メバルは陸・沖ともに人気の釣りターゲット。食用魚としても古くから人気のある魚で、非常に美味しい魚です。
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メバルを料理する際のポイント
メバルは甘みのある上品な旨味を持った白身魚です。脂が少なく淡白な味わいなので、素材の味を活かしてあっさりと味付けし旨味を楽しむのも美味しいですが、煮付けが代表的なようにあえて油や味を加えて調理しても非常に合います。

メバルの仲間は体色が若干違うクロメバル、アカメバル、シロメバルの三種類ですが、ウスメバルなどの近縁種もスーパなどでメバルとして出回ることがあります。どれも生息環境に差がありますが、似た食味の魚です。
旬は諸説ありますが、メバル3種は産卵前の秋から初冬や、身に脂が乗る梅雨ごろなどと言われています。また、ウスメバルは春とされています。

メバルの下処理とさばき方
メバルの下処理とさばき方の手順は以下となります。
1.釣り上げたメバルは〆処理して血抜きし、しっかりと保冷して持ち帰る。
2.背ビレ、腹ビレ、エラ蓋にトゲがあるので、三枚に下ろす場合や、丸ごと使う場合でも見栄えを気にしないならハサミで切り落とす。
3.メバルは皮に脂や旨味が多いので基本的には残して調理することが多く、ウロコは丁寧に取り除く。ウロコは細かいのでステンレスタワシなどを使っても取りやすい。トゲを切り落としていない場合は怪我をしないように気をつける。

4.内臓とエラを除去。卵や肝などは食べられるので取って置いてもいい。酒で洗って、一度湯通しし、煮付けなどにすると美味しい。

5.水で汚れやウロコなどを洗い流す。ササラなどを使ってお腹の中の血合いもキレイに洗う。煮付けなど丸ごと使う料理は下処理が完了。
6.刺身などにする場合は、頭を落として三枚におろす。

7.おろした身は腹骨を包丁ですくように落とし、腹骨の付け根部分に横向きに鉤のように曲がった小さな骨があるので抜いておく。
8.保存する際は、水気を拭いたのち、キッチンペーパーなどに包んで保存。空気に触れないように、ジップロックなどに入れる。
これで下処理は完了。続いてメバルのおすすめレシピを紹介していきます。
メバルの煮付け
メバルの代表的な料理といえば煮付け。甘辛く炊いたメバルは絶品です。煮付けに使うメバルは内臓とエラを除去した、丸ごとのメバルを使います。そうすることで、頭や骨などからも出汁が出て、煮汁の旨味が濃くなります。
煮付けの材料
・メバル:2尾
・水:200ml
・酒:50ml
・醤油:大さじ2
・みりん:大さじ2
・砂糖:大さじ2
・しょうが:1かけ
煮汁の量は鍋に入れた魚が8割ほど浸る程度。醤油、みりん、砂糖は好みで量を調整します。
煮付けの作り方
1.内臓とエラを除去して洗った、丸ごとのメバルを用意。一度80℃ぐらいのお湯をかけて洗い臭みを取る。
2.メバル以外の材料を鍋に入れ、ひと煮立ちさせる。
3.メバルを入れて、再度煮立つまで強火で煮る。
4.煮立ったら落とし蓋をする。中火程度の泡によって煮汁が撹拌される火加減で煮込む。メバルの大きさにもよるが7~8分ほど煮込めば完成。

メバルの塩煮
甘辛く煮付けたメバルも絶品ですが、メバルの旨味をしっかり味わえるシンプルな塩煮も美味しい魚です。
塩煮の材料
・メバル:2尾
・水:250ml
・みりん:小さじ2
・塩:小さじ1
・出汁昆布:1枚
・青ねぎ(お好みで):適量
・しょうが(お好みで):1かけ
煮汁の量は鍋に入れた魚が8割ほど浸る程度に調整。みりん、塩は味を見つつ量を調整します。
塩煮の作り方
1.鍋に水と昆布を入れて30分以上置き、出汁を取っておく。
2.内臓とエラを除去して洗った、丸ごとのメバルを用意。一度80℃ぐらいのお湯をかけて洗い臭みを取る。
3.鍋に塩、しょうがを入れて火を点ける。沸騰する前に昆布を取る。
3.メバルを入れて、再度煮立つまで強火で煮る。長ねぎなどの野菜を一緒に煮込んでも美味しい。
4.煮立ったらみりんを入れて落とし蓋をする。中火程度の泡によって煮汁が撹拌される火加減で煮込む。メバルの大きさにもよるが7~8分ほど煮込めば完成。お好みで刻んだ青ねぎを振る。

釣った魚で作る「シンプルだけど絶品」レシピ:メバル&アラカブの塩煮
メバルの刺身
淡白ながら甘みのある味わいのメバルは刺身でも美味しい魚です。釣った当日の刺身は硬くて旨味も乗っていないので、2~3日キッチンペーパーを取り替えながら熟成させたほうが美味しいです。シンプルにわさびと醤油で食べるのもいいですが、レモンを絞り、薄口しょう油を少し垂らしてカクテルにするのもお酒の肴にピッタリ。
皮目に脂と旨味があるので、皮目を炙った炙り刺しなどもおすすめ。皮は少し硬いのでしっかり目にバーナーなどで炙りましょう。また、酒に濡らした昆布におろした半身を挟んで一晩ほど置き、昆布締めにして旨味を足すのも美味しいです。
刺身の作り方
1.三枚におろし、小骨を抜く。炙り刺しにしない場合は皮も剥ぐ。
2.皿に盛り付けて完成。
メバルの刺身(提供:TSURINEWSライター松田正記)メバルの玉ねぎ鍋
メバルなどの根魚は上質な出汁が出るので鍋も定番の食べ方。水炊きなどもいいですが、玉ねぎの甘味とメバルの上品な旨味がマッチした「玉ねぎ鍋」もオススメです。
玉ねぎ鍋の材料
・メバル:2匹
・玉ねぎ:1個
・豆腐:半丁
・そうめん:1把
・昆布:1枚
・白だし:お好みで
・水:適量
玉ねぎ鍋の作り方
1.メバルは三枚おろしにして腹骨をすき取り、腹骨周りの骨を抜く。皮は剥がないでOK。
2.鍋に水と昆布を入れて沸騰させ、アク取りしながらダシを取る。
3.市販の液体タイプの白ダシをお好みの分量入れる。
4.角切りにした豆腐とクシ切りにした玉ねぎを鍋に入れる。
5.玉ねぎに火が通ったら、メバルを投入する。
6.具材を食べたら、〆として湯がいたそうめんを入れ一煮たちさせる。
メバルの玉ねぎ鍋(提供:TSURINEWSライター・辻原伸弥)【釣果レシピ】冬の魚鍋:メバルの玉ねぎ鍋 締めはそうめんでサッパリ
メバルの田楽
メバルを狙って釣りをしていると警戒心の薄い小型のメバルがかかることもよくあります。成長の遅い魚なのでリリースしたいところですが、針を飲んでしまったりすると弱ってしまうことも。やむなく持ち帰る小さいメバルは脂も乗っておらず旨味も少ないことが多いですが、田楽にして味付けすることで、美味しく食べられます。味噌のコクとメバルの身が持つ甘さが合わさった一品です。
田楽の材料
・メバル:小型数匹
・赤味噌:大さじ1
・酢:大さじ1
・砂糖:大さじ1
・白ゴマ:小さじ1
調味味噌は魚に塗るだけの量を用意。お好みで味噌や砂糖の量を調整する。
田楽の作り方
1.内臓とエラを除去して洗った、丸ごとのメバルを用意。
2.メバルを素焼き(塩などはしない)にする。強火の遠火で水分を飛ばしながらじっくり焼くのが理想。
3.調味料を混ぜて田楽味噌を作る。すり鉢で混ぜ、白ゴマも入れ込むとより美味しくなる。
4.焼き上がった魚に田楽味噌を付ければ完成。
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メバルのアクアパッツァ
アクアパッツァもメバルの定番料理。上品な旨味のメバルに、貝類やトマトの旨味、オリーブオイルの油分を足すことで、相乗効果が生まれます。調理のコツとしては、スープが油と混ざって乳化するように強火で煮立てることを意識しましょう。
アクアパッツァの材料
・メバル:1尾
・塩:適量
・アサリ:8個ほど
・水:150ml
・ミニトマト:5粒ほど
・EVオリーブオイル:大さじ4
・ニンニク(お好みで):1片
アクアパッツァの作り方
1.内臓とエラを除去して洗った、丸ごとのメバルを用意。軽く塩を振って冷蔵庫で10分ほど置き、出てきた水分を拭き取る。
2.フライパンにオリーブオイル大さじ2を入れて熱し、メバルに軽く焼色が付くまで焼く。
3.水を加えて、強火で煮立てる。煮立ったら半分にカットしたトマトとアサリ、スライスしたニンニクも加え、煮汁をメバルにかけながら強火で煮詰める。
4.アサリの貝の口が開いたら、大さじ2のオリーブオイルを回し入れる。(水が極端に少ない場合は、水を追加して沸騰させてからオリーブオイルを入れる)
5.強火で煮込み、煮汁が白っぽく乳化すれば完成。皿に盛り付け、お好みでパセリを散らす。
メバルのアクアパッツァ(提供:TSURINEWSライター・杉浦永)メバルの唐揚げ
唐揚げは、メバル本来の味わいを楽しむには向きませんが、サクサクの食感が美味しい食べ方です。小型メバルの料理にも向き骨ごと食べることができます。また、臭みのある個体や、少し鮮度の落ちたメバルを食べる場合にも、高熱で揚げる際に臭みがとれるため向く料理です。
唐揚げの材料
・メバル:1尾
・薄力粉:大さじ1
・片栗粉:大さじ1
・塩:適量
・揚げ油:適量
・こしょう(お好みで):適量
唐揚げの作り方
1.内臓とエラを除去して洗った、丸ごとのメバルを用意。火が通りやすいように背骨の両側から切り込みを入れる。
2.メバルの魚体とお腹の中、切り込みを入れた部分に軽く塩(好みでこしょうも)を振って冷蔵庫で10分ほど置き、出てきた水分を拭き取る。
3.メバル全体に片栗粉と薄力粉を混ぜた衣をまぶす。
4.フライパンに揚げ油を入れ160℃程度まで熱し、メバルを入れて揚げていく。1分半~2分ほど揚げ、火が通ったら一度油から取り出す。
5.揚げ油を180℃まで熱し、再度メバルを油に投入。1分ほど揚げ、しっかりと小麦色になったら取り出す。皿に盛り付けお好みでレモンなどを添えれば完成。
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<TSURINEWS編集部>