10月3日、静岡沼津にある貸しボートみさおでボートをレンタルし、妻と一緒に『カッタクリ』釣りに挑戦。ターゲットは「スマガツオ」だ。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・藤倉聡)
『貸しボートみさお』でボート釣り
10月2日夜、沼津にある妻の実家へ帰省してきた。天気予報では週末の天気が良さそうだったので妻と釣りも計画。久し振りの沼津だったので、何処で何を釣ろうか色々悩んでしまったが、実家から車で10分位にある、我入道でのボート釣りに決めた。昨年同時期に、正体不明の大物をバラしてしまった場所だ。
昨年も利用させていただいた、「貸しボートみさお」に電話で釣況を尋ねると「今は青物中心で、先日はスマガツオも上がりましたし、マダイとクロダイも釣れています」とのこと。
スマガツオが釣れるとは驚いた。しかも釣り方はイナダと同じで良いらしい。これで、今回のターゲットは「スマガツオ」に決定!「カッタクリ釣り」で狙うことにした。
貸しボートみさおでは、手漕ぎボートの他に船舶免許不要の2馬力ボートやエレキの貸出がある。この海域の特徴で午後から風が強まるので、営業時間は日の出(今の時間は5時半位)から11時までとなる。車は海岸沿いの道に駐車可能。スタッフは皆親切なので初心者でも安心して利用できる。早速2馬力ボートを予約しようとしたが、一艘は修理中でもう一艘は予約済みとのことだったので、エレキの予約をすることにした。
『カッタクリ』釣りとは
今回挑戦する「カッタクリ」釣りについて紹介しよう。
仕掛け
カッタクリ釣りとは大きく分けて、竿を使用する方法と、木枠に道糸を巻いて釣る手釣りの方法とがある。

仕掛けは、道糸に鉄仮面(ステン缶)付きの天秤を付けて、魚の皮を乾燥させた「バケ」と言われる疑似餌を使用。

釣り方
次に、釣り方について。手釣りの場合は、聞き手を伸ばして道糸を掴み、鋭く顔(または胸)の前まで引き上げる。同時にもう一方の手で、顔の前に来た道糸を掴み、再び聞き手を伸ばすと同時に、もう一方の手で掴んでいる道糸を船内に引き込む。
要するに「八の字を描くようにリズミカルに手繰る」釣り方だ。その際、怪我防止に指サックの使用をお勧めしたい。魚が掛かったら、そのまま手繰り上げて取り込めばOK。
カッタクリ釣りは特に青物狙いに有効。
当日の状況
釣行当日10月3日の天候は晴れ。まずは、「釣り具のタイシ」にエサを買いに向かった。24時間営業で事前に連絡しておけば、コマセの解凍もお願いできるのでありがたい。今回アミコマセは3ブロック全解凍で、2ブロックを半解凍でお願いしておいた。
5時半に現地に到着。車を駐車場に止めて、海の様子を見に行くとベタナギ。風も無く安心して釣りが出来そうで一安心。

予報が良いこともあり多くの釣り人が既にボート店の受付前に並んでいた。私たちも順番を待っているとスタッフから「ボートが全部出払ってしまいました。予約していない人たちにも貸しちゃったからな・・・。困ったなぁ・・」と伝えられる。
すると、どうやら仲間のボートを調達してきてくれた。
当日のポイント&作戦
ポイントの「ヒイチ根」は牛臥山沖にあり、岩礁が点在しているので多彩な魚種が釣れる1級ポイント。
当日は、まず昨年アジやイナダ、マハタが釣れたポイントに直行し、それでもダメなら深場へ移動することに決めた。私はカッタクリでスマガツオを狙い、妻はウィリーシャクリで釣れるものは何でも良いから釣っていく作戦を取ることにした。
当日のタックル&仕掛け
カッタクリの仕掛けは以下の通り。

エサ釣り用タックルは以下の通りだ。

乗合船などと違い、ロッドとリールのバランスや道糸の太さなど気にしないで良いのも、自由度の高いボート釣りの魅力だ。
マルソーダ浮上
出航は6時。ポイントに到着し、まずは妻にウィリーシャクリの釣り方をレクチャーする。基本的な乗合船での釣り方とは若干異なり、ボートは水面までの距離が短く且つ立つことができないので、ロッドを水平から11時の方向位までスーッとシャクり数秒ポーズをとったら、ロッドを下げながらリールを巻いてくるのがやりやすいと一通りやってみせる。
私もカッタクリを開始。しかしなかなかヒットしない。バケの種類を変えるかポイントを移動しようかとも思ったが、経験上コマセを撒き続けることが大切と理解しているので、しばらく様子を見ることにした。
すると魚探に反応が出てきた。

ゴマサバがダブルヒット
これで船長として一安心。「ウィリー仕掛けの全部の針にオキアミを付けたら釣れた」と言うので、自分もカッタクリは諦め、エサ釣りに変えることにした。
すると1投目からゴマサバがダブル!

しかも2人して同時ヒット。なんと妻はゴマサバ2匹、マルソーダ1匹のトリプリヒット。プチ入れ食いに大満足。
魚群探知機に反応が出た瞬間に入れ食い。今までボートで魚群探知機を使用したのはあまりなかったけど、反応が出てきて本当に釣れた時の快感がやみつきになりそうだ。さらに魚種の予想も当たると、推理小説の犯人を当てた時の様に、最高に楽しい。これからもボート釣りには魚探は欠かせないと存在だと思った。
深場で妻に大物ヒット
魚が釣れて楽しいが、やはり大物が釣りたい!ということで深場に移動。するとまたしても魚探に好反応が出ると妻にヒット!今度は表情が真剣だ。「ソーダやサバではない感じ。引きが強い!」とヒィヒィ言いながら、リールを巻き上げている。
私は刺身と冷酒が脳裏に浮かぶ。が、あと少しというところで、一気に船下に潜られたと思った瞬間妻が「あれ!?なんか軽くなったみたい。バレたかも…」と言いながら軽くなった仕掛けを回収。バラしたか…。
妻は「魚が見えた。あれはクロダイ!しかも50cmはあった」と嘆いていた。さらに「タモで救ってくれていたら獲れたのに」と恨めしそうに呟いていた。魚は見えたかもしれないが、タモで救える深さではない。「水の中にタモを突っ込んで魚を追い回すような事をするのは、それこそバラシの原因になり愚の骨頂。ご法度だよ」と説明した。
再度大物ヒットも…
その後アタリがぱったり途絶えたので、ポイントを移動。すると、すぐに私はサバを、妻はサバとマルソーダを追釣。「魚探に良い反応が出ているよ」と言うと妻が「キター!!これも凄い引きだ。
ロッドは弧を描き、竿先が水面に突き刺さる。またしても私は刺身と冷酒が脳裏に浮ぶ。がしかし、今回もあと一歩のところでアンカーロープに仕掛けが絡みバラシ。嗚呼、刺身と冷酒が…。
10時45分納竿。昨年は私が、今回は妻が大物をバラすという大失態をやらかしたが、来るたびに何かしらの大物が掛かるこの海が大好きだ。

最終釣果と今後の展望
筆者:ゴマサバ3匹(25~30cm)
妻:ゴマサバ3匹(25~30cm)、マルソーダ2匹(30cm)

本命を釣り上げることはできなかったが、コマセを絶え間なく撒き続けたことと、魚探で丹念に海底の地形と魚の反応をチェックしたのが、大物のヒットへ結びついたものと思われる。
これからの時期は、青物に加えアマダイやタチウオ、カワハギなどが本格シーズンを迎え、ますます楽しみになってくる。冬場は特にロケーションも素晴らしいので是非一度足を運んで頂きたい。
<藤倉聡/TSURINEWS・WEBライター>
▼このレンタルボート店について貸しボートみさお
出船場所:静岡県沼津市我入道八間割
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