オイカワ釣りで好釣だった二本毛バリ『テンカラ』。ヤマメ釣りにも通用するか、盛期を迎えた渓流で試した。

埼玉県横瀬町の横瀬川C&R区間での釣りをリポートする。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小島満也)

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横瀬川

オリジナル仕掛け『二本毛バリ・テンカラ』でヤマメに挑戦【埼玉】
国道299号沿いを流れる横瀬川(提供:TSURINEWSライター小島満也)

釣り場に選んだ横瀬川は、渓流釣り場に事欠かない秩父、荒川水系の支流。飯能・川越方面から国道299号で向かうと、秩父市に入る直前の横瀬町を流れる。所管は秩父漁協(0494・22・0460)。

C&R区間が設けられているのは、生川(うぶかわ)合流点上流の秩父用水路取水口から、西武秩父線「芦ヶ久保駅」前付近までの約1km。国道脇の小渓流だが、釣り場は大岩がごろごろしていたり、民家近くを流れる里川の様相も呈す。

C&R区間の特徴

オリジナル仕掛け『二本毛バリ・テンカラ』でヤマメに挑戦【埼玉】
C&R区間で釣れたニジマス(提供:TSURINEWSライター小島満也)

毎年、漁期が終了する9月以降、漁協によってヤマメの稚魚が区間内に放流され、釣り場が維持されている。もちろん放流魚だけでなく、自然繁殖したヤマメも生息する。

このC&R区間の特徴は、なんといっても未放流のニジマスがヤマメに交じって、高確率でサオを絞ること。河川が増水すると上流に開設されている管理釣り場から落ちてくるからで、中には、40cm近い大きなものも潜むので油断はできない。

さらに、芦ヶ久保駅の改札を出たら、すぐヤマメが泳ぐ釣り場という他に類をみない利便性も特筆すべき点。車窓を楽しみながらの電車釣行には、まさにうってつけの釣り場だ。

レギュレーション

オリジナル仕掛け『二本毛バリ・テンカラ』でヤマメに挑戦【埼玉】
C&R区間に立てられている案内(提供:TSURINEWSライター小島満也)

C&R区間で認められている釣法はフライ、テンカラ、ルアー。レギュレーションはバーブレスフックの使用。毛バリを二本付けての釣りが可能かどうか、事前に秩父漁協へ問い合わせたが、禁止しているのは返し付きフックだけ。

ビク等の持ち込みは、厳禁である。

入漁券について

オリジナル仕掛け『二本毛バリ・テンカラ』でヤマメに挑戦【埼玉】
国道299号に面した観光案内所(提供:TSURINEWSライター小島満也)

入漁料は1800円(税込み)。芦ヶ久保駅前を東西に延びる国道299号に面して立地する「横瀬町ブコーさん観光案内所」で購入できる。観光案内所は同町観光協会が運営しており、館内には各種観光案内用のパンフが所狭しと並ぶ。

入漁券買い求めがてら、釣りはもちろん、C&R区間周辺のグルメや土産品店などの情報も入手するといいだろう。スタッフの皆さんは懇切丁寧である。営業時間は午前8時半~午後5時。休館日は水曜日。

入漁券の付け方

オリジナル仕掛け『二本毛バリ・テンカラ』でヤマメに挑戦【埼玉】
入漁券はしっかり見えるように(提供:TSURINEWSライター小島満也)

参考までに、筆者の入漁券の付け方を紹介する。横瀬川の釣りで購入した入漁券は縦13cm、横7.5cmの紙製で、着衣などに括りつけられるよう上部に細い針金が付いている。多くの漁協組合の日釣り券はこのような形態をしているが、難点は水に濡れると文字が滲んだり、ひどい場合だと券自体が破れてしまうこと。

そこで、筆者は券を折り畳んで、ビニール製のケースに収納、釣りバッグに下げている。こうしておけば水から守ることができ、監視員の方にもすぐ提示できる。ケースは百均で買った名札入れの流用だ。

二本毛バリ『テンカラ』でヤマメ釣り

オリジナル仕掛け『二本毛バリ・テンカラ』でヤマメに挑戦【埼玉】
この毛バリをバーブレスにして使用(提供:TSURINEWSライター小島満也)

さて、テンカラ竿とレベルラインというテンカラタックルによる二本毛バリ釣りが渓流のヤマメに通用するかどうかという試み。これまでの関連記事は以下。

『テンカラ』ステップアップ解説:「二本毛バリ」仕掛けは効果的か?
清流はオイカワ日和 二本毛バリ『テンカラ』で好釣【埼玉・入間川】

今回、使用した毛バリは上に黒色系、下にオレンジボディのいずれも14番サイズ。上下の毛バリの間隔については、谷が狭いこともあり、約30cmとした。

ヤマメ、ニジマスが反応

オリジナル仕掛け『二本毛バリ・テンカラ』でヤマメに挑戦【埼玉】
上の黒色毛バリに出たヤマメ(提供:TSURINEWSライター小島満也)

入渓地点はC&R区間の下流、車両車検場の下手に架かる橋梁の右岸。ここは小さな流れ込みと落ち込みが連続し、魚が好んで付きそうなところ。ただ、駐車場所から水辺まで続く進入路は草が踏み固められており、釣り人によるプレッシャーが高そう。

ラインをたるませて、ダウンストリームでキャスト。足元から下流側へと徐々に毛バリを沈めていったところ、「グーン」とラインが引き込まれるアタリ。魚の挙動が手に伝わってきたが、フッキングにせず。上下、どちらの毛バリに出たのかは分からずじまいだった。

その後、ポイントを探り、探り遡行を続け、結果、上の黒毛バリにヤマメ、下の毛バリにニジマスがそれぞれ複数出た。上流に向かってキャストし、毛バリを流れになじませ、竿を立てながら毛バリを手前に寄せてくると、ニジマスが下の毛バリを追尾してくるということが何度かあった。

二本毛バリ『テンカラ』の実験を終えて

トレーラースタイルの二本毛バリ『テンカラ』でヤマメ釣りを試した結果だが、問題なく魚はヒットした。

特に、流速のある瀬や変化に富んだ深場などでは、二本毛バリのどちらかに躊躇なくアタックしてきた。

ただ、課題もあった。それは、水面がフラットなプール状のところにいるヤマメ(ニジマス含む)は、毛バリが二つ着水すると驚いて身を隠してしまい、そのポイントでの釣りを断念せざるを得なかったこと。

また、頭上が開けているような開豁な釣り場であればいいが、樹木の枝が張り出している小渓流での二本毛バリは、ミスキャストすると当然のように毛バリの消耗が増えること。さらに障害物に引っ掛けた毛バリの回収と、新しい仕掛け作りに時間を費やしてしまうことなど。

たった一度の釣行で、結論を出すのは乱暴だが、中規模程度の渓流での二本毛バリなら、効果が得られるのではないかとの感触を得た。課題は本人の技術の未熟さゆえの出現である。研鑽を積んでいきたい。

釣りは面白い!

<小島満也/TSURINEWSライター>

▼この釣り場について
横瀬川

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