"エギングの春到来"一年をかけて大きく育ったアオリイカが浅場に上がってきてキャスティングでの射程内に入ってくる。ここではこの春アオリイカエギングの基本を解説する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 編集部)
春アオリ狙いのエギング
昨年の初夏に生まれたアオリイカは、秋は安全な湾内や漁港に居て水温の低下とともに沖の深場へと移動する。これは海水温が13度以下になると、アオリイカは生きていけないため。そして、海水温が徐々に上がるに連れて、浅場に移動してくるようになる。
アオリイカが浅場に上がってくる理由は、産卵のため。水深が浅い浅場は、日中の日差しの影響を受けやすく、海水温の上昇が沖よりも早い。地形が湾状の場所や漁港内などは特に影響されやすい。アマモなどの海藻に卵を産み付けるため、砂場の藻場が点在するエリアはベストな場所。

なお、資源保護の目的でこの期間、アオリイカの採捕を禁止している地域があるため、釣り場選びは十分に注意を。
春アオリのポイント
狙う場所は、前述した砂場に藻場が点在した所や潮通しがいい場所。アオリイカがエサにしている小魚が回遊しやすく、その潮に乗ってアオリイカも回遊する。海面に川の流れのように波立った潮の流れが「潮目」と呼ばれる所だ。潮目ができる所は風の影響で岸に近寄ったり、離れたりと違ってくるが、潮通しがいいという環境は通年変わらない。
昨年実績がある場所は本年も期待できる場所になる。漁港の波止先端は、やはり潮通しがいいため人気も高い。

エギを投入する所は砂場に藻場が点在している所なら、藻場との間にある砂場。潮目なら、潮目を飛び越して動かしているエギが通過するようにする。
活性の高いアオリを狙う
基本的には「やる気のあるアオリイカ」を狙っていく。アオリイカは岩礁などに付く生き物ではないので、海底から浮いて泳いでいることがほとんど。エギもキャスト後にボトムを取った後は、ロッドアクションで跳ね上げると後は中層でアクションして、反応するアオリイカを取っていく。
潮の時間帯を考えながら港や地磯など広範囲を移動し、エギをキャストしていくことで、より多くのアオリイカに出会うことに繋がっていく。マヅメ時は潮待ちして回遊してくるアオリイカを狙うことも有効。
ラン・アンド・ガンでやる気のあるアオリイカを取っていく、回遊待ちして狙うなどそれぞれのスタイルで楽しめる。
春アオリの釣り方
アオリイカの基本的な釣り方を解説しよう。

ボトムを取る
キャスト後にエギを海底に一度落とす。これを「ボトムを取る」という。エギが海底に着いたか、着いていないのかはミチイトの張りで判断する。ピーンと張っている時はエギが沈む最中なのでミチイトはリールのスプールから引き出されており、そのためミチイトが張っている状態になっている。
その後、エギが着底するとミチイトの放出が止まるため緩む状態になる。
誘い
ボトムを取った後は、ロッドをシャクってエギを跳ね上げるようにアクションさせる。このロッドの操作がエギングで最も特徴的なロッドアクションだ。海中でエギは左右にダートしながら動き、アオリイカにエギの存在をアピールする。
リールのドラグはロッドをシャクった時にエギが水の抵抗を受け、一瞬「ジッ!」と鳴る(イトが出る)くらいに調節しておく。
海中でのエギの様子や藻場の位置などを把握するため、偏光サングラスがエギングでは必須アイテムになっている(偏光サングラスは、海面のギラつきを抑制して海中も見やすくなり、また、日差しから目を保護する役割もある)。
アワセ
エギを跳ね上げて中層で止まっている時、または沈んでいる時にアオリイカは触腕を伸ばしてアタックしてくる。その様子が見えている時は、アオリイカがエギを抱いた時に思い切ってロッドをあおってアワセを入れる。エギのハリ部(カンナ)にはカエシがないので、ロッドはあおった姿勢のままキープしてミチイトが緩まないようにする。
水深が深い所でエギが捕食されている様子が見えていない時は、ミチイトが横に走ったり「コンッ!」とアタリが伝わったり変化があるので、違和感があった時は思い切りアワせる。
取り込み
アオリイカの引きは「ジュッ!ジュッ!」とジェット噴射するような手応えがある。取り込みは足1本のみハリ掛かりしていることもあるので、タモや専用のギャフを使用する。

<週刊つりニュース西部版 編集部/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース西部版』2021年4月23日号に掲載された記事を再編集したものになります。The post 【九州2021】春アオリイカエギング入門 ポイント選定&基本の釣り方 first appeared on TSURINEWS.