海釣りをしていると、どうしても避けて通れない釣り道具の塩害。ロッドガイドが錆びたり、ルアーのハリが錆びたりと、筆者も度々泣かされてきた問題です。

今回は特に塩害を受けやすい、リールのラインローラーをメンテナンスする方法を紹介していきます。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

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ラインローラーの役割とメンテナンス

そもそも、ラインローラーとはどのような役割を持ち、故障すると釣りにとどのような影響を及ぼすのかを説明していきます。

リールの【ラインローラーのメンテナンス術】 釣り歴2~3年目が危険?
ラインローラー(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

ラインローラーの役割

ラインローラーの役割は

・巻き取るとき、回転しラインとの摩擦を抑えることでダメージを減らす
・巻き取るとき、適度なテンションをラインに掛け糸フケをなくす
・投射時に回転することで、ラインとの摩擦を減らし効率的にライン放出する
・フッキング後、魚の抵抗に対して回転することで衝撃からラインを守る

などになります。

ラインの絡まり、キャスティング時の高切れなど、ライントラブルのほとんどはラインローラーの不具合が原因です。リール性能を維持するためには、もっとも重要なパーツになります。

メンテナンスの重要性

定期的なメンテナンスを行わないと、ラインローラーに塗られているグリースが固着したり、侵入した塩水によって錆びたりして回転しなくなります。その結果、”スプールからラインがスムーズに放出されず、沖のナブラに届かない”や”大物が掛かった時、ラインが摩擦負荷に耐えきれずに切断”といったことも。ラインローラーのメンテナンスを怠ることで、釣果に大きな影響を及ぼす可能性があります。

海釣り歴2年~3年が危険な理由

海釣り歴2~3年が危険な理由は、ラインローラー自体の寿命が約2年であるため。釣りの楽しみを知り、探求心・向上心は高まるばかりの2~3年目は道具のケアまでは気が回りにくいものです。ラインローラーに不具合があっても気づかず、いつの間にかベアリングが錆びて回らないなんてことも。これでは、せっかく大物を掛けても、ラインローラーの不具合や故障でバラす結果になりかねません。皆さんはそうならないよう、定期的なメンテナンスを心掛けましょう。

メンテナンスに必要な道具

メンテナンスをする際に必要な道具を紹介します。絶対に必要なものや、あると便利なものなど幅広く紹介していますので、必要に応じて準備して下さい。

リールの【ラインローラーのメンテナンス術】 釣り歴2~3年目が危険?
メンテナンス道具一式(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

ドライバー

これがないと始まりません、ドライバー。リールの種類によってマイナス・プラスに違いがあり、サイズにも違いがあるので適合するサイズを選んでください。

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ドライバー(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

パーツクリーナー

これが最も重要な道具になります。ラインローラー内の各部品についている油汚れや、塩分を洗浄するために使います。通販サイトなどで比較的安価に購入できます。

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パーツクリーナー(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

部品入れ(トレー)

分解した部品を入れておくトレーになります。ラインローラー内には細かな部品がたくさん入っており、作業中気づかず紛失なんてことも。100均のプラコーナーにあるもので十分なので、使用することをおすすめします。

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部品入れ(トレー)(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

キッチンペーパー&綿棒&楊枝

各部品の油汚れを落とし、小さな部品の目詰まりやグリースアップの際に使用します。

リールの【ラインローラーのメンテナンス術】 釣り歴2~3年目が危険?
キッチンペーパー&綿棒&楊枝(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

グリース

各部品の洗浄後、必要箇所にグリースアップします。ラインローラーの性能を正常に且つ長く発揮するためにも必要となります。工業用グリースだとリール内部のゴムを溶かしてしまう商品もあるので、大手釣り具メーカーから発売しているグリースを使用しましょう。

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グリース(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

洗浄容器(いらないコップなどの容器)

パーツクリーナーで各部品を洗浄する際に使用します。なくてもできますが、パーツクリーナーを噴射すると、周辺にも飛び散ってしまいます。飛散防止に役立つので、おすすめです。

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洗浄容器(いらないコップなどの容器)(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

あったら便利なアイテム

ピンセットは小さい部品をつかむ際に重宝します。手先が不器用な著者にはマストアイテムです。ネジ山保護ゴムは、ネジ山が削れてしまうことを防ぐために使用します。小さいネジなどでは特に削れやすいので重宝します。100均で売っており正式名称はシリコーン伸びラップです。

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ピンセット&ネジ山保護ゴム(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

ラインローラーメンテナンスの方法・手順

実際にメンテナンスをする際、注意しておいたほうがポイントなどを踏まえて手順を紹介していきます。

ラインローラーを分解する

ラインローラーを分解する際の注意点は、ネジがはずれた瞬間に部品が落下・紛失すること。ドライバーを握る反対の手の指でベールとラインローラーを支えながら外すのがポイントです。

リールの【ラインローラーのメンテナンス術】 釣り歴2~3年目が危険?
ラインローラー分解(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

部品の解除順を写真で撮っておく

必ず、はずした順番どおりに部品を並べ写真撮影しましょう。戻す順番が分からなくなり、間違った組み立てを防げて安心です。

リールの【ラインローラーのメンテナンス術】 釣り歴2~3年目が危険?
部品順番に並べる(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

パーツをクリーニング

最初に、キッチンペーパーや綿棒で各部品についた油汚れを除去。その後、部品を洗浄容器入れ、部品が浸るくらいパーツクリーナー液を噴射。じゃかじゃかと容器を振って汚れを落としていきます。ベアリングなどの重要部品は1分程度つけおきして入念に落とすといいでしょう。

リールの【ラインローラーのメンテナンス術】 釣り歴2~3年目が危険?
パーツをクリーニング(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

グリースアップ

ベアリングはラインローラーの命となる部品。パーツクリーナーで必要な油分が落ちてしまっているので、ベアリングへのグリース注入は必ず行いましょう。

リールの【ラインローラーのメンテナンス術】 釣り歴2~3年目が危険?
グリースアップ(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

順番通り部品をはめ込んでいく

最後の工程、順番通りに部品を組み立てていきます。万が一写真を撮り忘れて戻す順番がわからない場合は、メーカーのHPや同梱されている組み立て表を参照しましょう。

リールの【ラインローラーのメンテナンス術】 釣り歴2~3年目が危険?
パーツ表(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

ラインローラーが回らない場合

メンテナンスしても正常にラインローラーが回らない場合は、ベアリングの交換が必要です。ベアリングは、各社HPで純正品を取り寄せるか、大手通販サイトで も型番が分かれば安価に購入もできます(安価版は適合サイズ等よく調べ自己責任にてご購入下さいませ)。

リールの【ラインローラーのメンテナンス術】 釣り歴2~3年目が危険?
ベアリング(提供:TSURINEWSライターTatsu_Yoshi)

日々の積み重ねが重要

今回紹介したメンテナンス方法を釣行ごとに行うのは大変ですし、その必要もありません。大切なことは、道具を長持ちさせてあげたいという気持ちです。

釣行にいったら必ず水洗いをしてあげる。これだけでも立派なメンテナンスです。

道具を大事にすると、いざ大物が掛かった時、全力で釣り人を助けてくれるはずです。

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<Tatsu_Yoshi/TSURINEWSライター>

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