常磐沖の夜イカ釣りがスタート。早速出かけてきました。

釣行当日は台風通過直後でうねり高く、厳しい条件下となってしまいましたが、状況にあわせた釣り方にてお土産を確保。釣り方の解説とあわせてレポートします。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

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常磐地方の夜イカ釣り

例年7月上旬頃にスルメイカ狙いで開幕し、お盆過ぎあたりからムラサキイカ狙いにかわっていく、常磐地方の沖釣り代名詞的なターゲット。集魚ライトを使いイカを浅ダナに集めて釣るので効率も良く、イカ釣り入門としても最適。

また、船の周りには光に集まってきたプランクトンを追って小魚が集まり、更にそれらを追って中型魚、大型魚が集まり……天然の食物連鎖が目の前で繰り広げられる光景は圧巻の一言。他の船釣りとはまた一味違った趣が味わえるのもこの釣りならではです。

ムラサキイカとは

正式名称はアカイカ。地域によりゴウドウイカやバカイカと呼ばれているそうです。胴体はその名の通り紫色をしていて、最大で60cmにもなる、釣りの対象としては比較的大型のイカ。

正式名称がアカイカという事で、関東地方でアカイカと呼ばれるケンサキイカと混同しがち。実際、ムラサキをたくさん釣りすぎてしまい九州出身の女性にお裾分けした際に、少々混乱させてしまった事も過去にありました(汗)。

<実際のやり取り>

私:ムラサキイカというイカたくさん釣ったんだけどいる?
九女:さきイカ好きです!
私:あ、いや、正式名称アカイカというイカがたくさん釣れてしまいまして……
九女:お刺身にして超美味しい高級なやつですよね!いりま~す!!
私:ケンサキイカじゃなくて……ムラサキイカ……

イカの名前は地方によってたくさんありすぎてややこしいですね……。

過去には余裕の3ケタ釣果も

下の写真は2013年、那珂湊のかもめ丸にて初挑戦した時のもの。釣り、ではなく作業に夢中になってしまい、途中から数えるのをやめてしまいました。

常磐沖で「夜イカ釣り」スタート 荒れた海でも柔軟な竿&タダ巻きで好釣
100杯位!(2013年撮影)(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

しかし、船宿のおかみさんからは「少ないな~」とまさかの一言。

因みにこの時のトップは300位だったと記憶しています。

ムラサキイカのタックル

状況により80~150号(LTは50~80号)を使い分けているので、これに対応した竿。特にこれといった指定はないので、しゃくり重視で硬めでも良いし、バラシ防止で軟らかめを選んでも良いです。しかし、ウネリがある時はバラすリスクが高まるので軟らかめが断然有利。状況を見極めて選んでください。

リールはPEライン3~4号(LTはPEライン1号)を100m以上巻いたもの。8月であればイカはまだ小型中心なので手巻きでも問題ないのですが、9月後半にもなるとイカのサイズは一回り大きくなるので電動一択。

更に年にもよりますが、ロングランで11月頃まで続く場合、ムラサキイカは3kg近くまで大きくなるため、パワーのある電動リール(ダイワなら500番クラス)が必須となります。

ムラサキイカの仕掛け

仕掛けは布巻スッテ2.5~4号を3~5個、幹糸8~10号にブランコか直ブラで付けるのが標準。サバが多い時はもちろん直結が有利なのですが、ムラサキイカ、スジイカ共に比較的大きいスッテにも乗ってくるので、4~5号の大きめのスッテを使っても経験上サバ除け対策になります。

常磐沖で「夜イカ釣り」スタート 荒れた海でも柔軟な竿&タダ巻きで好釣
イカヅノマットもあると便利(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

また、水中ライトは必須。緑か青の点滅式が間違いないでしょう。ちなみに赤は意味がないのでチョイスしないように。

常磐沖で「夜イカ釣り」スタート 荒れた海でも柔軟な竿&タダ巻きで好釣
イカメタルの釣り座は船首付近(お隣の幸栄丸より)(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

イカメタルも同船でOKとの事。

釣り座は船首限定なので、予約時に伝えるようにしましょう。

ムラサキイカの釣り方

釣り開始時の水深は60m位で、深くても80m。終盤は20m位まで上がり、爆乗り時には水面までイカが追ってくる事もあります。船中、効率よくイカを釣るためにできるだけタナを上げたいので、必ず船長より「指示ダナより落とさないで」とアナウンスが入るはず。このため、リールはカウンターがついていた方が安心です。

仕掛けを落として指示ダナに到達したら、ゆっくりシャクりながら巻いていき、乗ったら低速で巻いていきます。アタリは明確。シャクっているとそれらしい重量感があり、更にグイグイ引きます。乗りが良い時はシャクらず、低速タダ巻き(一定の速度で巻く)でも十分対応可能。軟らかい竿なら指示ダナまで落とし、竿をキーパーに固定したままゆっくり巻くだけもOK。

更に爆乗り時には仕掛けを落としている最中にイカが乗ってしまい、指示ダナまで到達しません。こうなるともう釣りではなく、「作業」になってしまいます。

大荒れの鹿島沖

不動丸のHPを見てみると常磐沖でのムラサキイカ釣りがスタートし、連日スジイカ交じりでトップ200越えと好調の様子。早速予約して出かけるも、当日は台風が過ぎ去った直後でうねりがまだ残っている状況。

船は速度を抑え、約2時間かけてポイントに到着です。海が荒れる中、パラシュートアンカーを入れ、集魚ライトを灯して釣りをはじめるものの、イカの活性もイマイチ。途中雨も降りだし、鹿島沖は修行を通り越し「荒行の場」となってしまいました。冒頭で「イカ釣り入門に最適」と書いておきながら、この日は真逆の展開です。

軟らかい竿が有利

ウネリがある事から、硬い竿を使っている方はバラシ連発で直結は問題外の状況。このような中、私は2.4m、6:4の胴に乗る軟らかめの竿をチョイスしていたので、低速タダ巻きで何とか数を重ねていきます。

常磐沖で「夜イカ釣り」スタート 荒れた海でも柔軟な竿&タダ巻きで好釣
ウネリのなか奇跡の3点掛け!(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

偶然にもウネリを上手く利用した事により、ダダ巻きでも十分シャクリ効果はあったようです。

時間が経ってもタナは上がらず

出だしのタナは60m。時間の経過とともにタナは上がっていくはずなのですが……この日は一向に上がらず。うねりも収まる気配は全くなく、むしろ酷くなりつつあり、釣りづらい状況は続きます。

常磐沖で「夜イカ釣り」スタート 荒れた海でも柔軟な竿&タダ巻きで好釣
身切れが多いので巻き上げは低速厳守!(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

船中、船酔いによるリタイアも続出。船首でやっているイカメタル組は特に大苦戦のようでした。

9時半に早上がり

終了予定時刻は11時ですが、船長「あと10分で今日は終わりにします、帰れるうちに帰ります」と、早上がりを決断。「え~」と言いたいところですが、この日は恐らく全員納得の決断だったのではないでしょうか。

常磐沖で「夜イカ釣り」スタート 荒れた海でも柔軟な竿&タダ巻きで好釣
何とかお土産にはなりました(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

私も正直な所、ホッとしました。

釣りは自然相手ということを改めて思い知りました。良い日もあれば、こういう日もあるということです。

最終釣果

悪い状況ながらも、ムラサキイカ5ハイ、スジイカ20ハイの合計25ハイ。個人的な感覚ですが、特に身が軟らかいムラサキイカは乗っても半分以上、ひょっとしたら7~8割近くバラしたのではないかと思います。その結果、連日の好釣果には遠く及ばない釣果となってしまいましたが……これでも船中竿頭に近い釣果でした。

常磐沖で「夜イカ釣り」スタート 荒れた海でも柔軟な竿&タダ巻きで好釣
ジップロックに入れてクーラーへ(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

勝因、と言えるかどうかはわかりませんが、「軟らかい竿」と「低速ダダ巻き」が功を奏した結果だと思います。いや~疲れました。次回はせめて凪の日に当たりたいものです。

イカ料理を堪能

苦労して釣ったムラサキイカとスジイカ。食味に関しては一般的にスルメイカやヤリイカと比べて劣るとされていますが、上手く特徴を生かして作れば、言うまでもなくとても美味しいイカです。

常磐沖で「夜イカ釣り」スタート 荒れた海でも柔軟な竿&タダ巻きで好釣
釣行翌日に作った4品(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

我が家の子供達はイカフライが大好きなので、肉厚があって火を通しても軟らかいムラサキイカは特に重宝。今回は食べる分だけ捌いて、後は冷凍保存しました。

ムラサキイカは塩辛にしても美味しい!ムラサキイカは肝が立派なので、こういう一品も試したいところ。

冷蔵庫で2~3日熟成させると食べ頃です。

常磐沖で「夜イカ釣り」スタート 荒れた海でも柔軟な竿&タダ巻きで好釣
ムラサキイカの塩辛(2013年撮影)(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

イカ刺しで一杯やりたいのであれば、スジイカがおすすめ。釣行翌日限定の一品となってしまいますが、鮮度が良いうちならとても美味しく頂けますよ。

常磐沖で「夜イカ釣り」スタート 荒れた海でも柔軟な竿&タダ巻きで好釣
スジイカのイカめし(2015年撮影)(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

ムラサキイカと同じく、火を通しても軟らかいスジイカ。比較的小型(大きくても20cm程度)のスジイカは、サイズ的にイカめしにすごく適していると思います。大根やサトイモと一緒に煮物にしても良いのですが、小さい子供がいる我が家ではこちらの方が断然人気!おすすめレシピです。

<尾崎大祐/TSURINEWSライター>

▼この釣り船について:不動丸
常磐沖で「夜イカ釣り」スタート 荒れた海でも柔軟な竿&タダ巻きで好釣

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