この春のアジングの調子について、大阪湾沿岸で釣っている者として、印象を述べたい。結論から言えば、今年は春の回遊に大きな期待が持てない。

いくつかの地点で探してみたが、一切反応がないのだ。そうしているあいだに海水温も上昇してくるので、来る夏、豆アジの季節を待つことになりそうだ。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)

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アジング、微妙

春のアジは産卵のために接岸してくる。その群れをマヅメの回遊に絡めて釣り、さらにプランクトンパターンとなって残る群れを追釣するのが基本的な春アジングのセオリーだ。そのため、まず朝夕のマヅメに回遊があるかが何より重要なのだが、残念ながらこの春は、ほとんど魚が入っていない。

大阪湾奥で釣っていると、その他の小魚の動きもよくないことに気が付いた。メバルもこの時期にしてはちょっと釣れ渋っているし、サバやカサゴなどアジングのゲストもほとんど見ない。アジングが微妙なのはもちろん、ライトゲーム全体の対象魚が薄いともいえる。

「2025年春の大阪湾アジングは期待薄か?」 朝夕のマヅメ時にもアジ回遊なし
「2025年春の大阪湾アジングは期待薄か?」 朝夕のマヅメ時にもアジ回遊なし
メバルも若干薄め(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

泉南で始まりかけ?

私自身、一応あちこちでアジを探してはいる。大阪湾奥を中心に、西は垂水、南は泉南まで出かけてみたが、アジのアタリは皆無だった。もちろん、どのポイントもアジが出やすい場所は知っているし、回遊の時間帯も、居着きの魚が浮上しているタイミングも知っている。それでも、アタリが一切出ない。

春のアジの回遊は、もともとムラがある。寄らないときには一切寄らないものだ。

このへんはまさしく回遊魚ならではで、タイミングと運の問題も大きい。あるいは、今年狙ってアジを釣るのはあきらめたほうがいいかもしれない。少なくともルアーフィッシングにこだわると、そんな気がしないでもない。

ところが、ネットで情報を見ていると、泉南でちょこちょこ釣れているという話もある。私は電車釣行のアングラーなので、メジャーなポイントにしか入ることができない。もしかすると車でもっとこまめに探ってみれば、あっさりとアジと出会えるのかもしれない。

「2025年春の大阪湾アジングは期待薄か?」 朝夕のマヅメ時にもアジ回遊なし
「2025年春の大阪湾アジングは期待薄か?」 朝夕のマヅメ時にもアジ回遊なし
どこにいるのか、今年の春アジ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

春アジングのセオリー

あまり期待は持てないものの、アジが春に接岸するのは一定の事実である。どこかで回遊に恵まれた日には、良型も望めるだけあり、爆釣したい。春のアジングのセオリーについて、おさらいしておこう。

マヅメの回遊から夜の浮上を待つ

春のアジングでは、夜を主眼とする場合(*夜のほうが魚が残りやすいので、基本的に夕方から夜にかけて釣ることを推奨する)、夕方からエントリーする。時間でいえば、19時前からだ。日没直前からポイントに入って、魚を探し始める。

マヅメに回遊してくるアジは高活性なので、あまり細かいことを考えなくても食ってくるが、どちらかといえばジグ単リグのシェイキングを目立たせるイメージでこちらから誘って食わせたほうがいい。

夜になると、ベイトが小魚からプランクトンにかわる。

プランクトンパターンになるのは、日没一時間後くらいだ。常夜灯の効果が効き始めてから、ゆっくりと居着きのアジや、マヅメの回遊後に残ったアジが浮上してくる。プランクトンパターンでは、ジグ単リグをスローに漂わせて釣るのが基本だ。

「2025年春の大阪湾アジングは期待薄か?」 朝夕のマヅメ時にもアジ回遊なし
「2025年春の大阪湾アジングは期待薄か?」 朝夕のマヅメ時にもアジ回遊なし
春アジは時間帯別に釣り分ける(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

次のアジングは夏の豆アジ

春のアジは気まぐれで、なかなか容易にアンサーが得られる魚ではない。だがこの季節のアジは産卵前の荒食いに入り、そのパターンにはめれば、かなり大きなサイズのアジを仕留めることができる。もし回遊があるならば、絶対に釣っておきたいシーズンだ。

春のチャンスを逃すと、次のアジングまでは間が開く。早いところでは7月、遅いと9月くらいから春に生まれた豆アジが出てくる。だが小さな小さな豆アジは、ルアーで釣るのが難しく、悶絶のアジングになってしまう。

そのあと、初冬にかけて最盛の時期がくるのだが、その期間も長くない。ありふれた魚ではあるが、アジングで釣りきるのは難易度高めなので、よく海に通い詰めて反応を見続けたい。

<井上海生/TSURINEWSライター>

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