釣り人が行く先は天候急変地であることが大半である。海にせよ山にせよ、一般的にニュースで「天候が変わりやすい」とアナウンスされる場所である。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・福岡崇史)
釣り場は天候が変わりやすい
釣り人であるならば、多くの人が事前に気象情報を確認すると思われるが、どうしてもテレビやラジオを聞く時間がなければ、スマホのお天気アプリを活用することもできる。安全な釣行のためには現場では常に天候を確認するように心がけたい。
夏場の天気変化
夏場の時期に掛けて多く発生するのが気温の急上昇で起こる夕立ちである。夕立ちは、夏の暑さによって温められた湿潤な空気が空に上がり、それによって生じる上昇気流によって積乱雲が生み出されて雨を降らせる現象である。地理学的には対流性降雨や熱帯地域のスコールと同様である。
特に晴天で気温が高い日のお昼以降に注意が必要である。お昼以降は特に遠くまで空を見る様に心がけよう。遠くに積乱雲(入道雲)が出始めると降雨の可能性が高い。

上記の写真は、大阪府泉州エリアにてキノコ状に発達する積乱雲を撮影したもの。この後、釣り場付近は大雨と雷鳴で釣りどころではなくなった。
積乱雲を見つけたら注意
このような雲が見え始めて、急に冷たい風が吹き始めたらその時は注意信号。雨が確実に迫っていることを意味する。ずぶ濡れになりたくなければ、このタイミングで撤退するべきだろう。
さらに薄暗くなり雷鳴や稲光が見えればそれは即撤収のサイン。雷は釣り人にとって最も避けるべき事態である。カーボン製の釣竿を持っている釣り人ならば、避雷針を持って歩いているようなものであるし、より雷が近づけばロッド自体に帯電して火花を散らすこともある。本当に危険なので即撤収をおすすめする。
雨が降ることにより魚の活性は上がることがあるが、安全第一・釣果第二で勇気ある撤退をしてほしい。

上記写真は、大雨の後の虹を撮影したものだ。この虹は非常に珍しく海の上に足がある。この虹が出る直前までは大雨で前が見えない程であった。
冬場の天気変化
夏と相反するシーズンの冬であるが、基本的には釣りはオフシーズンである。しかし、筆者のようにエリアトラウトを楽しむ釣り人にとってはまさにシーズン真っ最中。
雪の日に限ってトーナメントなんてこともよくある。現に今年の2月のローカルトーナメントの時に、大阪府で大雪が降りスタッドレスタイヤを入れてなかった筆者は泣く泣く大会への参加を断念したことも記憶に新しい。
帰りのことも考慮すること
釣りの開始時点では降っていなくとも、帰りに白銀の世界となって帰宅すら危うくなることも考えられる。特に往路では路面凍結に注意したい。
未明から早朝にかけて、特に橋梁部分や河川の近くの道路では、水蒸気が路面に付着してそれが凍りアイスバーンになっていることもしばしばある。
山間部では、急な降雪により視界不良や雪が急に積もり、スタックして発進出来ないことも考えられる。それが国道などの道路であれば渋滞や事故も招きかねず非常に危険である。
スタッドレスタイヤを装着
これらの凍結や降雪でのピンチは、近年性能が上がっているスタッドレスタイヤを装着することで回避できることも少なくない。予備でチェーンも携行するとより安心である。

上記写真は、降雪時の千早川マス釣り場にて撮影したもの。スタッドレスタイヤを履いていたので難なくポイントに到達できた。
安全第一で釣りを楽しもう
夏であれ冬であれ、天気を予想することは非常に難しい。しかし、釣り同様に現場で判断して対処することも可能である。
安全であってこその釣りであり、状況をみて退く勇気も必要であると感じる。是非安全であることを念頭において釣りを楽しんでもらいたい。
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<福岡崇史/TSURINEWSライター>