同じ船からサオを出しているにもかかわらず人によってはダブル・トリプルスコアの釣果になることも多いこティップランエギング。今回はティップランエギングで釣果アップするための押さえるべきコツと、気を付けるべき点について解説していこう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・岩室拓弥)
コツ1:適正な重量調整
エギングなどアオリイカを狙う釣りでは、よくエギのカラーについて議論されがちだが、ティップランにおいてはカラーよりも重量調整の方が釣果に直結しやすい。シャロータイプ・ノーマルタイプ・ディープタイプなどに分けられ、パッケージから出したままエギ単体で使用することが多い陸っぱりエギングと違い、ティップランは専用エギに追加シンカーをセットして使用することが前提。もちろん状況に応じてシンカーをセットしない場合もあるが30~40gの専用エギに10、20、30gなどのシンカーを風の強弱や水深などの状況の変化に応じて追加していく。

ティップランはボトムレンジでの釣りとなるので、まず一番最初にやらなければならないのが底取り。ドテラ流しでの釣りなので風の影響をモロに受け、ときには水深30m以上でサオを振ることもあり、エギ単体では底取りができなくなる場面も多く発生する。どのような状況においても底取りができるように追加シンカーを重量別に使い分けながら重量調整をしていく必要がある。しかし、単に底取りができれば良いというわけでは決してないのが難しいところ。軽すぎても底取りができないし、重すぎるとシャクって誘った後の食わせの間となるステイ中の姿勢が悪くなってしまう。
では適正重量はどう見極めればよいのか。基本的には適度にラインが払いだされて、少しずつ斜めに角度がついていくくらいが目安となる。文章では伝えきれない部分なので申し訳ないが、2回3回と底取りをするときにストレスを感じない程度に斜めにラインが入っていくのが理想的だ。とはいっても風や潮で、そううまくいかない状況もある。釣りをしている中で重量を調整しながら、その日一番適した重量を見つけていくとよい。
コツ2:エギの姿勢を安定させる
エギが不自然な動きにならないように注意しながらイカに違和感を与えないのも重要。陸っぱりでも同様だがアオリイカはエギの不自然な動きを極端に嫌う傾向がある。フォール→ダート→ステイの一連のアクションを自然の流れで行う。
例を挙げれば、常に揺られているボート上でのティップランはどうしても波の影響を受けてしまうが波とサオの動きを同調させて極力エギに影響を伝えないようにする。これができているかできていないかでも釣果は大きく左右される。
コツ3:僅かなアタリを逃さない
ティップランのアタリは大きくわけて3種類。(A)グンッとサオ先が引っ張られる、(B)トンッ……と小さなアタリがある、(C)エギの重みが乗って少し曲がっているサオ先がフワッと抜ける、これらのアタリを感じ取ることが大事だ。(A)は簡単で、ほとんどの人が分かるだろう。
問題は(B)と(C)だ。(B)はアタリが小さいため慣れていないと分からない場合もあるが、これは慣れていくしかない。(C)は手元に伝わるアタリではないのでサオ先を注視しておく必要がある。いずれにしてもステイ中はアタリを見逃さないように集中しておこう。

アタリが取りやすくなるコツとしてはロッドは強く握り込まずに軽く握る程度。そしてロッドと体の接点は作らないようにしておくと小さなアタリでも感じ取りやすくなる。ちなみに、ステイしてから5秒以内でアタリがでることがほとんどなので覚えておくとよい。
気を付ける点1:汚れてもよい服装で
最後にテクニックとは関係ない部分になるが、アオリイカに限らずイカ釣りではいくら気をつけていてもスミが掛かってしまうことがある。スミを吐かないようにするためのコツもあるが、絶対ではないし、自分が気をつけていても同船者が釣り上げたイカからも思わぬ反撃を受けたりもする。

お気に入りの服装でイカ釣りに出かけてスミを掛けられてしまうと気分も下がるし、他人のイカから掛けられると船上の空気も悪くなる恐れも。イカ釣りの際は黒の服や汚れても構わない服装を選ぶようにしよう。
気を付ける点2:イカスミは自分で落とすのがマナー
また、デッキ上に吐かれたイカスミは釣り上げた本人が洗い流すのが基本的なマナー。意外とこのマナーが守れていないことが多い。船の掃除も含めて船長の仕事といってしまえばそれまでだが、船長も操船や見張りなども行わなければならない。
あくまで船上はほかの釣り人との共有スペース、そのままにしてイカスミが乾いてしまうと掃除も大変。レストランで食事をしている際に食べ物や水をこぼしてそのままにしておく人はいないはず。イカスミで船を汚してしまった場合は水で流したり、タオルや船にあるブラシなどで洗い流すように心掛けよう。
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<週刊つりニュース西部版APC・岩室拓弥/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース西部版』2022年11月25日号に掲載された記事を再編集したものになります。The post 現役船長が徹底解説 【ティップランエギング釣果アップのコツ3選】 first appeared on TSURINEWS.