大阪湾の沖波止の中から、都市近郊でアクセス至便、さらに魚影も濃いと人気の「岸和田一文字」、「泉佐野一文字」を紹介する。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)

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泉州・泉南エリアの沖波止

武庫川一文字以西にある数々の人気の沖波止は、いずれも兵庫県。では大阪府は?となると、普段兵庫の波止をメインとしている私からすると、少しマニアックなイメージを持つ。

大阪府という関西圏最大都市のブランドイメージと、ひと昔前の水質のよくないイメージが、釣り場という印象を薄くしているのも原因かもしれない。

しかし実際には、大阪北港・南港、そしてその南側にも、釣り人が訪れる沖波止は複数ある。この投稿では、都市圏近郊で四季折々の人気の魚が狙える恵みのスポット 泉州・泉南エリアの沖波止を紹介してみたい。

渡船&近辺の釣り具・エサ店

このエリアの沖波止は略図のようになっており、岸和田沖には岸和田一文字(沖一文字、旧一文字)と中波止、泉佐野港沖には泉佐野一文字がある。各沖波止の渡船店は次のとおり。

大阪湾の沖波止紹介:岸和田&泉佐野一文字 都市近郊でアクセス良好
泉州エリアの沖一文字位置図(作図:WEBライター・伴野慶幸)

岸和田一文字(沖一文字、旧一文字)、中波止

渡船は岸和田渡船

忠岡漁協の2階に常設店舗を構え、近辺に乗船場と駐車区域がある。駐車区域は指定されており、時期によっては始発便の乗船者は送迎バス利用者に限定されるので、そうした注意事項はホームページで要確認。

岸和田渡船の常設店舗では最小限の釣具と冷凍・冷蔵エサは販売されているが、更なる品揃えを求める場合は、提携店のフィッシングマックス泉大津店を利用するといい。

▼この渡船について
岸和田渡船

泉佐野一文字

渡船は葵渡船

泉佐野漁港青空市場(佐野漁港)への進入路の一角に駐車場があり、その至近距離に乗船受付場と乗船場がある。常設店舗はなく、エサや釣具などの販売は行っていないので、情報収集を兼ねて近辺のエサ・釣具店を利用すると便利だ。両店とも泉佐野一文字と周辺の情報にも精通している。

Tポート貝塚店
フィッシングマックス二色の浜店

▼この釣り場について
葵渡船

岸和田一文字の特徴

岸和田一文字は沖にある沖一文字(正式名称:阪南第2区北防波堤)と旧一文字(正式名称:新西防波堤)の総称で、阪南港港湾計画の中に組み込まれた沖波止である。両波止の特徴は岸和田渡船のホームページと、店舗のPOPに解説が載っているが、主な特徴は以下のとおり。

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岸和田沖一文字広域図(作図:WEBライター・伴野慶幸)

沖一文字(沖の北)

人工島「ちきりアイランド」の造成が進んでおり、北端の全長700mの垂直ケーソン構造部分が沖一文字(通称「沖の北」)と呼ばれている。船着き場は1か所のみで、水深は10mほど。

外向き(沖向き)は高くなっており、幅も1mぐらいと狭く、海面との高低差は約5mなので安全面には特に注意し、タモ網の柄は6m以上ほしい。所々に外向きに上るための梯子が立てかけてあるが、固定されていないので、上る前には必ず梯子の立て掛け方と脚の接地面を確認して、十分に注意する必要がある。波止際の水深は干満にもよるがおよそ8mから10m。潮流は波止に概ね並行して南北に流れる。

内向き(陸向き)は足場が広く、海面との高低差は約2mなので安全度は高い。内向きの船着き場から少し南側にはオイルフェンスが張られており、そこから南側(人工島根本方向)は潮通しが悪くなっているので、内向きの釣りはオイルフェンスから北側(先端方向)をお勧めしたい。外・内とも手前から沖10mぐらいまでは海底に基礎石が詰まれており海底は粗い。

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岸和田沖一文字から南方向を望む(提供:WEBライター・伴野慶幸)

旧一文字

沖一文字よりも陸側に在する全長1260mの垂直ケーソン構造の沖防波堤で、船着き場は北端の赤灯台から順に2番、3番……と番号を付けて6箇所ある。乗船前に何番で降りるか船長に告げておく必要がある。

沖一文字同様に沖向きは高くなっているが、梯子が少なく内向きとの高低差も大きい。さらに足元も悪いので、沖一文字よりも安全には一層気を配りたい。波止際の水深はおよそ5mまで。

潮流は波止に概ね並行して南北に流れる。

内向き(陸向き)は新一文字と同様に足場が広く、海面との高低差は約2mなので安全度も高く、全域で釣りが楽しめる。

外・内とも手前から沖5mぐらいまでは海底に基礎石が詰まれており海底は粗い。近年は人工島の造成が進み旧一文字周辺の海流が影響を受けたようで、旧一文字の釣果は新一文字よりも劣る傾向にあるが、時期や釣り物によっては好釣果が得られ、有名な地元の常連グループも好んで渡る波止でもあるので、またまだ捨て難い釣り場である。

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岸和田旧一文字から北方向を望む(提供:WEBライター・伴野慶幸)

中波止

岸和田漁港と岸和田貯木場を守る垂直ケーソン構造の短い2本の防波堤で、船着き場は各1か所。陸地からは至近距離にある。足場は広く、水深は3mまでと浅い。タモ網は5mあれば十分。

泉佐野一文字の特徴

泉佐野食品コンビナートのすぐ沖に存在する「くの字」の形をした全長約650mの防波堤で、正式名称は阪南港泉佐野沖防波堤。船着き場は北端の灯台(1番)から順に2番、3番……と番号を付けて6箇所ある。なので、乗船前に何番で降りるか船長に告げておくこと。

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泉佐野一文字の釣り場風景(提供:WEBライター・伴野慶幸)

外向きは高くなっているが、大人であれば自力で上がれる程度の小さな高低差で、外向き・内向きともに足場がよく釣りやすい。タモ網は5mあればいい。水深は3mまでと浅いので、潮通しのいい北端の赤灯台周りと、潮流に変化のある波止がくの字に折れ曲がっている角付近が人気のポイントとなっている。

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泉佐野一文字広域図(作図:WEBライター・伴野慶幸)

岸和田一文字の釣り物&攻略法

マニアックな中波止を除く各波止では、上級者から初心者・ファミリー層まで、レベルに応じた四季折々の人気の魚が狙える。代表的なターゲットは次の通り。

沖一文字・旧一文字

春:エビまき釣りのチヌ・ハネ、フカセ釣りのチヌ、ズボ釣りでガシラ

梅雨から夏:ヘチ釣り・落とし込み釣りのチヌ・カンダイ、半夜の電気ウキ釣り・コスリ釣りのチヌ・ハネ・アコウ、タコジグ・タコエギでの波止タコ、ルアーでのシーバス・ツバス・ハマチ

秋:ヘチ釣り・落とし込み釣りのチヌ、ルアー・ノマセ釣りでの青物・ハネ、サビキ釣りでのアジ・サバ、フカセ釣りでの波止グレ、半夜釣りのタチウオ

冬:エビまき釣りのチヌ・ハネ、投げ釣りのカレイ

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冬場のなげではカレイが狙える(提供:WEBライター・伴野慶幸)

ただし、潮流の関係で、夏から秋にかけての青物は旧一文字では分が悪いようだ。また、冬の投げ釣りのカレイは、サオは3本までに制限されているのでルールを守ってほしい。

中波止

四季を通じてエビまき釣り、夏に半夜の電気ウキ釣りで、チヌ・ハネ

泉佐野一文字の釣り物&攻略法

岸和田一文字とほぼ同様だが、タコ釣りは禁止されており、冬の投げ釣りのカレイは、サオは3本までに制限されているので、それぞれルールを守ってほしい。

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秋には良型のアジが狙える(提供:WEBライター・伴野慶幸)

渡船利用時の諸注意

渡船利用は本来自己管理のもとに成り立っている。乗船時には、救命胴衣の装着が義務付けられているほか、まだまだ予断を許さない新型コロナウイルス感染防止対策として、マスクの着用や釣り人同士のいわゆる三密行為を避ける行動が求められる。釣り人が集中する渡船手続きと船内でも周りへの気配りが必要だ。多客時には船長やスタッフの対応にも限界があるので、下調べをして得られる情報をもとに、スムーズな乗船に協力してほしい。

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事前に調べてスムーズな乗船を(提供:WEBライター・伴野慶幸)

また、季節によっては水分補給に充分気を配り、熱中症や脱水症状対策も怠れない。アルコール類や甘味の強い飲料は避けて、薄目のスポーツドリンクやお茶系の飲料を十分に持参して、こまめな水分補給を心がけてほしい。

あと、つい見逃しがちなのがゴミ対応。サビキ釣りやエサ釣りではどうしてもゴミが生じる。水分補給のためのペットボトル飲料などもしかり。釣行の際はビニール袋の持参もお忘れなく。ただし、波止の上にゴミ箱はないので、必ず各自で持ち帰るように。その他の個別の渡船の注意事項はホームページを確認してほしい。

<伴野慶幸/TSURINEWS・WEBライター>

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