2022年の竿納めはオデコ覚悟のうえでオニカサゴを狙うことにした。待ちに待った12月17日(土)、妻と沼津港の船宿「城」から出船。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター藤倉聡)
沼津でオニカサゴ釣り
5月に妻と沼津港の船宿「城」にオニカサゴ狙いで釣行後、彼女は大船長に言われた言葉を毎日のように思い出しては「高速で巻きます(船の移動時に低速で巻いていた)」「そんな遠くじゃなくて手前でフケを取る」、「全然ダメ」などとクスクスと呟いていた。大船長のダメ出しの数々は愛情があふれているので、自分がダメ出しされたのにまるで他人事のようだ。「また大船長に会いたい♪」と言ってオニカサゴ釣りを熱望。
筆者もオニカサゴが大好物あり、前回食すことができなかった「しゃぶしゃぶ」も是非と思い、11月に釣行を計画。しかしこの時はひと月前から船宿に予約を入れておいたにもかかわらず、出船に必要な最低人数が揃わず断念。それでも諦めきれず12月に再募集をかけて頂いて今回の釣行が実現することとなった。
当日の状況
天候は曇り。天気予報では午後から雨とのことだった。予報が的中して、釣りをしている午前中は雨に降られずに済んでよかった。

当日のタックル

当日のエサ
当日持ち込んだエサはスーパーで購入した生サバ・生サンマに加え塩サバ・塩サバ(ロングカット)、塩サンマ、鮭皮、カツオレンジャー、サバレンジャー2種(イエロー・レッド)の9種類。

若船長が操船
当日は6時半の出船に合わせて妻の実家を5時40分に出発。10分足らずで沼津港に到着。船宿が近いのは楽だとつくづく感じた。
やがて船がやってくると妻が「大船長がいない……」と寂しそうに言い出した。若船長に話を聞くと肩を怪我したらしくお休みとのこと。大船長の彼女へのダメ出しが楽しみの一つでもあったので残念。しかし、同宿は大船長だけではなく、明るく優しい若船長がいるのも魅力的。分からないことは気さくに何でも教えてくれるし、オマツリした時も速やかにサポートしてくれるので初心者には特にお勧めの船宿だ。
そんな若船長の指示で筆者は左舷ミヨシに妻は左舷胴の間、右舷には3名の計5名で出船となった。
レクチャー時にウッカリカサゴがヒット
出船して20分ほどでポイントに到着。筆者は妻と自分の二人分のタックルの準備をしなくてはならずかなり焦った。船長の合図で第1投。水深は135m。妻はオニカサゴ釣り2回目だが、念のために彼女のレンタルロッドで改めてレクチャーすることにした。
「タナは1mにしてみよう」と言って誘ったその瞬間アタリが出た。竿を大きく上にあげて聞きアワせるとガツンという手応え。根掛かりだ……。「何だ、根掛かりか……」と思いながらイトを手繰ると外れたので電動リールの巻き上げスイッチをON。
意外や意外……。何か手応えを感じる。しかも強烈だ。グングンと強い引きにハラハラドキドキ。しかし上がってきたのはウッカリカサゴ(カンコ)。

本命ではないものの、食べ応えバッチリな大きさなのでアフターフィッシングが楽しみになってきた。
妻がユメカサゴとオニカサゴの一荷
ポイントに到着したころから妻は「気持ちが悪い」と言っていたが、遂に本格的な船酔いになってしまったようだ……。アネロンを渡したが時既に遅し。夏に下田からキンメを釣りに行った時の二の舞かと心配になったが、しばらくすると回復。
彼女をふと見ると電動リールを巻き始めている。「アタリあった?」と聞くと「何かコツン」ときたみたいと言っている。「マジか!?」と思いながらもやり取りを見ていると水面にダブルで何かが付いている。無事に取り込んだのは小型のオニカサゴとユメカサゴ(この時はオニカサゴとは気が付かず……)。エサを尋ねると生サバとのこと。
クロムツも顔出し
しばらくすると再び彼女が無言でリールを巻きだした。釣り上げた魚を見て「何この魚?」と言っているので、「クロムツだよ」と教えると満面の笑み。

船長もクロムツが釣れたのには少し驚いていた様子だった。さらにポイントを移動後にもクロムツを追釣していた。
市販品の仕掛けでユメカサゴ
右舷の方々も次々に本命をゲットしている様子で賑わっている。しかし筆者はアタリすらない状態が続き焦りだす……。そこで彼女の市販仕掛けに付いているタコベイトのような派手目なアクセサリーが効果的なのかと思い、シンプルな自作の仕掛けからアピール力の高い市販の仕掛けにチェンジしてみることにした(タックル図参照)。
するとすぐにアタリが訪れた。

それを見ていた船長が「ユメカサゴが釣れるのはタナが低いから。上げた方がいいかも」とのアドバイスをくれたので、それまで1mにタナ取りをしていたが1.5~1.8mくらいに上げてみることにした。
オニカサゴ一荷釣り
タナを小まめに取り直していると落とし込んだ瞬間にアタリがきた。アタリ連発で楽しい。今度こそオニカサゴかと思ったが当日2匹目のウッカリカサゴだった……。

しかし次の投入でオニカサゴを一荷釣り。
小型ながら本命をゲットして一安心(自作の仕掛けより市販品の方が釣れて複雑な心境だが……)。そのころ、妻はヒメを釣り上げる。
オニカサゴサイズアップに満足
数投後に、再びアタリが訪れた。水面に浮上したのは、またも綺麗な朱色の本命だ。しかもそれなりの大きさでテンションが上がる。船長にタモ取りしてもらって無事にゲット。

エサを確認すると生サバに掛かっていた。

港には大船長がお出迎えで、妻は元気そうなお顔が拝めて喜んでいた。
当日の最終釣果とポイント
筆者:オニカサゴ3匹(21~33cm)、ウッカリカサゴ2匹(32~33cm)、ユメカサゴ2匹(11~13cm)
妻:オニカサゴ1匹(17cm)、クロムツ2匹(22~24cm)、ヒメ1匹(24cm)、ユメカサゴ3匹(11~13cm)
今回釣果に結び付いた点を自分なりに考察してみたので参考にして頂ければ幸いだ。
仕掛け
魚種を問わず妻のタコベイトを付けた仕掛けへの反応がよかったため、自作の仕掛けを諦めて、よりアピール力の高い市販品の仕掛けにかえたのが功を成したと思う。自作の仕掛けは5月に釣行した時はよく釣れたので自信があったが、やはり釣れている人の仕掛けを参考にするのが基本中の基本と改めて思った。
エサ
筆者と妻は2人でこの日、生サバでオニカサゴ3匹、カンコ2匹、クロムツ2匹、カツオレンジャーにはオニカサゴが1匹と生サバが威力を発揮。これからも生サバは欠かさずに持ち込みたいと思う。今回塩サバや生サンマ・塩サンマにオニカサゴはヒットしなくて残念。また使用に至らなかったサバレンジャーなどは次回の楽しみに取っておきたい。
タナ取り
船長のアドバイスによりタナを上げてからヒットが連発となり、タナ取りの重要性を再認識させられた。また小まめにタナを取り直したり、10mくらい巻いてから再び仕掛けを落とす所謂「巻き落とし」も効果的だった。
ダブル狙い
オニカサゴは同じポイントに複数いることが多い。アタリがあったら竿を大きく持ち上げて聞きアワセをした後に、追い食いを狙って手巻きでゆっくり数m巻いてから電動リールの巻き上げスイッチを入れるように心掛けた。今回小型とは言うものの狙い的中でしてやったり。
夫婦で忘年会
釣った魚は、帰港後「吟水」に持ち込んで夕方妻と忘年会をすることにした。オニカサゴとカンコはしゃぶしゃぶと寿司に、クロムツは煮付け、ユメカサゴに関しては唐揚げにして貰って堪能した。

忘年会ということで今年の釣行を振り返ったが、釣りの余韻に浸りながら飲む酒は最高だ。来年の釣行計画も語り合い、今から楽しみになってきた。今年は妻と2度オニカサゴを釣りに行きいずれも2人とも本命をゲットできて凄く楽しかった。いつも親切で気兼ねなく釣りに行ける船宿「城」にも心から感謝したい。これからもオニカサゴ釣りの奥深さを追求していきたいと考えている。

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<藤倉聡/TSURINEWSライター>
▼この釣り船について城
出船場所:沼津港
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