魚の重さは重要な要素といえる。特にライトラインを用いるライトゲーム対象魚は、魚種ごとのサイズと重さのおおよその関係を知っておきたい。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

今さら聞けないライトゲームのキホン:魚の「重さ」とライン強度...の画像はこちら >>

魚の重さを知るメリット

ライトゲームではPEライン0.2~0.4号程度を一般に用いる。4~6lb程度だ。この強さとなると相当なもので、1lbが450g程度として、ライン本線の強度を考えると、PE0.2号でも1.7kg程度の負荷に耐える。これは、仮に1.7kgのものを垂直に吊り下げても切れない、という意味だ。

ただし実際にはリーダーとの結束で強度が落ち、またライン自体の消耗でも強度が落ちるため、どれだけいい結束が組めていても、ラインの張力限界はメーカー表示の7割程度と思っておいた方がいい。

PEライン

とはいえ、実際PEラインを使うライトゲームで、1kg級の魚を抜き上げるシーンはほとんどないだろう。たまにメバルでも信じられないくらい重く思える個体がいるが、後述するように22cm級とちょっといいサイズでもメバルは160g程度とそこまで重くない。

問題は抜き上げ時の瞬間的な負荷だ。一気に抜き上げできればいいが、よくあるのが、中途半端な抜き上げとなって、宙にぶらさげた状態で魚がドシンと下に落ちてしまうこと。ここで切れることがある。同様の状態で魚に暴れられてしまうと、ここでも切れる。

では、抜き上げさえうまくできれば、魚の重量は問題にならないか。そんなことはない。

PEも0.2号台になると、「なんで?」と思うようなタイミングで切れることがある。

おそらくドラグがうまく滑らないと摩擦に弱いという欠点が結束部分でモロに出てしまい切れるのだろう。そのような意味で、確実な取り込みを考えたとき、魚の重量の情報は重要だ。

エステルライン

また何より魚と重さとの関係が軽視できないのは、エステルラインである。水なじみはいいが、0.3号でも1.5lb前後と、号数に対して張力限界が低いのが難点のエステルライン。エステルがメインラインとなるアジングでは、魚の重量がわかっていなければ、抜き上げで切れることがよくある。

アジの重さ

と、前置きが長くなったが、ここからはシンプルに魚の重さについて解説したい。

今さら聞けないライトゲームのキホン:魚の「重さ」とライン強度の関係
アジ26cm抱卵個体は160g(提供:TSURINEWSライター井上海生)

こちらは先日大阪南港で釣ってきた春アジ、卵持ちである。26cmと良型。ベイトは確認できなかったが、おそらくプランクトンだと思う。そのため、ベイトフィッシュを食べているアジと比べるとたぶん軽いが、それでも、160g程度しかない。

ちなみに私がこのアジの抜き上げで使用していたのはエステルライン0.2号(1lb)、リーダー3lb。結束で強度が落ち、おそらく現実的な張力限界は300g程度だろう。それでも高さ5mくらいの足場から、思い切ってドラグを締めてずり上げるように抜くと、問題なくいけた。ちなみに釣った良型10尾、確実に獲れている。

ただ、この翌日の最後の魚は、おそらくほとんど同じ型で、目前で切れてしまっている。万全にいくなら、20cm後半級のアジで高さが5m以上なら、0.25号を張るべきか。

ライトゲーム対象魚の重さ

その他、カサゴ22cm級で146g。

今さら聞けないライトゲームのキホン:魚の「重さ」とライン強度の関係
カサゴ22cm級は146g(提供:TSURINEWSライター井上海生)

メバル22cm級で173g。

今さら聞けないライトゲームのキホン:魚の「重さ」とライン強度の関係
メバル22cm級は173g(提供:TSURINEWSライター井上海生)

タケノコメバル35cm級で377g。

今さら聞けないライトゲームのキホン:魚の「重さ」とライン強度の関係
タケノコメバルは35cm級で377g(提供:TSURINEWSライター井上海生)

カサゴ、メバルはエステル0.2号で抜いている。タケノコメバルはボトムで掛けたときに引きの感触からアジではないと分かったので、強めにドラグを入れ直してほとんど力で巻き上げたが、魚の重さ+水圧がかかっても、水面に浮かせるところまでは耐えた。

ちなみにこの翌日、40cmのキビレも同じエステル0.2号で獲っている。根に潜られない限り、エステルも浮かせるところまではなんとかなる。ただ魚の重さが300g以上となると、取り込みにはタモが必要だ。

魚はそんなに重くない

経験上、ドラグを使えばエステルラインの張力限界は相当補えると知っていたが、計測してみて、実際に魚の重量がこれくらいしかないのには驚いた。これならほとんどドラグフルロックでも獲れそうなものだが、まあ、でも暴れられたときの瞬間的な力は怖いのでそれはできない。ちなみに尺アジも200g程度までだと聞く。

釣ったらまた計測してみたい。

最後に。今回の魚は、アジを除いてすべて抱卵していない。抱卵している個体は極端に重くなるので、エステルでは絶対に抜き上げてはいけない。私の直近の失敗からいえば25cm級のメバルは、おそらく抱卵個体ではないがエステル0.2号で1m程度の足場でも重くて切ってしまった。大型はラインの力を過信せずに、タモ入れすべきだろう。

<井上海生/TSURINEWSライター>

The post 今さら聞けないライトゲームのキホン:魚の「重さ」とライン強度の関係 first appeared on TSURINEWS.

編集部おすすめ