身近な水路や小河川でトップゲームが楽しめるのが魅力の、ナマズのルアーフィッシング。今回はそんなナマズ釣りのタックルや釣り方といった基本的な解説と、最も頭を悩ませるポイント開拓について紹介してみたい。

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ナマズの生態

日本に生息しているナマズはマナマズ、イワトコナマズ、ビワコオオナマズ、タニガワナマズの4種。このうち最も数が多く釣りの対象として認知されているのがマナマズ(以降ナマズ)だ。

ナマズ釣り攻略【厳選ルアー5選&時期やポイント開拓方法など解説】
身近な釣り場で楽しめるナマズゲーム(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

夜行性で主に小魚やカエル、昆虫、ミミズなどを食べる肉食魚。5~6月ぐらいが繁殖期にあたり、春シーズン初期に釣ったナマズは腹に卵を抱えてパンパンになった個体が多い。身近な水路や河川に生息しており、都市近郊の小川や用水路などにもよくいる魚だ。そんな釣り場でビッグゲームが楽しめるのがこの釣りの大きな魅力でもある。

ナマズ釣りのタックル

まずはナマズのルアーフィッシングに最適なタックルを紹介していこう。

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ナマズ釣りタックル&仕掛け図(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)

ナマズ釣りのロッド

M~MHクラスぐらいのバスタックルが流用可能。ラインナップは多くないが、穂先が柔らかく作られているナマズ専用ロッドもバイトを弾きにくく、専門アイテムだけあって使いやすい。

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ベイトタックル(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

スピニングとベイトでは、キャスト精度が必要なシチュエーションが多いので、ベイトの方が向いている。長さはポイント選びにもよるが、小河川や水路をメインにするなら6ftぐらいが最適。

リールとライン

ドラグを駆使する釣りではないので、ベイト、スピニングとも安価なリールで十分。リールよりも重要なのがラインだ。フロロカーボンライン30lb以上か、PEラインなら4号以上。障害物が多い都市型、小規模河川では、ブッシュに引っ掛けたり、水面のゴミを引っ掛けたり、シャローなら水面に露出した粗大ゴミに引っ掛けることもある。

そんなときに強引に引っ張ってルアーを回収するため、これだけの太いラインを使用するのだ。

なおPEラインの場合は、直接ルアーと接続してもいいが、穂先絡みが頻発してしまう。そこで50lb以上のリーダーを30cmほど付けると絡み防止になり、快適に釣りができるだろう。ルアーとの接続はスプリットリング+打ち抜きリングが最強。スナップの場合はクロスロック式が強度が高くお勧めだ。

ナマズ釣りのルアー

ルアーはノイジー系といわれるトップウォータープラグが主流。オールドルアーに分類されることが多いが、ジッターバグやクレイジークローラーなどはナマズゲームにおいて、主力ルアーのひとつといえよう。

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トップウォータープラグ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

他にも各メーカーからさまざまなナマズ専用ルアーが出ているが、そのほとんどがアゴにカップを装備したノイジータイプだ。また、ノイジータイプにスレたときにはフロッグなども使われる。

スピナーベイト

トップにこだわらないのであれば、ブレードのキラキラでナマズを誘引するスピナーベイトやシャラシャラと音を奏でるバズベイトもおすすめのルアー。表層からボトムまで幅広く誘えるので水深のあるポイントで役に立つ。

ワーム

活性が極端に低い場合はワームもおすすめ。3~4inch程度のワームを使い、テキサスリグやノーシンカー、ジグヘッドなどでボトム中心にスローに引いてくるといった攻め方が有効。

ワームはナマズの捕食スイッチを入れやすいシャッドテール系やザリガニ、フロッグ、ミミズなどベイトに合わせて選ぶ。また、真冬なら2inch程度の小型ワームに反応がいいことも。

フックのサイズは1/0程度が基準になる。

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ボトム攻略用ルアー

ワームやスピナーベイト以外にも、ボトム攻略ならバイブレーションでリアクションバイトを誘発したり、ラバージグのボトムパンピングやズル引きが効果的な場面もある。

フックも重要

基本的にナマズ釣りはリリースする人がほとんどだと思うので、フックは必ずバーブレスにしておきたい。これはナマズへのダメージ軽減もあるが、口元が硬いのでカエシ付きだとフックが刺さりにくく、魚の口からもフックを外しづらくなるという問題もあるからだ。

そして万が一人間に刺さった場合も大事故にならなくて済む。また、障害物が露出しているようなポイントでは、プラグ類は上向きのダブルフックにすると根掛かり防止に役に立つ。

おすすめ厳選ルアー5選

ナマズ狙いでおすすめのルアーを紹介しよう。

ジッターバグCF

先程も紹介したが、ジッターバグはノイジー系トップウォータープラグの代表的なアイテムだ。そのジッターバグをスミスがナマズ仕様に改良したものが「ジッターバグCF」。バーブレスのダブルフックが装着されていてフック変更の必要もなく、夜光カラーが採用されているためナイトゲームの視認性も高い。

ジッターバグが出すポコポコ音へのナマズへの反応はよく、ひとつは持っておきたい定番ルアーだ。3/8ozと5/8ozのモデルがあり、低活性時には小さいモデルが効果的な場合もあるが、メインは大きな5/8ozを使おう。

クレイジークローラー

ジッターバグと並ぶノイジー系トップウォータープラグの代表格、「クレイジークローラー」もナマズ釣りの定番アイテムである。

ノイジー系(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

左右にある羽根がバシャバシャとクロールして、ナマズにアピールしてくれる。こちらも小さい「タイニークレイジークローラー」もあるが、5/8ozの通常のものを使おう。

キャタピーソフト

イモムシのような形状をしたルアーの「キャタピーソフト」はソフトマテリアルを採用したトップウォータールアー。ナマズの活性の低い状況ではバイトが1度きりということが珍しくないが、バイト時に違和感を与えない柔らかいボディが食い込みの深さと、その後のバイトも誘発する。

また、ノイジー系とは違いリトリーブ時も着水時も音が出ないのでスレたナマズにナチュラルに誘いたい時に有効なルアーだ。音やフラッシングでアピール効果を高めた「キャタピー」や「キャタピークリッカー」と使い分けると効果的。こちらのシリーズはケミホタルを装着できるので夜間の視認性も抜群にいい。

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Bカスタム

デプスの「Bカスタム」はバス釣りの名作スピナーだが、強度も高くナマズゲームにも使いやすい。スピナーベイトはトレーラーフックを付けるとフッキング率がアップするのでおすすめ。

熟成アクア バグアンツ

エコギア「熟成アクア」のような匂いと味付きのフォーミュラー系ワームは、味覚と嗅覚に優れたナマズには非常に効果的。普通のワームでも釣れるものの、低活性時のボウズ逃れにタックルボックスに忍ばせておいてもいいだろう。

ナマズ釣りの時間帯

続いてナマズ釣りの時間と時期を解説していく。まずは時間帯。ナマズは日没とともにエサを探して行動を開始するので夜のほうが釣りやすいが、バイトシーンを見られるデイゲームも人気がある。昼間は雨のあとや田んぼの通水期などで濁りが入ると活性が上がり狙いやすくなる。また、明るい時間帯は警戒心も高まるのでストラクチャー周りをピンポイントで狙っていくといいだろう。

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ナマズ釣りの時期

時期についてはナマズは一年中狙える魚ではあるが、釣りやすい時期とシビアな時期に分かれる。四季ごとの特徴を解説していこう。

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春はハイシーズン

春は産卵に備えて荒食いを始めるGW前ぐらいからナマズが釣りやすくなる。春は田植えシーズンも重なるので、田んぼからの濁りが流れ込む用水路や小河川が狙い目。ベイトは冬眠明けのカエルや、水温とともに活性が上がり始める小魚など。トップウォータープラグで狙いやすい季節となる。

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夏はポイント選択が鍵

夏も引き続き狙うことができるが、時期によっては高水温を嫌うこともある。そのため気温の高い真夏はよりナイトゲームが有利になりやすい。昼間であれば川の深い場所や日陰、流れ込みなど、水温が安定しナマズが隠れられるポイントが狙い目になる。ベイトは川に落ちたセミなど昆虫類も多くいて色々な生物を食べているので、釣り場の状況に応じたルアー選択が重要になってくる。

秋も狙いやすい時期

秋は越冬に備えて、エサを活発に食べる時期。ポイントは秋に増えるウィード(水草)が茂ったポイントなどに隠れていることが多くなる。ベイトは夏同様に多く、状況に応じたルアー選択が必要だが、水温が下がるとトップのルアーでは反応しないことも増えるので、ボトム系ルアーの出番も増える。

冬はシビアな時期

冬になり水温が下がり切るとナマズは活性が低くなりシビアな季節になる。ただ、釣れないわけではなく、ナマズに口を使わせるために目の前にルアーを通すことが重要になる。ポイント選びとルアーを通すコースが肝心で、水温の安定する深場や温排水などのポイントを選び、ストラクチャー際やナマズが着きそうなボトムをタイトに攻めるようにしよう。

また、昼間に浅場の目視できるナマズをピンポイントで狙っていくのもおすすめだ。ルアーはボトム攻略が基本なのでワームやバイブレーション、スピナーベイトなどがメインになる。

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ナマズの釣り方

トップゲームの場合、ルアーを投げて巻くだけだが、そのルアーの特性に応じたリトリーブが必要だ。ティップの角度でルアーの動きも変わる。また速く引きすぎると、アクションしなくなることもある。

ナマズは基本的に捕食がヘタだ。水面を引くルアーに突然水柱が立ち、ド派手なバイトを見せるが、その割にフッキング率が極端に低いのだ。1キャスト3バイトノーヒットなんてこともザラにある。浮力の高いトップウォータープラグを使っていることも原因のひとつだが、臆病で警戒心の強さがその原因ともいわれている。バイトは頻繁にあるのに、一向にフッキングしないときはリトリーブスピードを徐々にゆっくりにしてやろう。

いくら活性が高くてもミスバイトを繰り返していると、スレて出てこなくなる。そんなときはいったんポイントを休めて、時間をおいてから入り直してみよう。

ボトムを釣る場合

ナマズがボトムでしか反応しない場面は活性が下がっている場面が多い。リアクションバイトを誘発できるバイブレーションやスピナーベイトで広く探っていく方法や、ワームやラバージグでスローに誘うのがセオリー。真冬など、より低活性な場面ではルアーサイズを下げるのも有効になる。

ナマズ釣りのポイント

夜でも昼でも基本的に狙うのは、護岸際や沈んだウィード、障害物周りなど。こういったポイントは真っ先に狙いたい。

また水田からの流れ込みや、水門周りの深みなども好ポイントになる。必ずチェックしておきたいポイントだ。

小さな流れ込みも好ポイント(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

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ポイントの開拓方法

SNSを始めとした個人の情報発信が容易になった昨今だが、ナマズは釣れているという情報は入ってきても、詳細なポイントは伏せられていることがほとんどだ。ではどうすればいいか。自分でポイントを見つけるのが、一番手っ取り早い。

使うのはグーグルマップなどの航空写真アプリ。例えば筆者のホームの名古屋近郊で、ナマズで有名な河川は新川と日光川。この2本の河川を河口からズームしていき、河川に流れ込む支流や流れ込みを探していく。

航空写真(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

支流であれば分かりやすいが、名もないような小さな流れ込みもあるので、細かくチェックしていこう。見つけたらその支流や流れ込みを、さらに上流へ。チェックするべきポイントは「変化」だ。例えば川が大きく湾曲していたり、橋が架かっていたり、水門や堰(せき)があったりなど。最初の変化は本流と支流の合流点、ということになる。

エン堤の落ち込み(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

基本的に上からの画像なので川の色で水深がおおよそ予測できる。底の砂地などがはっきり見えていれば浅いし、濃いグリーンであればそこそこ深い。トップゲームにこだわるのであれば、深いポイントは不向きだ。できるだけ浅いポイントを探そう。

駐車スペースに注意

そして釣りができそうな足場があるかどうかもしっかりチェックする。そして何より大事なのが、車を止める駐車可能な場所があるかどうかだ。特に都市近郊では、駐車スペースに苦労することが多い。この場合はグーグルマップのストリートビュー機能が、非常に役立つ。上からの写真だと駐車できると思っていた場所が、ストリートビューで見ると私有地だったり、店舗の駐車場だったりするからだ。

どうしても周りに駐車できる場所が見つからない場合は、その近辺のコインパーキングを探そう。そして活躍するのが折り畳み自転車だ。駐車スペースに困ることはないし、車が入れないような道もすいすいだ。

日中の下見が重要

スマホでグーグルマップを使うなら、そのまま見つけたポイントにマーキングしておく。こういったポイントを最低でも3カ所は見つけておきたい。そして何より大事なのは、夜釣りでも必ず昼間に下見をしておくこと。駐車スペースはもちろんのこと、安全に釣りができるかどうかも重要。

また実際ポイントに立って川を見て、どこに流れ込みがあるか、どこに障害物が沈んでいるか。どの方向にキャストすればいいか、ヒットしたらどこでランディングするかなど、細かくシュミレーションしておこう。

魚体を傷つけないよう草の上などに置く(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ナマズ人気に火がついて久しいが、まだまだ開拓されていないポイントは多く残されているはず。スマホやパソコンとにらめっこして、新しいパラダイスを見つけに行こう。今回はナマズでのポイント開拓だが、これはエギングやメバリングなど陸っぱりの釣りでも同じこと。新規ポイントで釣ったときのうれしさは格別だ。

<TSURINEWS編集部>

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