釣具店で手軽に入手できるイクラ、ミミズ、ブドウ虫に、最も食いの良い川虫と、渓流釣りのエサは様々。今回は、具体的にどのようなエサがお勧めなのか紹介したい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

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川虫は抜群のエサ

川虫とはカゲロウなどの水生昆虫の幼虫である。今年は、昨年の豪雨で災害の発生した河川では、川虫が激減し、生育状況もかんばしくない。河川災害の少なかったエリアで採取するか、市販のブドウ虫、ミミズ、イクラを代用することになりそうだ。

渓流魚の目先を変えるためにも、2種類以上のエサを持参しておこう。もしも川虫を採取することができれば、大げさかもしれないが釣果も約束されるだろう。

キンパク

3~4月上旬の春に多く発生するカワゲラの一種で、体長10~15mmで黄色く、やわらかいために、食い込みもよく、春のエサとしてはピカイチだ。

【九州2021】渓流釣りの代表的「エサ」7選 使いどころと採取方法
キンパク(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

ザラ瀬と言われるひざ下程度の小砂利が敷き詰められた早瀬に多く生息している。下流側に網を立てて足で川底をかき混ぜると、一度に数十匹採れることもある。ただし、自生する場所としない場所のムラがあるので、まずは、気になる場所に出向いてやってみることだ。

あまり黄色味の少ないカワゲラもいる。私はギンパクと呼んでいる。やや食いも落ちるが、釣れないわけではないので、キンパクが採れない場合に代用としている。

ヒラコ(ヒラタカゲロウ)

石の表面に張り付いており、軟らかい体で、魚もご飯を食べる感覚なのか、警戒心もなく食い込む素晴らしいエサ。

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ヒラコ(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

4月上旬までは、早瀬ではなく、比較的流れの緩い瀬がよく、拳大の石を持ち上げると大型なヒラコが採れる。ただし、弱虫と呼ばれ、弱りが早く、保管も難しい。

4月中旬からは、早瀬や荒瀬の白泡の立つような石表面につく。春に採れるヒラコとは異なり、体がやや硬く生命力もあるので強虫と呼んでいる。手やスポンジなどで、石表面を優しくなぞると下流に置いた網に採れる。

エサ箱内は、やや湿り気味に硬く絞った水コケを敷く。気温上昇にも大変弱く、ステン製のエサ箱で、閉め蓋の裏に小型の保冷剤を張り付けると長持ちする。

ピンチョロ

ピンピンとも呼ばれており、小魚のように遊泳する。里川的な本流で、流れに通じる水溜まりに多く生息している。

九州では4月に多く見かけ、取っ手付きの網ですくいとる。一度に100匹近く採れることもあるので効率もよい。軟らかな体で泳ぐ虫のために、誘い効果もあり、食い付きが良い。

クロカワ虫

体長20~30mmの黒色でくちばしがあり、手に持つと噛みつく場合があるので注意してほしい。本名はトビゲラとも呼ばれ、本流域や少し濁りの入った里川で、良型・大物狙いで、積極的に使用したい。

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クロカワ虫(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

一方で、渓流域では食いが芳しくないことも留意しておきたい。瀬肩や瀬脇の水通しの良い緩い流れで石裏に巣を作って生息している。

一度に大量に採取すると、互いに噛み合って絶命してしまう。気温上昇にも大変弱く、首掛けの竹籠製のエサ箱に多くのヨモギを入れ、休憩時などで、定期的に水流に浸しながら釣ると長持ちする。

イクラ

解禁直後の初期と禁漁前の後期は、特に食いが立つ。イクラの中身が弾けて水中に匂いが漂い、渓流魚も本能的に狂うようにイクラを漁り始める。イクラのポイントは、流れの緩い淵が良く、何度もイクラを投入したり、流し切りで空アワセすることで集魚効果となり、1か所で粘る釣りになる。

イクラは、べた付いたり、ハリ持ちも悪いので、小麦粉をまぶすと改善する。ハリには、3粒程度、皮を掬うように刺す。釣り用イクラではなくて、鮮魚店で売られている生イクラがよいだろう。

ブドウ虫

乳白色の蛾の幼虫で、常に釣具店で売られている。体長20~30mm程度で、軟らかく、目立つ色から食い込みもよく、ブドウ虫専門の釣り師もいるほどだ。ただし、1箱600円前後と高価。

【九州2021】渓流釣りの代表的「エサ」7選 使いどころと採取方法
エサのつけ方(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

オールシーズン使える万能エサだが、特に朝夕のマヅメ時や水生昆虫が羽化する初夏以降の源流~渓流域で使うと釣果も上がるだろう。

ミミズ

言わずと知れた川釣りのエサとして名高く、アピールする動きと動物性たんぱく質で淡水魚を惹きつける。特に、野生のミミズが多く発生する5~6月以降は外せないエサであり、雨後の濁りと増水時に使用すると爆釣する場合がある。

尺物釣りにも外せない。

市販ミミズでも十分釣果も得られるが、匂いの強い天然ミミズが確保できるなら、なおさら良いだろう。天然ミミズは、周囲に牛舎などがある田畑には多く生息している。

<週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース西部版』2021年3月12日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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