ハナダイやイシモチでクーラー満タン。こうなってしまうと、帰宅後は手間暇かかる下処理確定ですよね。

しかし、ここでもうひと頑張り。更なる手間暇を惜しまず、美味しい保存食・胡麻漬けを作りましょう!作り方を丁寧に紹介します。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

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胡麻漬け

千葉県九十九里地方の郷土料理で、カタクチイワシを使って作るものが有名。この付近のお土産店ではよく見かけます。

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
 イワシの胡麻漬け(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

実は、当初筆者の中では「胡麻漬けとはカタクチイワシで作るもの」という固定概念があったのですが、特にイワシでなければならないという決まりはないとのこと。この地域でよく釣れるハナダイでも、よく作られているそうです。

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
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お土産店で購入したイワシの胡麻漬け(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

手間隙がかかる

かなり手間暇がかかる点が玉に瑕なのですが、「保存が効く」というメリットも重なり、今ではハナダイやイシモチがたくさん釣れた時の、我が家定番メニューとなっています。

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
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お土産店で買ったイワシと自家製ハナダイの胡麻漬け(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

胡麻漬けの作り方

それではイシモチで作った時の例にて説明していきます。

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
船上で血抜きしたイシモチ(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

船上で血抜きした20~25cmのイシモチ8匹。まずは丁寧にウロコを取って、三枚に卸し、腹骨も取り除きます。ここまでは通常の下処理と一緒。

塩水に漬け込む

三枚におろした身を、中骨を取るイメージでタテに切り分けます。そして、8~10%の食塩水に半日~1日漬け込みます。

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
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8~10%の食塩水にイシモチを漬けこむ(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

もちろん、中骨は毛抜き等で取り除いても構わないです。この場合、頭近くの、比較的太い骨を数本抜いてやるだけでOK。

細いものは酢に漬け込む行程で柔らかくなります。

酢で漬け込む

食塩水に漬けこんだ切身を、更に酢で半日~1日漬けこみます。漬け込む際に使う酢(甘酢)は、酢450ml、みりん50ml、砂糖大さじ1が目安。すし酢があれば、すし酢と酢5:5~3:7位の割合で作っても問題ありません。

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
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最終工程で必要なもの(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

そして最終工程で必要なものは写真の通り。煎り胡麻は白でも黒でもどちらでも構いません。漬け込む道具は、浅漬け用のツボや容器があると便利です。

胡麻と生姜で漬け込む

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
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浅漬け用の容器があると便利(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

半日~1日酢に漬けこんだ切身を、丁寧に並べ、千切りの生姜と煎り胡麻、お好みで鷹の爪等を交互に重なるように容器に入れていきます。

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
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重しを乗せたら後はほぼ放置(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

胡麻は香ばしい風味を加えるほか、酸化を防止する効果もあるそうなので、たっぷり入れましょう。

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
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胡麻漬け作りの容器は何でも可(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

重しを乗せて廊下や玄関で、気温が20度ぐらいになるような陽気であれば、念のため冷蔵庫に入れておくと安心です。

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
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 胡麻漬け作り・水が出てきたら捨てる(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

1~2日漬け込み、水分が出なくなったらできあがり。そのままでも美味しいですが、山葵醤油を少しつけても美味しいです。

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
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 胡麻漬けは寿司(押し寿司)にしても美味しい(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

10日ほど保存も可能

はっきり言って、かなり手間暇かかります。筆者の中では魚料理の手間暇ランキング堂々の特A。

イシモチやハナダイを下処理するだけで、それだけでも大変なのに、そこから2日以上要する訳ですからね。

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
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深海魚でも胡麻漬けは作れる(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

しかし、その手間暇に比例するくくらい美味しい一品に仕上がることもあわせて保証しますし、最低10日程度日持ちする点も何より素晴らしいです。イワシ、ハナダイ、イシモチ、イバラヒゲ等々。お好みの魚で是非作ってみてください!

「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
「釣った魚をじっくり料理しよう」九十九里地方の郷土料理『胡麻漬け』の作り方
身がしまってとても美味しい胡麻漬け(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

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<尾崎大祐/TSURINEWSライター>

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