タモの折りたたみなどに使用するタモジョイント。この部品ですが、劣化して交換しようしても、外れないことがあります。

原因は、多くの場合、「塩噛み」。きれいに取り外すためには、熱湯とサビ取り剤が必要です。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

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タモジョイントが破断

筆者の直近の経験なのですが、先日、釣り場でタモジョイントが突然断裂しました。

今さら聞けないルアー釣りのキホン タモジョイントの『塩噛み』対策
断裂したタモジョイント(提供:TSURINEWSライター井上海生)

部品的にも一番細い、いかにも弱そうな部分の断裂です。こうなってしまうと釣り場では無用の長物と化してしまうので、往生しましたが、まあその日はでかい魚も幸か不幸か釣れなかったというかバラしたので、いいとしましょう。

しかし、問題は、交換です。普通に外そうとしても、まったく回りません。

原因は塩噛み

サビ取り剤を吹いてレンチで回して、とやってみたのですが、ある時点から一向に進まなくなります。ここで、理解しました。「原因は、塩噛みだ」「タモジョイントの塩抜きが全然できてなかったんだ」と。

これ以上、レンチの力でやると、シャフト側のねじ切りが潰れてしまう危険があるかもしれません。ということで、力ではなく、頭を使うことにしました。塩を溶かすには、そう、熱湯です。

塩噛みしたタモジョイント外し方

以下、塩噛みしたタモジョイント(などの金属部品)を外す手順を紹介します。

必要なものは、熱湯と湯を入れる容器、そしてサビ取り剤、レンチです。

1、熱湯につける

塩分は熱湯で溶けます。そこでお湯を沸かして、そこにタモジョイントを浸けました。

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タモジョイントを熱湯に(提供:TSURINEWSライター井上海生)

2、5分放置

湯につけた状態のまま、5分ほど放置します。

3、サビ取り剤を吹く

お湯から取り出して湯を切り、自然乾燥させたら、サビ取り剤を吹きます。

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サビ取り剤を吹く(提供:TSURINEWSライター井上海生)

4、5分放置

サビ取り剤が浸透するまで、5分程度放置します。

5、レンチで回す

最後はレンチで回すだけ。塩が溶けてサビが浮き、簡単に回るようになります。

内部まで塩がビッシリ

外れたタモジョイント、シャフト側の内部を見てみましょう。

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ねじ切りに塩噛み(提供:TSURINEWSライター井上海生)

こうして見てみると、すごいですね。ねじ切りに白いものが付着して、ガッツリ塩噛みしてしまっています。これでは金属部分も劣化するでしょう。また私は、このタモを、本当にしょっちゅうあっちこっちにぶつけていました。それでも3年持ったのだから、いいところです。

ちなみにこの記事を書く3日前に、ついにタモの枠の部分がポキンと折れ、寿命を迎えました。タモ、タモジョイントは、ソルトである程度使うなら、「いずれ使えなくなるときがくる」と思って、こまめに点検し、また時期を見て交換を考えるべきでしょう。

力技でなく「理屈」で取る

「ルアーフィッシングはすべて”理屈”だ」と私に釣りを教えてくれた、ある人が言っていました。「バックラッシュも”理屈”でなる。”理屈”を辿れば、必ず外せる」というわけです。その言葉は私の頭に結構しっかりと残っています。

確かにルアーフィッシングというのは、レンジとか通し方とかアクションとか、そういうものを研究して、自分の中で魚の反応を理屈で結びつけていくものだと思います。

そしてそのような科学的な態度というか考え方は、釣りをちょっと離れたところでも通用するようです。

今回のタモジョイント、シャフトの塩噛みも、力技でなく、「理屈」で取ることができました。熱湯で塩を溶かし、サビ取り剤でねじを回しやすくする、ある種、クラシックなサイエンスです。みなさんも釣具に関して何か困りごとが生じたときには、「そうなった原因」を科学的に考えて、対処してみてはいかがでしょうか。

<井上海生/TSURINEWSライター>

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