暑い夏はとにかく涼しく過ごしたい。でも釣りに行きたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
ターゲット&プラン
さて、今回の琵琶湖釣行ターゲットとプランだが、まず琵琶湖流入河川で小アユを釣ってその場で調理して食べ、その後は夕マヅメに湖内に入ってルアーでハスを狙おうというもの。当日は昼すぎに大宮さんと琵琶湖に向かった。
ポイントは好調続く塩津大川
最初の目的地は長浜市の塩津大川だ。小アユではメジャーな川だが、今年はややスタートが遅れ気味。それでも梅雨入り前後から一気に群れが遡上し、例年通りの釣れっぷりを見せている。

現地ではすでに昨年も取材に協力していただいた長谷川さんら一行が、朝から小アユ釣りを楽しんでいるとのこと。ポイントは塩津大川のやや上流域で、塩津小学校前といわれるエリアだ。
増水が奏功し順調な食いっぷり
長谷川さんらと合流すると、同行のメンバーは上下流に散らばって思い思いに楽しんでいるようだ。前日までの雨で増水はしているが、それが良かったのか、次々に小アユがキラキラと宙を舞っている。
見るとお子さん連れのメンバーは釣りだけでなく、網を持って岸寄りの草周りでガサゴソ。この日は目に止まるような獲物はなかったが、平水に戻ればカワエビやドンコなどが取れそうだ。釣りをしながらこんな川遊びができるのも、たまらない魅力だろう。

肝心の小アユは順調に釣れており、それぞれのスカリやビクには多くの小アユが泳いでいる。

エサはマルキユーの当選小鮎まきエサを中心に、シラスやサバ缶にパン粉を混ぜた手製のもの。上流に仕掛けを振り込み、トコトコと流していくと途中で玉ウキが不自然に躍りだす。これがアタリだ。多少の濁りは入っていたが、流れの中にはまきエサに群がる小アユの姿が見える。この日は女性陣も大活躍。次々と釣れる小アユに歓声が絶えなかった。

立ち込んで釣れば涼しさ満点
この日は雨後の晴れで、日中はかなりの暑さになった。そんな日でも立ち込んで釣れば、涼しさ満点。私もサンダルに履き変えて川に入ってみたが、これがもう涼しいのなんの。

ひんやりとして、これなら一日中でもサオを振っていいられそうだ。やっぱり夏はこうでなくちゃ……と実感したひとコマだった。
揚げたて小アユは極上の味
ひとしきり小アユを釣った後、長谷川さんがコンロと鍋と用意。鍋に油を注いでコンロに火をつけた後、釣れた小アユの腹を出して水洗いした後に小麦粉をまぶす。そして油が十分に加熱されてから小アユをイン。

じゅわ~っと聞くだけでヨダレが出そうな音が響いた後、キツネ色になった小アユたちが次々に皿に盛られていく。早速いただくと、揚げたてアツアツの小アユはもう最高の味。車なのでビールが飲めないことが、これほどつらいとは……。

子供たちも食欲旺盛で揚げた小アユはあっという間になくなり、長谷川さんは追加注文に大忙しだ。

塩津大川
西野放水路でハスフィッシング
それぞれ腹が満たされたところで、小アユの部は大成功のうちに幕を閉じた。皆で協力して片付けを済ませた後は、それぞれが車に戻って夕方に備えてハスフィッシングの準備に取りかかる。

ハスは在来種の希少フィッシュイーター
ハスはケタバスともいわれ、ブラックバスとは違って日本固有の在来種でどう猛なフィッシュイーターだ。への字のような口が特徴で、小魚やエビなどを好んで食べる。見た目はオイカワ(シラハエ)そっくりだが、大きなものは30cmを超える。
タックル解説
ハス専用のタックルというものはないため、他の流用となるが、使うルアーが小さめなこともあり、なるべくライト仕様のものがお勧め。ネイティブトラウト用、アジング用などが流用できる。

合わせるリールだが、ハイギアタイプの小型スピニングリール。ルアーをハイピッチで動かす場面が多いので、ハイギアタイプが使いやすい。ラインはPEライン0.2~0.4号で、これにフロロカーボンラインのリーダーの4~5lbを接続する。ラインシステムが面倒であれば、フロロカーボンラインの4lb程度でもいい。
使うルアーは4~6cmのシンキング、フローティングミノーの他、トップウオーターにも反応がいいので、ペンシルベイトやポッパーなどもあると面白い。水面を割ってバイトする様子は迫力満点だ。また渓流や管理釣り場で使うスプーンなども有効な場面があるので、2~7g程度のものを用意しておくといいだろう。ルアーとの接続は、交換がしやすいように小型のスナップを用いると便利だ。
ベイトの小アユの動きがカギ
私と大宮さんもコンビニで休憩を挟んだ後、ハスのポイントに向かう。大宮さんが選んだのは同じく長浜市高月町の西野放水路。こちらも小アユがよく釣れるポイント。この小アユがハスを狙う上で、重要なカギになる。
西野放水路の駐車場で準備していると、小アユ釣りのおじさんが戻ってきた。釣果を見せてもらうと、なんと袋いっぱいの小アユ。ここも塩津大川に負けず劣らずで、入れ食いだったようだ。
これはハスも期待できると、そそくさと準備を整えてポイントにつながるトンネルを進んでいく。ハスフィッシングに参加するのは、大宮さんと長谷川さん、ほか3人の少数精鋭だ。
小アユのボールができれば大チャンス
歩きながら大宮さんに釣り方などを聞く。ハスは前述の通り、小アユを主に捕食しており夕方にその捕食スイッチが入ることが多い。小アユを追い回すようになると、逃げ惑う小アユが固まってボールのようになれば大チャンスとなる。

そのボール周辺にルアーを投げてトゥイッチをかければ、狂ったようにハスがアタックしてくるらしい。ハスは比較的速い動きにも反応するようで、さながら淡水のメッキゲームともいえる面もあるようだ。
チャンスは日が沈んでから
ポイントは放水路北側の浜。すぐ後ろにはうっそうと木々が生い茂っているが、さほどキャストに支障はなさそうだ。まずはペンシルベイトで広くサーチする大宮さん。
歩きながら広範囲を探っていくが、まだ時間が早いのか反応はない。大宮さんによれば、日が山に沈んでから暗くなるまでがチャンスタイムとのこと。

このポイントは正面から西日が照りつけるため、非常にまぶしい。偏光グラスは必須だ。まだまだ暑さが残るので、ひざまで立ち込んでいるとやっぱり涼しい。小さな石で形成されているゴロタのような底質なので、滑る心配もない。
私も大宮さんと並んでサオを振っていると、手元にコツンとアタリ。ヒットしたようだが、重みもなければ引きも弱々しい。巻いてくると、手元に飛び込んできたのは、20cmもないブラックバスだった。
なんとか本命顔見せ
その後もあちこちに小アユの波紋は見えるものの、固まってボールになる様子はない。やがて日が西の山影にかかり始めたころ、少し離れてキャストしていた大宮さんのロッドが曲がった。

これを見て全員のやる気スイッチが入る。やがて日が完全に山に沈み、いよいよフィーディングタイム突入か……と期待が膨らむ。だが、一向に小アユがボールになる様子は見られない。

大宮さんが同サイズのハスを追加したが、結局この日は大規模なハスの回遊がなかったようで、完全に暗くなったところタイムアップとなった。
小アユは8月いっぱい・ハスはお盆まで
今後の展望だが、小アユは8月いっぱいまで楽しめ、9月からは禁漁期間に入る。すでに遡上はピークに達しており、安定して狙えるようになるだろう。
ハスも今がハイシーズン。今回は今ひとつだったが、湖北エリアの湖岸全般で狙え、浜であればどこでも釣果が望める。その際、小アユの存在は必ず確認しておきたい。
少し遠いようなイメージを持っている人もいるかもしれないが、実は名古屋からの所要時間は1時間ほど。日帰りはもちろん泊まりでの釣行もお勧めだ。
湖北には道の駅のグルメや小谷城跡など史跡もある。釣り以外でも十分楽しめるので、この夏休みに家族で出かけてみてはいかがだろう。
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<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>
▼この釣り場について西野放水路
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