管理釣り場のフライフィッシングで活躍するニンフですが、使用には「マーカー」が必要。安価に自作する方法を、 万年初心者のミステリー小説家が紹介します。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・浅暮三文)

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フライ用マーカーを自作

フライで手軽に遊ぶとなると管理釣り場ですよね。あそこでの多くの時間はドライよりもニンフの方が活躍するのはご存知の通りであります。となると不可欠なのがマーカー。

フライお得帖:ニンフ用「マーカー」を『100円以下』で自作しよう 
筆者愛用のマーカー(提供:WEBライター・浅暮三文)

しかし、市販の各種マーカーの問題点は価格、自身にぴったりの浮力のものがなかなかないこと。かつて私は発泡ウレタン製の使い捨てマーカーを愛用していましたが、この頃は店頭で見かけませんでした。加えて使い捨てなので、位置をかえるたびにポケットに使用後が溜まる。はたまたティペットにテープ面のカスが蜘蛛の巣のごとく付着する。なんだか、わびしさが募るばかりでありました。

マーカーには大発明がない?

では可動式はどうか。これも装着にゴム留めを使用するため、ゴム留めを釣り場で落とすと、まず見当たりません。CDCを花束にしたのも、腕前のせいですぐに濡れて浮力がなくなる。はてさて、ニンフの釣りに必要不可欠なはずのマーカーに、絶対的な大発明がないのですよ。となると自己流しかないか。

ということで私は海用やヘラブナ用のシモリ玉を活用する半自作(要は輪ゴムを通すだけ)の方法にたどりつきました。

浮力と視認性は海で揉まれていますから安心。

自作マーカーの材料

マーカーを自作するにあたって、必要なものは以下です。

シモリ玉

球体は10mm=3号と12mm=5号。円錐は3号と4号。いずれもすでに穴が空いたもの。シモリ玉は100均ショップでも昨今、釣り具として販売しているそう。

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釣具店で市販されているシモリ玉(提供:WEBライター・浅暮三文)

輪ゴム

輪ゴムは使用時に切れない新鮮なものを。ゴムも自然原料ですから劣化します。シモリ玉を束ねる紐:製作時や現場で切れない強度のものをお好みで。当方は自宅にあったデンタルフロスを活用。水に強く丈夫です。

糸通し

糸通しは作成道具として必要。100均ショップの手芸品の中から、できるだけ針金の長い物を選びます。

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マーカーキットの材料(提供:WEBライター・浅暮三文)

マーカーキットの作成

それではさっそく製作にかかりましょう。

1.  シモリ玉に糸通しを通す。

事前にできている穴は少しきついですが、強引に糸通しを押し込むと貫通します。

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シモリ玉に糸を通す(提供:WEBライター・浅暮三文)

2. 束ねる紐をU字のループにして糸通しでシモリ玉の穴に通す。

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束ねる糸を通す(提供:WEBライター・浅暮三文)

紐も同様に最初はきついですが、ぐいぐいやる内にあなたまかせの穴になります。

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糸を通した状態(提供:WEBライター・浅暮三文)

穴をよく観察すると貫通させた入り口が分かり、そちらの方が通しやすいです。

これを好きなだけ繰り返せば、あなた好みのマーカーキットの完成です。おめでとう。具合のよいパートナーが手に入りました。あとは現場でのゴムの用意と使い方です。

ただし、シモリ玉を束ねた紐は玉が抜けないようにお尻を結んでおきましょう。なにごとも後技が大切です。

マーカーの使い方

さて本番にそなえて、あなたは写真のようなマーカーパックを用意しました。中には紐で拘束されたシモリ玉。そして装着用に切った輪ゴム。

それでは現場でのマーカーの使い方です。具体例はシモリ玉球体12mm=5号です。

1.  束ねた紐のU字内に輪ゴムとティペット(ハリス)を通す。ティペットは今回、海用の0.8号=5エックスです。

2. 束ねた紐を引っ張り、ティペットと輪ゴムを穴に通していく。ゆっくり輪ゴムの両端を伸ばすようにすれば通っていきます。

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V輪ゴムとティペットを通す(提供:WEBライター・浅暮三文)

3. 見事、貫通。これだけでもそこそこ可動式マーカーに準じますが、通した輪ゴムの両端をティペットに結ぶとさらにきつくなります。試してお好みの方を…。

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両端を固定(提供:WEBライター・浅暮三文)

ここで注意点ですが可動時にティペットにヨリがつかないように、輪ゴムの方をティペットに結ぶこと。

仕上がりをテスト

さて仕上がったマーカーがきちんと機能するかどうかです。そこであなたは風呂場へ行ってテスト用をバスタブで試すことになります。まずティペットに、いつも使っているマーカーとオモリを付けてフライを結びます。

同様に仕上がったマーカーとフライの方にも。

今回のフライはどちらもTMC206BL16番で巻いたカディスピューパです。オモリはガン玉と粘土タイプ。ではペンチを持ってバスタブへ。むろん水は張っておきます。バスタブがない人は、風呂桶に水を溜め、ティペットがたるまないように、かなり短く仕上げたテスト用で。アルキメデスによると浮力とは水中に沈んだ物体が押しのけた水の重さです。ティペットの長短はテストでは心配なし。

さて先ほどの二つをどぼん。どんな浮き具合でしょうか。マーカーの方は写真のように、いつものオモリによって半ば浮き、半ば沈んでいる。「はかなげ」でアタリがよく分かりそうな感じです。

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浮き具合をテスト(提供:WEBライター・浅暮三文)

マーカーのテスト

次に仕上がったマーカーの方をテスト。いつもの浮き具合と同じような「はかなさ」になるようにオモリを変更していきます。私のオモリはシモリ玉球体12mm=5号に対してガン玉4号=0.2gがペストでした。

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テスト用のセッティング(提供:WEBライター・浅暮三文)

粘土オモリの場合は写真ぐらいの分量。円錐タイプ、小さな球形など、こっちがよいと思う方の浮力と必要なオモリを確かめておけば現場で役立ちます。

マーカーの制作費用

今回、マーカー製作に必要となった制作費用を改めて見ましょう。輪ゴムとデンタルフロスはタダ。表にしてみるとこんな感じです。

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制作費の表(提供:WEBライター・浅暮三文)

なんと安価なのでしょうか。自作は最高値でも一個68円。フライショップへいって可動式マーカーの値段を改めて見てください。これはもう、もっとお安くなりませんかと欲望が渦巻きます。

ではもっと安く上げるにはどうするか。

それは次回に続く。

<浅暮三文/TSURINEWS・WEBライター>

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