良い潮、悪い潮。潮周りにもいろいろあるが、潮周りとは別に、潮の状況としてイレギュラー的にあるのが「赤潮」である。

釣り人にとっては大敵で、そもそも釣りにならなかったりする。主にライトゲームアングラーである筆者の経験から、赤潮について詳しく述べたい。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

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赤潮とはどのような状態か

赤潮とは、まず視覚的に簡単にいえば、下の画像のような状態である。

陸っぱりライトゲーム愛好家が考える「赤潮」対策 諦めるが賢明?
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赤潮(提供:TSURINEWSライター井上海生)

ご覧のように赤潮とは、海水に赤い色が混じる状態だ。ではなぜこのようなことが起こるかと言うと、主には植物性プランクトンの大量発生である。とりわけ「ノクルチカ」という名のプランクトンが増殖することで、海が赤くなる。昔から釣り人に忌み嫌われる潮で、私も幼少の頃、早朝の釣りで父に「赤潮だからダメだ」と早々に諦めるように言われたものだ。

夜には夜光虫になる

ノクルチカは刺激を受けると発光する性質もある。いわゆる「夜光虫」という顔もあるわけだ。

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夜光虫の港(提供:TSURINEWSライター井上海生)

「夜光虫も厄介な状態」と言われるが、夜光虫=赤潮とは必ずしも言えないまでも、なかなか釣りが厳しい状態であることは変わらない。魚としては決して嬉しくないプランクトンの「いきすぎた大量増殖」なのだ。

釣れ渋る理由は?

ではなぜ「赤潮では釣りはダメ」なのか?

答えは単純明快なもので、「プランクトンが優先的に酸素を奪ってしまうため」だ。魚の活性が下がる。特に回遊性の高いアジ(またその他の回り物も)にとっては致命的。赤潮が発生した海では、よほど群れの密度が濃い居着きのポイントを打っても、ふだんの釣果から半減以下だと考えた方がいい。

酸欠の魚がわざわざ苦しい中動き回って、ルアーを食ってはくれない。

赤潮の海ではプランクトンが海を支配し、魚が酸欠となり、徹底的に釣れ渋るのだ。この最悪な潮の日は、海にぷかんと浮く魚の亡骸も多く見られる。シーバスやチヌなど、特に遊泳のために酸素が多く必要なのであろう大型魚もよく死ぬ。こうした強い魚がプランクトンに命を奪われるとは、皮肉な話だ。

打開術……なし

長潮、若潮。このへんの潮周りも釣りが難しいが、赤潮はそれとは比べ物にならないくらい釣れない。まったく釣れないと考えていった方がいい。比較的簡単な釣り物のメバルであっても、赤潮ならば釣れて1尾2尾だ。

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辛うじてメバルキャッチ(須磨の赤潮にて)(提供:TSURINEWSライター井上海生)

「赤潮打開術」も、私の知る限りでは存在しない。打つ手なし。特に潮通しがよくない場所では赤潮によって海面海中共に蓋をされるようなものなので、魚たちはとにかく息苦しくて仕方ない。ひどい赤潮が解除されるまでには、筆者の印象では「次の大潮周り」くらいまではかかる。

赤潮の発生原因と予測方法

赤潮を予測する方法もまた、よほどその海に精通している人でない限り不能だろう。筆者も長いこと大阪湾奥で釣りをしているが、赤潮だけはまったくもう、その場で直面してひたすら困るというパターンしか経験していない。その都度、ちくしょう、という思いだ。

一応、発生原因としては、窒素やりんの増加、降雨による塩分濃度の低下や、雨粒による物理的な刺激などが言われている。ところで釣りには「小雨パターン」という、小雨で魚の活性が上がるというパターンがあるが、なるほどこれも赤潮の発生原因を聞けばちょっと良い説明を受けた気分になる。小雨によって海が刺激されることでプランクトンが適度に増し、アミパターンのアジやメバルの食いがよくなるわけだ。

さっさと納竿してしまうべき

「さあ釣りに行こう……ああ赤潮だ、一時間だけやって帰ろう」とまですっぱりと諦めてしまうのも賢明である。一度経験してみればわかるが、本当に本当に釣れない潮なのだ。釣っていて嫌になるくらいなら、次の潮周りを待って、まあその日は退いた方がいいだろう。

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<井上海生/TSURINEWSライター>

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