海底が砂地のポイントで釣りをしていると、好まれざるゲストとしてたまに登場するのが「ダイナンウミヘビ」だ。今回は、気をつけるべき扱い方について解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・出月慎也)
ダイナンウミヘビとは?
ダイナンウミヘビは夜行性のため、夜になると水面を泳いでいる姿を見かけることもある。泳いでいるといっても体をくねらせているため、判断も付きやすい。
日中は砂の中に潜みながら獲物を待つことが多いと言われており、食性も「イソメ、小魚、カニ」など幅広い。キス狙いのアオイソメ、根魚狙いのイカやサバの切り身にも反応して釣れることもある。
そのため、投げ釣りやぶっこみ釣りでダイナンウミヘビが釣れてしまうことが多く、ハリを外す際に手こずった経験のある方も意外と少なくはない。
参考記事:ウミヘビはややこしい?「ヘビみたいなサカナ」と「サカナみたいなヘビ」
ダイナンウミヘビの注意点
ダイナンウミヘビが釣れてしまった場合、注意点がいくつかある。

1.毒はあるのか?
有鱗目に分類されるウミヘビには基本的に毒性がある(毒性が退化した種もある)。しかし、ダイナンウミヘビはウナギ目ウミヘビ科に属性される。ウツボなどの魚類に分類されるため、毒の心配はない。
2.性格は獰猛なのか?
ダイナンウミヘビは食用旺盛のため、獰猛に食らい付くことも多い。釣り上げたあともかなり長時間暴れるため、大人しくなったからと手で触ろうとすると急に暴れて噛み付かれる可能性もあるので注意が必要だ。
実際に釣れたあとの行動を観察してみたが、ルアーに向かって何度か攻撃する様子も見られた。足元に近づいてくることもあったため、個体によってはかなり獰猛な可能性もある。
3.歯は鋭いのか?
ダイナンウミヘビの歯は、タチウオのように見た目から危険と感じるほどではなく、釣れてからも口を閉じていることが多いため確認が難しい。そのため、やはりウナギやアナゴの仲間だろうと手掴みをしてしまう方もいるだろう。
しかし、先端に鋭利な歯が生えているため、噛まれて血が出る可能性もある。さらに体を回転させるため傷が広がる危険性もある。
釣れてしまった時の対策
ダイナンウミヘビが釣れてしまった場合、ハリごと飲み込んでいることがある。そのため、ハリ外しがなければラインを切る必要がある。また、大きい個体は1~2mと大型になるため、暴れるとパワーもあり危険性も高まる。
ラインが絡まった場合
ダイナンウミヘビを陸に上げると体を何度もくねらせるため、ラインが仕掛けと絡んでしまうこともある。ラインをほどくにもダイナンウミヘビが再び暴れるため、噛まれることも考えるとラインを切ったほうが安全で手っ取り早い。
トングがあると便利
このような長めのトングを車に載せておくと、いざ釣れてしまった場合にも対応がしやすい。

ダイナンウミヘビは扱いが難しいため、ハリを外すまでにも時間がかかる。そのため、体も乾燥し始めてだんだんと弱ってくる。海に返しても死んでしまう可能性が高まるため、料理しておいしくいただくといい。
食べると美味しい?
ダイナンウミヘビを食べる目的で釣る方は少ないだろう。味は不味くないとの意見も少なくはないが、小骨がかなり多いとのこと。「蒲焼き」、「落とし」、「煮付け」など工夫次第では美味しくいただける料理もある。
<出月慎也/TSURINEWS・WEBライター>
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