ラインウェイトやライン強度は主にはlb(ポンド)という単位で表される。1lbが約450gで、10lbのライン強度表記があれば、およそ4.5kgだ。

しかし、実はライン強度はそんなに単純なものではない。常にMAXではないのだ。ここでは、リアルなライン強度の話をしたい。

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ラインの力は表記のままではない

特にPEラインは強度が、表記のlb数と一致しないことが多いといわれる。釣っていても実感することが多いところだ。ただ、最近のPEは、特に高価なメーカー品となると、本当に表記とそこまで変わらない品も増えてきたが。

しかし、PEのような「撚りイト」には、確実に弱いところ・強いところがある。たとえばFGノットをしても、「このノットはもうひとつ弱いな」と思うことがあるはずだが、同じようなものだろう。編み込みの精度だ。PEラインは撚って作っているので、部分的に強い弱いは必ずある。

PEラインの強度表示を鵜呑みにしてはダメなワケ 実際は7割程度が妥当?
ラインの強度にはばらつきがある(提供:TSURINEWSライター井上海生)

そのような強度のばらつきが少ないラインがいいライン、ばらつきが多いラインが悪いラインとも考えられる。筆者の印象だが、やはり日本製のメーカー品は質が良いと感じる。なんというか身内びいきみたいな話だが、イトの製造作業、実に古来日本人の得意そうなことではないか。

本線は7割程度と考える

リアルなライン強度は、「表記の7割程度」と言われる。これは使用に伴う消耗を考えていない。新品状態で、よくて8割7割なのだ。10lbならば8lbか7lb。10lbというと4本撚りのPEライン0.5号くらいだが、8lb7lbなら、よくて3kg前後しかない。

PEラインは長持ちするラインだが、何度も使える分、消耗もする。ソルト使用では特に消耗・疲弊が激しい。キャスティングしていて、突然何もないような部位で断裂する高切れを誰もが経験しているはずだが、それもラインの消耗だ。それも含めると、長いこと使っているラインは、プラスして強度は1割くらい落ちる、そして、どこかピンポイントで使い物にならないほど消耗している可能性もある。

ノットでさらに落ちる

さらに、PEラインでは先にリーダーを組んで使用するわけだが、ノットでもライン強度は落ちる。FGノットはきれいに決まれば90%以上の強度を残せるというが、逆にいえば10%は落ちるわけだ。先から例にしている10lbのイトであれば、強度のばらつきで実質7lb、そこからノットで1割落ちて6.3lbくらい。実に2.8lgまで強度が落ちてしまった。

しかし、それがリアルなライン強度なのだ。

それに合わせてドラグを設定する必要がある。

PEラインの強度表示を鵜呑みにしてはダメなワケ 実際は7割程度が妥当?
FGノットでも確実に強度は落ちる(提供:TSURINEWSライター井上海生)

またPE0.4号以下の細イトの場合は、システムノットを強度高く組もうとすると、結束部でPEの首が絞まってしまい、すぐに切れてしまう。「念締め」というか、PE1号以上でやるPE同士の編み込みは、細イトでは厳禁である。

意外とモノフィラは強い

とにかく強度が高いといわれるPEラインだが、意外に表記ほどの力は出せないので覚えておいた方がいい。ひとつの目安として、強度の表記の7割と思って釣れば安心だろうか。

実は、ラインの表記ほどの力がそのまま出るのは、ナイロンやフロロなどのモノフィラ系のラインだと言う。バス釣りが上手な人があえて太いフロロやナイロンを使って、ドラグをフルロック近くして釣るのは、PEよりもライン強度が信頼できるからだそうだ。ただどちらもライン寿命が短いので、ナイロンは使うたびに10m切る、フロロも3回釣行ほどで巻きかえなければならない。

交換・裏返しを早めに

PEラインは本当の思わぬタイミングで破断する。「なぜ?」と思うが、最初から弱いところがあり、そこが使用に伴う消耗によって強度が落ちて、切れるのだろう。大事なルアーをぶっ飛ばして高切れさせる前に、たかだが数百円で済むことなのだから、PEラインは1年か半年で裏返して使った方がいい。

長持ちするといわれるPEだが、強度高く釣りをしたいならば、まあ裏返して使って2年くらいが限度だろう。ダメになったらすぐに交換しよう。

PEラインの強度表示を鵜呑みにしてはダメなワケ 実際は7割程度が妥当?
高切れで泣く前に交換しよう(提供:TSURINEWSライター井上海生)


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<井上海生/TSURINEWSライター>

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