この春のアジングの調子について、大阪湾沿岸で釣っている者として、印象を述べたい。結論から言えば、今年は春の回遊に大きな期待が持てない。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
アジング、微妙
春のアジは産卵のために接岸してくる。その群れをマヅメの回遊に絡めて釣り、さらにプランクトンパターンとなって残る群れを追釣するのが基本的な春アジングのセオリーだ。そのため、まず朝夕のマヅメに回遊があるかが何より重要なのだが、残念ながらこの春は、ほとんど魚が入っていない。
大阪湾奥で釣っていると、その他の小魚の動きもよくないことに気が付いた。メバルもこの時期にしてはちょっと釣れ渋っているし、サバやカサゴなどアジングのゲストもほとんど見ない。アジングが微妙なのはもちろん、ライトゲーム全体の対象魚が薄いともいえる。

泉南で始まりかけ?
私自身、一応あちこちでアジを探してはいる。大阪湾奥を中心に、西は垂水、南は泉南まで出かけてみたが、アジのアタリは皆無だった。もちろん、どのポイントもアジが出やすい場所は知っているし、回遊の時間帯も、居着きの魚が浮上しているタイミングも知っている。それでも、アタリが一切出ない。
春のアジの回遊は、もともとムラがある。寄らないときには一切寄らないものだ。
ところが、ネットで情報を見ていると、泉南でちょこちょこ釣れているという話もある。私は電車釣行のアングラーなので、メジャーなポイントにしか入ることができない。もしかすると車でもっとこまめに探ってみれば、あっさりとアジと出会えるのかもしれない。

春アジングのセオリー
あまり期待は持てないものの、アジが春に接岸するのは一定の事実である。どこかで回遊に恵まれた日には、良型も望めるだけあり、爆釣したい。春のアジングのセオリーについて、おさらいしておこう。
マヅメの回遊から夜の浮上を待つ
春のアジングでは、夜を主眼とする場合(*夜のほうが魚が残りやすいので、基本的に夕方から夜にかけて釣ることを推奨する)、夕方からエントリーする。時間でいえば、19時前からだ。日没直前からポイントに入って、魚を探し始める。
マヅメに回遊してくるアジは高活性なので、あまり細かいことを考えなくても食ってくるが、どちらかといえばジグ単リグのシェイキングを目立たせるイメージでこちらから誘って食わせたほうがいい。
夜になると、ベイトが小魚からプランクトンにかわる。

次のアジングは夏の豆アジ
春のアジは気まぐれで、なかなか容易にアンサーが得られる魚ではない。だがこの季節のアジは産卵前の荒食いに入り、そのパターンにはめれば、かなり大きなサイズのアジを仕留めることができる。もし回遊があるならば、絶対に釣っておきたいシーズンだ。
春のチャンスを逃すと、次のアジングまでは間が開く。早いところでは7月、遅いと9月くらいから春に生まれた豆アジが出てくる。だが小さな小さな豆アジは、ルアーで釣るのが難しく、悶絶のアジングになってしまう。
そのあと、初冬にかけて最盛の時期がくるのだが、その期間も長くない。ありふれた魚ではあるが、アジングで釣りきるのは難易度高めなので、よく海に通い詰めて反応を見続けたい。
<井上海生/TSURINEWSライター>