

キメジとはいえ、最終流しで得たワンチャンスである。逃すわけにはいかないため、落ち着いてやり取りした結果、上がってきたのは7kgくらいと見られる魚体であった。これがこの日、船に取り込まれた最後の魚となった。

マグロシーズン突入の相模湾『ライブベイト』船でキハダ乱舞【一俊丸】
キャッチしたキメジ(提供:WEBライター・古谷健太)

最終釣果

私が乗船した船はキメジが多く取り込まれたが、同じ船宿から出ていたもう1隻の方では20kgクラスのキハダが続々と取り込まれたようで、最終的な船宿の釣果としてはキハダ8本、キメジ12本、その他にワラサやシイラも上がっていた。

あまりのマグロの数に船宿前は魚市場のような状況となっていた。

今後の展望

サイズとしては心残りがあるが、相手はキハダマグロである。なんとか1匹取れたこと、そして最終流しのラストチャンスを生かせた安堵感に満たされて帰港した。

コマセのキハダ船ではなかなか体験できない盛大な複数ヒット、目の前で海面を割ってボイルするキハダの姿、そして次々と取り込まれるキハダマグロの魚体の数々、最終的には事前情報に近い状況となった。

コマセのキハダ船が軌道に乗るまでまだ時間はかかりそうであるが、ライブベイト船はまだまだ白熱した状況が続きそうである。

<古谷健太/TSURINEWS・WEBライター>

▼この釣り船について
一俊丸
出船場所:茅ヶ崎港