2021年の竿納めに沼津の我入道へ釣行。釣行リポートとともに釣ったフグを調理してくれるお店も紹介しよう。

意外や意外、サバフグは想像以上の美味さに大満足だった。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

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沼津はサバフグだらけ?

当初沼津港の船宿からオニカサゴを釣りに行く計画を立てていたが、船宿に問い合わせるとサバフグに仕掛けを切られるので出船を見合せているとのことだった。

次に我入道浜の「貸しボートみさお」に電話すると「今年はサバフグが異常に多い。例年いるが今年は特に異常!」と、こちらもサバフグに悩まされている印象だった。しかし今夏に当地で大物をバラした悔しさが忘れられず、今度こそはと2馬力船を予約することにした。

営業時間は日の出から11時までで、今の時期の出船は6時以降になる。


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当日の状況と仕掛け

2週間前に予約したので天気が気になったが、当日12月11日は晴天でベタなぎ。暖かな一日で運に恵まれた。

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晴天ベタなぎの当日(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

当日のポイント&作戦

ポイントは水深50~60mの深場でコマセを使用したマダイ&青物狙いと胴つき仕掛けにサバの切り身やキビナゴで根魚を狙う五目釣りで挑むことにした。

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準備したエサ(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

尚、マダイ用の市販の仕掛けはサバフグに秒殺されると財布やメンタルにも悪影響を及ぼすので、ビーズ類を付けない自作仕掛けを多数用意した。

タックル&仕掛け

マダイ用に準備したタックル。

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マダイタックル(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

根魚狙いに準備したタックル。

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根魚仕掛け(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

1投目からアラ登場

現地には6時前に到着しタックルの準備に取り掛かる。先客の出船待ちで7時ごろ出航。水深58mのポイントに到着。まずは筆者が胴つき仕掛けにサバの切り身エサを付けて投入すると、着底と同時にアタリがきた。

「うそ!?」と思いながらも軽くアワセを入れると水面に姿を現したのはオオスジハタの子供。成長するに従って模様が目立たなくなる。かなり大型になる種類で、30キロを超えるサイズにも。四国以南で見られるハタですが、こちらの海にも生息域を広げてきたのでしょうか。

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1投目にアラをキャッチ(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

ゴボウ抜きで取り込みに成功。妻は「サバエサ最強♪」と大興奮。以前にこの海域でマハタも釣り上げたこともあり、魚種が豊富な海に感謝したい。

サバフグの猛攻スタート

コマセ仕掛けも投入すると、魚群探知機に反応が出てきて期待が高まる。するとモゾモゾとしたアタリを感知。ラインを巻き上げてくるとハリがない。

フグだ!魚探の反応がフグだったことに落胆。気を取り直して再び投入すると今度はPEラインをかみ切られ高切れ。次の投入ではクッションゴムも切られる。

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クッションゴムまで切られた(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

胴つき仕掛けも同様に容赦なくブチブチ切られまくる。妻もPEラインを切られてしまい早くも戦意喪失。これでは釣りにならないとポイントの移動を決断。

ポイント移動でイトヨリ手中

前回妻がマダイを釣り上げたポイント付近にアンカーを下す。数投目に今までと明らかに違う明確なアタリがきた。しっかりアワせて巻き上げてくると自己記録更新の良型のイトヨリが水面に浮上。

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イトヨリが登場(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

しかし、その後もフグの猛攻は続き、他のボートからも「やられた!うわぁー」と悲鳴にも似た様な声が聞こえてくる。それにしても、これだけ釣り人の仕掛けがフグに切られて海底に沈んでいると思うと環境への影響が気になってしまう。

サビキでサバフグ4匹掛け

サバフグの猛攻は続き用意していた胴つき仕掛けがなくなったので、サビキ仕掛けにチェンジすることにしてみた(随分昔に購入した皮付きオーロラサビキを使用)。

コマセカゴは付けずに仕掛けを下すと、着底と同時にガタガタガタガタと明らかにフグと分かるアタリが訪れてきた。一気に巻き上げて良型のサバフグを一荷釣り。

10本バリに4匹掛けでクライマックスとなった。

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サバフグが4連で(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

時刻は10時20分。仕掛けはフグに滅茶苦茶にされたので、これを機に納竿することにした。

最終釣果

筆者はイトヨリ(40cm)1匹、オオスジハタ(25cm)1匹、サバフグ(32~37cm)4匹。妻はボウズで終わったが「釣れなかったけど凄く楽しかった♪」とご満悦の様子だった。

アフターフィッシング

さてサバフグをどうしたものかと悩んだが、私たちは折角釣った魚をみすみすリリースする気持ちにはなれず、一旦持ち帰ってお店で調理してもらうことにした。


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フグ持ち込みで忘年会

急遽、予定外の忘年会を計画することとなり帰宅後すぐに度々利用させていただいている海鮮料理のお店「吟水」に電話で持ち込みの可否を確認すると、快く承諾してくれた。

お店に魚を運ぶと「筋肉にも毒があるドクサバフグの可能性もあるので数人で確認します。もしかしたら提供できないかもしれません」とのことだった。フグ調理師免許を持つプロの方でも見分けが難しく細心の注意を払うこのサバフグ。素人が持ち帰り調理するのは無謀としか言えないので、絶対に素人判断で調理しないようにお願いしたい。

予約していた17時にお店に着くと、フグは無毒だったので料理を提供してくれるとのことだった。筆者も妻もほぼ諦めていたので一気にテンションはMAX。

当日の反省会と来年の釣行計画などを話し合いながら舌つづみを打った。

「吟水」の概要

吟水は、季節の料理に加えてフグやクジラを目玉メニューとしている沼津市下香貫にある雰囲気の良い海鮮料理のお店だ。

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魚を持ち込んだ吟水(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

フグも含めて釣り魚持ち込みOKなので、沼津界隈での釣行後の宴会などにもお勧めだ。サバフグと一緒に持ち込んだアラとイトヨリも刺し身にして貰えた。

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アラとイトヨリの刺し身(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

アラは小型とはいうものの甘みがあり大変おいしく、イトヨリも厚めの切身で食べ応えバッチリで最高だった。

ボート釣りで『サバフグ地獄』 プロの判断&処理で食せば美味天国?
ふぐの唐揚げ(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

そしてふぐのから揚げ。サバフグは水っぽいと言われたが、それが逆にジューシーに感じて筆者も妻も凄く気にいった。

ボート釣りで『サバフグ地獄』 プロの判断&処理で食せば美味天国?
フグちり(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

こちらも絶品の一言だったフグちり。

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雑炊(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

最後は雑炊にしてくれた。

今までテレビの釣り番組などを通して釣った魚をレストランなどで調理してもらっているのを見ると正直贅沢に感じて筆者は敬遠していた。しかし今回自分も試してみたところ流石プロの料理だとつくづく感じたし、釣行後の疲れた体にもうってつけだと思った。これからもたまにはお店で料理して貰ってゆっくりと釣りの余韻に浸りながら思う存分酒を飲みたい。

さらに今回特に自分では調理できないサバフグまでおいしく料理してくれたことには感謝。

2021年の竿納めの釣果は今一つだったけれど、おいしい料理を食べることもできて筆者、妻ともども大満足の釣行となった。

注意事項

改めて書かせていただくが、フグの素人判断での持ち帰っての調理は厳禁。きちんとフグの調理師免許を持った方にお願いすること。


サバフグ被害は釣り人だけにあらず トラフグ漁への影響が不安視 - TSURINEWS

<藤倉聡/TSURINEWSライター>

▼この釣り船について
貸しボートみさお
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