夏の日中は強い日差しに加え、熱中症のリスクも。そこでオススメしたいのが「夜釣り」だ。

ターゲットやメリットを紹介しよう。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・奥野太郎)

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夜釣りのメリット

夜釣りには、理にかなった理由がいくつかある。

涼しくて快適

夜は当然ながら日差しもなく、昼間に比べると気温が下がるので暑さをしのげる。紫外線対策も気にせず涼しく快適に釣りができる。

【関西2020夏】夜の投げ釣り好ターゲット3選 大型狙いがオススメ
日暮れから釣るので涼しい(提供:WEBライター・奥野太郎)

大物が狙える

どんな魚にもいえることだが、いくつもの困難を乗り越えて成長したものは警戒心が強い。明るい日中では、エサをつけているハリやその上のハリスも目立ちやすいし、釣り人の姿も気づかれやすくなるので、大物ほど警戒してなかなか釣れない。魚種によっては夜の方が警戒心が薄れて活発にエサを追うのでチャンスは多い。

【関西2020夏】夜の投げ釣り好ターゲット3選 大型狙いがオススメ
大物が狙えるのも魅力(提供:WEBライター・奥野太郎)

他の釣り人が少ない

人気のある釣り場は、頑張って早起きして行っても既に誰かが釣りをしていることが多い。しかし夜釣りとなると、本格的な釣り人以外はあまりやらないので、比較的ポイントに入りやすい。それでも、車を近くに止められる好条件の場所は、早めに現地入りする方がいいだろう。

今シーズンの釣況

2020年の釣況としては、暖冬の影響で真冬の海水温度も例年より高かったようで、魚種によってはよく釣れているようだ。例えば、全国的に有名な明石のタコも今年はよく釣れている。

投げ釣りでいえば、南紀(和歌山県南部)のコロダイやタマミも好調で、どうやらアタリ年のようだ。

また、日中の引き釣りではそれほどでもないキスも、京都の宮津方面では、夜釣りで大ギスの好釣果が聞かれる。そして、夜釣りの定番の手軽なアナゴ釣りも癒し系として捨てがたい。

2020年はこれらの中から、コロダイ、キス、アナゴの3種類を注目してみよう。

1.浜から狙うコロダイ

コロダイは、タマミ(ハマフエフキ)と並び、投げ釣りの対象魚の中で、夏の夜釣りで狙える大型魚の代表格だ。私が住む関西エリアでは中紀、南紀が主なフィールドで、タマミに比べると比較的個体数も多く釣りやすい。

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強い引きが魅力のコロダイ(提供:WEBライター・奥野太郎)

また、ガチガチの磯場というより、磯場に隣接する浜辺であったり、砂地にシモリが点在する漁港などの波止場からでも狙えるので、足場のいい釣り場を選びやすい。

タックル

私のタックル例としては、投げザオ4.25mオモリ負荷33号。リールはドラグ付き投げ専用スピニングリールにミチイトPEライン6号、それに遊動式テンビン33号。

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タックル例(作図:WEBライター・奥野太郎)

仕掛けはハリス・フロロカーボン10号で1m、ハリはカンヌキ青物15号である。

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コロダイ釣りに使用しているハリ(提供:WEBライター・奥野太郎)

エサは太めのマムシ(イワイソメ)や、ユムシ、ジャコエビ、イカなどを使う。

釣り方

初めて訪れる釣り場なら、夕暮れ前にポイントに入り、地形を見て海底の様子を想像し、実際に何度かキャストして、岩場と砂地の境目付近や魚の通り道となる溝状になったポイントをチェックすること。

アタリは大きく出ることもあれば、サオ先にクンクンと小さく出て、確認しようとサオを持ち上げて聞いてみた時にググッ!とくることもあるので油断はできない。ドラグを緩めておくか、根に潜られそうなところなら、逆にドラグを締めて尻手ロープを取っておこう。

2.河口のキス

キス(シロギス)は、言わずと知れた投げ釣りの代表的な対象魚だが、25cmを越える大型となると夜狙う方が確率が高い。大ギスはとても警戒心が強く、昼間ではあまり釣れない浅場でも、夜にエサを求めて回遊してくることもある。

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夜釣りで狙えばキスも良~大型が狙える(提供:WEBライター・奥野太郎)

河口付近でも大型が釣れることが多いので、雨で増水してる時を除いて狙い目といえる。

タックル

置きザオで狙う場合のタックルだが、投げザオ4.05~4.25mオモリ負荷25~30号。リールはドラグ付き投げ専用スピニングリールにミチイトはナイロン3号+テーパーライン(3~12号15mなど)。それにサオのオモリ負荷に合った遊動式テンビンを選ぶのだが、なるべく軽い方が着水音を小さくできる。

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キス&アナゴタックル(作図:WEBライター・奥野太郎)

仕掛けは市販のものでいいが、私は「発光キスホタル」を愛用している。チモトに蓄光塗料が施されエサが光って見えるので、キスの食い気を誘う。9~10号のなるべく大きいものを選ぶといい。

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夜釣りのキス仕掛け(提供:WEBライター・奥野太郎)

エサは、手に入るのならチロリ(トウキョウスナメ)が特効エサとなることが多い。なければアオイソメと細めのマムシを使う。

ポイント

ポイントは潮通しのいいところで、完全な砂地よりシモリが点在するようなところがいい。テトラ帯の近くも狙い目で、カケアガリなど、回遊しそうな場所を探そう。

キスは吸い込むように補食するので、なるべく違和感がないようにドラグは緩く設定し、ナイロンのミチイトを使うことによってショックをやわらげることができる。アタリが出たら少しサオ先で送り込み、本アタリで軽くアワせてフッキングさせよう。

食いの悪い時はリールのベールを起こし、ミチイトを送り出せる準備をしてサオを手に取り、本アタリ待つくらい慎重にしなければならない時もある。いずれにしても早アワセは禁物だ。

しっかりフッキングさせたら、コンコンコンッ!というキスとは思えない強い引きに気負いせず、慎重に取り込もう。病み付きになるとこ間違いないはずだ。

3.夏の夜釣りの風物詩アナゴ

アナゴは投げ釣りの定番ゲストのひとつで、夏の夜釣りの風物詩ともいえる。しかし、本命として狙おうとすると案外釣れない?もので、そこが釣り人心に火をつけて夢中にさせる。釣りとしてはウナギ釣りよりハードルが低く、さばき方さえマスターすれば料理のレパートリーは増え、とてもおいしく栄養価も高い。

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アナゴもお勧めターゲット(提供:WEBライター・奥野太郎)

タックル

キスの置きザオタックルをジェットテンビンにかえても流用できるが、仕掛けだけはウナギバリを使ったものがいい。専用で手軽なハリス付きの「デカパック糸付ウナギ アナゴ」は消耗の激しいこの釣りにはピッタリだ。

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愛用のアナゴ仕掛け(提供:WEBライター・奥野太郎)

エサは太めのアオイソメ1本掛けが効果的かつ経済的だが、キビナゴやサンマの切り身などもいい。

ポイント

漁港や堤防など、昼間にサビキ釣りなどまきエサを使う釣りが盛んな場所にはエサが溜まっていて、アナゴが釣れることが多い。基本的に砂地または砂泥を好むようで、投げてカケアガリやシモリまわりを狙うのもいいが、隠れ家となる捨て石やテトラ際といった足元も好ポイントである。

秋になり、堤防からタチウオを狙う釣り人が増えると、余ったエサのキビナゴを撒いて帰る人も多いので、それがまきエサ効果となって穴場となることも少なくないので、そのようなポイントは要チェックだ。

ぶっ込みの要領で仕掛けを投げこんでおくと、サオ先にクンクンッとアタリが出ることが多い。居食いしてることもあるので、いずれもサオ先で聞いてみて、重みを感じるようならアワせよう。

口にフッキングというより、飲み込んでるパターンが多いし、取り込んだあとも暴れて仕掛けをぐちゃぐちゃにするので、仕掛けは1本バリのシンプルな方がいい。体の表面はヌメリが強いので、フィッシュグリップの使用をお勧めする。

夜釣りに便利なアイテム

夜釣りにはそれなりの注意点や、夜ならではの必要かつ便利なアイテムがあるので、私がお勧めするものを5つご紹介したい。

ヘッドライト

まずはヘッドライト。頭に装着することによって、両手が使えるので便利。色々な種類が販売されているが、私が愛用しているものは、モーションセンサー付きなので、スイッチに直接触れなくてもセンサー部に手をかざすだけでON・OFFが可能だ。これによりエサ付けなどで汚れた手を触れなくてすむ。

また、白色LEDと電球色LEDモードに切り替えられるので、なるべく魚に警戒心をあたえないように明かりを使い分けることができる。

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ヘッドライトが便利(提供:WEBライター・奥野太郎)

サオ先ライト

置きザオのサオ先に装着してアタリをとるのに便利。昔はよく鈴を使っていたが、他の釣り人がいるとドキッとさせてしまったり(その逆でドキッとすることも多い)、リールを巻くたびに外さなければジャラジャラとうるさいので、今ではケミカルタイプのサオ先ライトばかり使っている。サオ先の直径によってサイズが選べるので事前に測っておくといい。

【関西2020夏】夜の投げ釣り好ターゲット3選 大型狙いがオススメ
鈴よりサオ先ライトがお勧め(提供:WEBライター・奥野太郎)

虫除けスプレー&虫刺され薬

夜はとにかく虫が多い。蚊はもちろん、場所によってはヌカカがいるので要注意だ。こいつに刺される(噛まれる?)と、時間が経ってからむちゃくちゃ痒くなる。皮膚科にお世話になるレベルになることもあるので対策はしっかりと。その他にブヨも要注意だ。

【関西2020夏】夜の投げ釣り好ターゲット3選 大型狙いがオススメ
カ対策はしっかりと(提供:WEBライター・奥野太郎)

フラッシュライト

これは、仕掛けに使ってる蓄光塗料や夜光玉に光をあてるもので、瞬間的に強い光をあたえることができるのでとても便利だ。ただし、発光してる時は直視しないように注意しよう。

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蓄光用のフラッシュライト(提供:WEBライター・奥野太郎)

ボディシート

夏は夜とはいえ、よく汗をかく。そんなときに私が愛用してるのが、使い捨てのボディシートだ。なるべくたっぷりと化粧水が浸透されてる厚手で大判のものがお勧めだ。顔や体を拭くとベタつきをスッキリさせてくれるので、必ず荷物の中に忍ばせている。

【関西2020夏】夜の投げ釣り好ターゲット3選 大型狙いがオススメ
ボディシートで気分爽快(提供:WEBライター・奥野太郎)

以上、夜釣りについて色々とご説明したのだが、夜は昼間に比べて危険も多いので、なるべく複数人で釣り場へ行き、ライフジャケットは必ず着用すること。また、いつまでも釣りが楽しめるように、ゴミは必ず持ち帰り、駐車マナーも守るようにしよう。

<奥野太郎/TSURINEWS・WEBライター>

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