春の居残り青物を狙って岸和田一文字へ向かったが、海の様子はすでに初夏の様相で青物の気配は薄い。気分転換にやってみた初の沖堤防でのタコ釣り調査が、思いがけない展開となった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・夕日とぼうず)
岸和田一文字へ釣行
5月24日、岸和田渡船の人気の1番船は予約開始後に一瞬で満席に。なんとか確保できた2番船での釣行となった。
雨予報が出ていたため、2番船の乗客は少数。上陸後、北エリアはすでにアングラーでびっしりと埋まっていたため、空いていた南エリアを選択。釣り座は選び放題だった。すでに空は暗く、見える範囲の竿はどれも曲がっていない。
青物の気配はなし
海面にはベイトの群れが見えず、前々日は好調だったという青物も、前日は釣果が落ちていたとの情報。この日の気配はさらに厳しそうな印象を受けた。実際、当日公表された岸和田渡船の釣果情報でも、ブリ1本、ハマチ3本という寂しい内容だった。
タコ釣りへ転戦
7時40分、筆者は気分転換を兼ねてタコ狙いへシフト。選んだのは、5日前に南港魚つり園で今季自身初のタコを釣らせてくれた「Tポートオリジナル タコジグ/グリーンヘッドチャート」。
広くランガンしながら足元を丁寧に探っていくと、8時2分、“ムニュ”という軟体動物らしい反応。力強くフッキングを入れたが、上がってきたのは無念のゴミだった。

タコエギで中型マダコを手中
気を取り直して、タコエギ「Tポートオリジナル オクトパスタップ/オレンジゴールド(マルシン漁具)」にチェンジ。実績のあるエギにキビナゴを輪ゴムで巻き、さらに広範囲を探る。
9時16分、先ほどと同じポイントで、今度は明確なタコっぽい反応。さっきの空振りが脳裏をよぎるも、思い切ってフッキング。竿に伝わるしっかりとした重みを信じて巻き上げると、中型サイズのマダコが姿を見せてくれた。
南港で釣ったタコの倍はあろうかというサイズ感。沖堤防でのポテンシャルをはっきりと感じた瞬間だった。しかもこれが、筆者にとって沖堤防での人生初タコ。じんわりと感動がこみ上げた。

人生初の1kg超えマダコ浮上!
その後、空はいっそう暗くなり、パラパラと雨が降り始めた。青物を再度探るも状況は変わらず、潔く見切って、残りの時間はタコへ全振りすることに。13時の迎えの船まで残り約1時間。片付けの時間を差し引くと実釣時間はさらに短い。
なんとかもう1杯追加したい——そんな思いでエギを投げ続ける。
しっかりと溜めをつくり、全力でフッキングを入れると、これまでに感じたことのない重量感が硬い竿を大きく曲げた。ドラグはほぼフルロック。それでもひと巻きごとに「ジッジッジッ」と滑るほどの負荷。
慎重にやり取りし、水面に浮かび上がってきたのは、自身の過去最大サイズとなるマダコ。1.23kg――自身初のキロアップだった。

その吸盤の大きさ、質量感にしばし息をのむ。この日、岸和田一文字では他にも数匹のタコが上がったようだが、幸運にも筆者が釣ったものが最大サイズだったという。

青物狙いで始まった一日が、思いがけず沖堤防タコ釣りの可能性を実感する展開となった。釣りは、狙いを変えれば世界が変わる。次の岸和田一文字でのタコ釣りが、今から楽しみで仕方がない。
釣行動画
<夕日とぼうず/TSURINEWSライター>