はじめまして。釣り好き気象予報士の竹内です。
(アイキャッチ画像提供:株式会社サーフレジェンド・竹内慶高)
マリンウェザー海快晴のご紹介
はじめに、釣り好き気象予報士の筆者が運営に関わる、釣りに使える天気情報サイト『マリンウェザー海快晴』を紹介します。
海快晴の特徴
・日本全国11,000ヶ所以上の天気、気温、風向・風速、波高・波向、うねりの周期、タイドグラフなどのピンポイント情報を搭載
・独自予報と気象庁予報の2種類の予報を搭載し、予報の比較検討が容易に可能
・岸沿いのポイントだけでなく、沿岸や沖合のポイントも豊富で、遊漁船選択やマイボート利用にも重宝
・超高精細なリアルタイム風予報(2kmメッシュ、毎時更新)を搭載し、風にシビアな釣りに便利
・沖合の予報は16日先まで搭載
1ヶ月無料で利用することができますので、この機会に是非お試しください。
詳しくはマリンウェザー海快晴の公式HPをご覧ください。

GWの天候で気をつけるべきこと
まず、例年のGW頃の天候の特徴を解説します。
日本付近では、高気圧や低気圧が入れ替わり通過するようになります。ですので、基本的には晴れと雨(曇り)が2日程度で交互にやってきます。ちなみに五月晴れ(さつきばれ)とは、旧暦の5月(現代の6月)の晴れ間のことを言い、梅雨の合間の晴れのことを指します。
メイストーム
この時期に気をつけなければならない天気として、『メイストーム』があります。直訳すると、『メイ(5月)』 の 『ストーム(嵐)』で、いわゆる『春の嵐』のことです。一般的には、3~5月にかけて発生する春の嵐のことを言います。
なぜ春に嵐が起こりやすいのかというと、春は大陸では冬の空気が残りつつ、日本の南海上では夏の空気ができはじめていて、それらがぶつかると温度勾配が大きくなり、温帯低気圧が発達しやすくなるからです。

メイストームが発生し日本付近を通過すると、全国的に大荒れの天気になります。予想天気図で発達した低気圧があったり、週間予報で雨・風が強まるタイミングがあれば注意が必要です。
詳しくは海快晴のコラムをご参照ください。
場所による気温差
また、GW頃は先ほどの図にもあるように冬の空気が残り夏の空気ができ始める時期にあたるため、北海道で最高気温が30℃を超える真夏日になることもあれば、逆に関東で最高気温が15℃を下回ることもあります。
海上は周りに風をさえぎる障害物が少ないので、陸上よりも1.5~2倍くらい強い風が吹きます。そして、風速が1m/s増すと体感温度は1℃下がると言われています。
仮に最高気温が15℃で風が10m/s吹いた場合、体感温度は5℃になります。これに雨が加わるとさらに熱が奪われるため、ほぼ冬の格好で釣りをした方が良い天候の場合もあります。
快適に釣りをするためにも、釣り場の最寄りのピンポイント天気予報から最低気温・最高気温・風速を確認して、コンディションに見合った服装をすることをオススメします。

今年のGWの天気・海況予報
大きく、1.期間前半(4月27~29日)、2.期間中盤(4月30日~5月2日)、3.期間後半(5月3~6日)にわけて解説します。
期間前半(4月27~29日)
27日(土)は前線や低気圧の影響を受けそうです。全国的にぐずついた天気となり、西~東日本では風が強くなり、波の高くなる所もあるでしょう。
28日(日)は高気圧に覆われる見込みです。太平洋側では北風が残る所もありそうですが、全国的に晴れる所が多いでしょう。
29日(月)は高気圧が東海上に遠ざかり、前線・低気圧が接近してきます。
期間中盤(4月30日~5月2日)
前線が日本の南海上に停滞し、高気圧が北日本を通過しそうです。全国的に高気圧の吹き出しによる北東~北風が強まり、波が高くなりやすいでしょう。気温もやや低めになる所が多そうです。北日本では晴れそうですが、前線に近い西~東日本では曇りや雨となる所もありそうです。
期間後半(5月3~6日)
3日(金)・4日(土)は東~北日本では高気圧に覆われて晴れそうですが、西日本では気圧の谷が接近し、天気は下り坂となるでしょう。
5日(日)・6日(月)は大陸の低気圧を含む気圧の谷が日本付近を通過しそうです。全国的に天気は崩れ、低気圧への吹き込みによる風が強まる所もありそうです。
前線・低気圧の通過する位置やタイミングによっては、天気や風・波の予報も変わってきます。できるだけ最新の予報をチェックするようにしましょう。
気象予報士オススメの海釣り(関東近郊)
関東近郊の主な海釣りエリアである「東京湾」、「相模湾」、「外房」にフォーカスして、それぞれの地域の気象の特徴を解説し、GWに気象予報士がオススメする釣りを紹介します!
東京湾の気象の特徴
陸に囲まれた海域のため、外洋からのうねりが入りづらいのが大きな特徴です。そのため、船酔いしにくく、小さいお子様などでも比較的快適に釣りを楽しむことができます。
ただし、地形的な要因で北風と南風に弱く、時には10m/s以上の風が吹くこともあります。そうなると仕掛けが投入しにくくなったり、波が立ってしぶきがかかることもあります。
北風・南風が強くない日を選べば快適に釣りを楽しむことができます。
気象予報士オススメの東京湾の釣り
それでは具体的に東京湾でGWにオススメの釣りを紹介していきます。
LTアジ
東京湾の代表的な船釣りの1つで、ライトタックル(Light Tackle)を使ったアジ釣りです。昔の船アジ釣りというと80号(300g)~150号(550g)の重いオモリを使うのが一般で、タックルも太くて重いものが主流でしたが、軽量化されたタックルで40号(150g)前後の軽いオモリで狙えるようになったのがLTアジ釣りです。子供でも手軽にアジ釣りを楽しむことができます。
オススメ船宿:川崎・つり幸

横須賀で手漕ぎボート
少し玄人向きにはなりますが、東京湾でも手漕ぎボートをレンタルすることができ、アジやタチウオ、時には真鯛なども釣れたりします。最近では陸での釣りは非常に混雑していて、場所の取り合いになったりしますが、レンタル手漕ぎボートであれば船の免許も不要で、混雑した釣り場とも無縁になります!ただし、風と波には弱いので、ピンポイント天気予報のチェックはマストになります。

相模湾の気象の特徴
続いては相模湾です。
北側が陸、南側が海となっている場所が多いので、北風に強く、南風に弱いのが特徴です。北風がそこそこの強さで吹いても、沿岸付近では波が立ちにくく比較的穏やかとなります(ただし、北風でも沖合は波が立ちます)。
逆に南風の場合は波が立ちやすく、南風が強く吹くと岸釣りは難しくなり、船釣りでも大きく揺れたりします。北風の日は気温が下がる傾向があるため、予想気温と風速を確認し、先に説明した風速が1m/s増すと体感温度は1℃下がる論理に従って、着る服装を選ぶと良いでしょう。
気象予報士オススメの相模湾の釣り
具体的に相模湾でGWにオススメの釣りを紹介していきます。
アマダイ
相模湾のアマダイのメインシーズンは冬になりますが、冬は気温も低くて波も高い時が多く、水深100m前後のアタリを取るのも結構大変です。でもこの時期なら、辛い思いをせずにアマダイ釣りを楽しむことができます。お子様や家族、友人と、のんびり高級魚のアマダイを釣って絶品の松笠揚げをご堪能ください!

※お出かけ前に必ず出船釣り物をご確認ください
外房の気象の特徴
最後に外房です。
外洋に面しているため、大きなうねりが入りやすいのが特徴です。そのため、船釣りの場合は船が大きく上下に動くことがあり、船酔いしやすかったりします。外房の船釣りに慣れていない方は、事前に酔い止めを飲んでおくことをオススメします。
船酔いしないコツは色々ありますが、個人的に効果的なのは手元を見続けないことです。移動中や釣りの最中などは、極力遠くの景色や水平線を見ると良いでしょう。
また、外房は風を受けやすい地域でもあります。全般的に東風が吹くと波は立ちやすく、北側に陸がある地域(飯岡や小湊など)では南風に弱く、西側に陸がある地域(大原など)では南風や北風に弱い特徴があります。
よって、外房での釣りはピンポイント予報をフル活用し、釣り場の気温、風向・風速、うねりの高さを事前にチェックすると良いでしょう。
気象予報士オススメの外房の釣り
具体的に外房エリアでGWにオススメの釣りを紹介していきます。
ひとつテンヤでの真鯛
大原発祥のひとつテンヤ真鯛釣りは、ライトタックルで0.6~0.8号の細いPEラインで真鯛を狙うため、アタリやファイトが非常にスリリングで楽しめます。
エビを使ったエサ釣りですが、軽いテンヤを操作したりアワセる感覚などは、ルアー釣りに近い気がします。また、アタリが非常に多いので飽きません。
冬は風や波の強い日が多い外房ですが、ピンポイント天気予報で穏やかな日を当てて、GWにのんびりと真鯛を狙ってみてはいかがでしょうか?
オススメ船宿:大原・松栄丸

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